8年越しの謝辞と120万円の小銭の重み
120万円ほどの小銭は、紙袋がちぎれるくらい重かった。
色んな「日常」が壊れた2011年3月11日から1か月も経たない4月初旬のことだった。私はちょうど高校2年生になるとき、約120万円の小銭が入った紙袋を渋谷のど真ん中で持っていた。そう、3.11(当時は名称が決まるか決まらないかくらいだった)への義援金を街頭募金で集めたのだった。
2011年3月11日、私は16歳で高校1年生だった。テスト明けで学校がなかった私は、あの地震の揺れを、東京の実家でひとりで経験した。津波の様