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【発達障害ASDの息子】療育手帳の取得への葛藤。

現在20歳の息子(ASD,発達性協調運動障害、軽度知的障害)は小学校4年生の時に療育手帳を取得しました。これを取るのか取らないのか、とても葛藤がありました。実際問題、手帳そのものがよくわかってなかったのもありますが、それよりも、自分の中で、とうとう「公に障害者だと認める」
「公にする」というイメージがあって、診断が正式に降りて1年以上悩んでいました。

私が息子の障害をすぐには受け止め切れてなかったのです。頭では分かるけど、自分の中での踏ん切りがついていない、という感じでしょうか。。とても悩んでしました。本当に。困っているのは息子なのに。

当時、息子の通級指導してくれていた先生に週に1度付き添いの際の面談の時に、
「一度、お母さんに会って頂きたい方がいるんですが、どうですか?」と言われました。
それは、平日ではなく休日。学校ではなく、とある大きな会社の事務所まで行き、そこでその先生のお知り合いのジョブコーチの方にお会いしました。わざわざ先生の休みの日に、プライベートで時間を作って頂いたのでした。

早速、そのジョブコーチの方が働いている部署に案内されると、そこで8名くらいの障害者の方が働いていました。おそらくASDの方、知的には様々の様子。以前でいうアスペルガーらしき人もいれば、知的に重たそうな人もいて。ASDじゃなさそうな人もいる。精神障害なのかもしれない。詳しい事情はわかりませんでしたが、みなさんそれぞれ働いていました。

仕事の内容も、ある人は他の部署とのやり取りを電話やメールで行う人、ある人はその職場で必要な袋詰、、各フロアからゴミを回収している人、などなど。適材適所としか思えない働き方でした。ジョブコーチの方はその人の特性を見て、少しづつ仕事を覚えてもらって、合いそうな仕事を探していく、また、その会社で障害者雇用でやれそうな仕事をどんどん取ってくる、というような役回りをしていました。

働いている人たちと社食でランチもしました。ちゃんとプリペイドカードを使って、自分の食べたいもののところに行って、並んで買ってきて、食べていました。
話をすると、グループホームから通っていて、家族とは週末に会ったりします、とかお給料でこの前、お母さんにお花を買いました、とか、働いたお金でこんなことをして楽しんでます、とか、いろんな話を聞きました。何となく息子の未来の具体的な例を見せてもらった感じでした。

ジョブコーチの方とお話しする機会も作っていただきました。息子の事情、私の気持ち、いろいろと話をさせていただきました。でも、その方は、明るく、
「ここで働いている人たち、みんな手帳持ってるからできるのよ。
持ってるから、私もお手伝いができるの。手帳は、息子さんのお守りみたいなもの。健常者と同じ土俵で生きていくのは大変だけど、手帳があれば、ちゃんと働いて、自立もできる。あるからできること。大体、仕事はたくさんあるの!探せばたくさんあるの!」と言われました。パワフルな女性の方でした。

何か、その瞬間に私の中の変なモヤモヤは消えて、素直に彼女の言うことを受け入れる事ができました。何を私は下らないことに拘っていたんだろう?守りたかったのは、妙なプライド?情けないですが、多分、そうだったんだと思います。往生際が悪かったんでしょうね。

すぐに区役所に電話して、手続きしました。予約を取ってもらって、児童相談所で検査をしました。田中ビネー式での検査の結果は、取れるかどうか微妙、と言われました。
え???微妙って何よ。
主治医に相談してみてください、診断名で取れるかもしれないので、と、いわれました。

早速、療育センターの主治医のところに行き、手帳の話をしたら、
大丈夫ですよ、と言って、確か書類に診断名を書いてくれました。
(この先生に今は障害年金の診断書もお願いしています)

これは自治体の違いや、障害の程度等もあるのでデリケートなところだとは思いますが、うちの息子の場合はあの時に取得できてよかったと思います。

ジョブコーチの方とお話しできる機会や、実際に見学する機会を作ってくれた先生には、本当に感謝しています。

最後までお読み頂きありがとうございました😊

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