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乳幼児クラスの担当になったんだが、奥が深くて最高に楽しい

9月から、乳幼児クラスを受け持つことになった。

私の働く園の乳幼児の教室では、プライマリーケアをおこなっている。プライマリーケアとは、1人の先生が4人の子どもを受け持って、1日中その4人の子どもたちと一緒に過ごすシステムである。乳幼児期には、たくさんの先生と関わるよりも、特定の先生としっかりアタッチメントをつくることが大切とされているため、このシステムが導入されている。

乳幼児を担当するにあたって、Magda GerberのRIE Philosophyを念頭において子どもたちに接するようにしている。簡潔にいうと「一個人として、尊敬と信頼をもって、乳幼児に接しましょう」という理念だ。その理念を支えるのが、下記の3R'sという概念である。

3R'sとは
- Respectful(尊敬の念をもつ)
- Responsive(子どもたちのニーズに対応する)
- Reciprocal(子どもたちとの相互の関わりあいを大切にする)

どうやって3R'sを実行するのか

Primary Caregiving Systemのコピー

乳幼児は、可愛い。大人のサポートが必要なことも多い。しかし、彼らは私たちと同じ一個人で、意志と感情をもっている。だからこそ、私たちが友人や家族や同僚と接するように、乳幼児にも敬意を払って接する必要がある。

たとえば、オムツ替えのときは「オムツ替えしてもいいかな?」と必ず子どもに聞くようにしている。大人の力を使えば、オムツ替えも力づくでできてしまうが、子どもの意志を尊重するためにも、このやりとりは重要だ。

もし「いや!」と言われたら「じゃあ5分後はどうかな?」「いま遊んでるおもちゃ持ってきていいよ。どうかな?」「オムツ替えたらスナックタイムにするのはどう?」と代替案を出して、妥協点を見つけるようにしている。

Primary Caregiving Systemのコピー2

子どもたちをしっかり観察すれば、彼らがいまなにを必要としているのか理解することができる。子どもたちから出たキューを見逃さずに、その都度、子どもたちのニーズに応えることが大事である。

乳幼児期では、まだしっかり話すことはできないが、それでも、お尻を指差してオムツが汚れていることを教えてくれたり、自分の口を指差して「お腹がすいた」ことを教えてくれたりする。乳幼児のコミュニケーション術は、目をみはるものがある。

自分のことは自分が一番知っているように、乳幼児たちも何が必要か、彼ら自身が一番理解している。私たち先生の役目は、彼らのリードについていくことだ。

Primary Caregiving Systemのコピー3

言うまでもなく、子どもたちとの関わり合いは、彼らと信頼関係を築いていくために重要なもの。遊びの時間だけでなく、オムツ替えや着替えの時間も、子どもたちにとっては、大人とのワン・オン・ワンの大切な時間だ。

「いまから新しいオムツつけるね」「靴、脱がすよ」など、いまから何が起こるかを子どもに説明したり、歌を一緒に歌ったりと、子どもたちが積極的にアクティビティに参加できるように心がけている。

プライマリーケアと3R'sを実行してみて

私もいま、4人の乳幼児たちを受け持っている。はじめてのプライマリーケアで、はじめは戸惑うこともあったが、いまでは自分の受け持つ子どもたちが大好きだ。もはや小さい友人たちに会うために、園に通っている。

今回紹介したプライマリーケア、Magda GerberのPhilosophyや3R'sは、実際にカレッジで学んだものだ。授業中は「へえ、そんなものがあるのね」程度だった。なんなら配属は乳幼児じゃなくて3−5歳児がいいな、と思っていた。

しかし、実際に乳幼児クラスを担当してみて思ったのは、プライマリーケアと3R's、尊いし奥が深い……!この1ヶ月の間だけでも、子どもたちとの信頼関係ができていくのを感じたし、この時期の子どもたちに必要なのは「信頼できる特定の大人とのアタッチメントなんだな」と再度実感させられた。

入園した当初は、ずっと泣いていたり、ご飯にも一切手をつけなかったりしていた子どもが、いまでは「保育園が大好きすぎて、本当は今日仕事休みなんですけど連れてきちゃいました……」と親御さんから言われるほどになった。これって、保育士冥利に尽きる言葉では……。

まだまだ、乳幼児たちについて勉強しなければいけないことはたくさんあるが、ひとまずプライマリーケアの素晴らしさをシェアしたくて、このnoteを書いた。明日からまた月曜日、仕事にいくのが億劫だと感じることも最近はなく、ただ子どもたちに会えるのが楽しみだ。

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