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コミュ強に引き寄せられて

趣味を一人旅と人に対して堂々としていう程には好きだと思う。事実、大学生になってからは誰か旅行に行ったことがない。もちろん、コミュニティに旅行が好きな人がいないのも大きな要因だろう。または、私が拒んでいる。私の旅行計画に誰も連れて行きたくないという親切心に隠れたエゴを取り繕っているのだろう。そんな私が誰かと一泊二日の旅行をした話だ。

私に権限はない。

私がふと口にした出雲大社に行きたいなという日常を聞き逃さなかったコミュ強ことaさん。別に断る理由もなかったために、そのワンラリーで決定した。
aさんの方が行きたい欲が強かったらしく移動手段の手配から日程まで全てをしてくれた。こういう人間が社会を引っ張って行くのだろう。ぜひ期待したい。また、私に対して行きたいところないかと配慮もする徹底ぶりである。旅行で日程なんか立てたことがない私は日程のある旅行が新鮮だ。泊まるところはaさんの友達の家らしい。家主がいいなら私も構わないが流石に初対面だ。コミュ強の友達はみなコミュ強なのか?

贅沢な三列シートの夜行バスに朝の6時過ぎに捨てられた。大社の通りの商店街も当然開いておらず境内の中はランニング老夫婦など地元人多数。

物静かな神社ってなんかいいよねって心で呟く。風が空気が私に語りかけるように伝わる。仕事の準備をしている巫女さんにも会えた。和服に憧れる私には羨ましいこの上ない。
そして、さすがはコミュ強。喋ってくれる。推測だがお互いに沈黙は気まずくないはずだ。しかし、話しを聞くのは好きだ。占い師みたいなことを言いつつ、やはりaさんは話すのが好きっぽい。

友達がいるらしい岡山に向かう。出雲から岡山に向かうまでには山っぽいところを通過する。普段の私なら降車していたであろう場所も進む一行。もちろん人が待っている。降りるわけにはいかないのだ。降りたい欲を抑えつつ、次来た時はここもいいなと思考の変換に成功。柔軟な発想こそが魅力ある人間への第一歩かもしれない。

aの友達は車で狭い道も通り抜ける。大学生なら友達が車を運転するなんてよくあることだろう。しかし、何を隠そうこと私だ。非常に新鮮だ。夕飯も食べ終わり息をついたのも束の間、家主の体調が優れないらしい。家主は同じアパート友達と共に病院へ向かう。残されたaさんと私。この訳がわからない状況も楽しかった。aさんも家主も人がいい。もしかしたらネコを被っているだけかも知れないが私にそれを見破る能力はない。目に見えるものだけが私の全てだ。

2日目 朝早く目が覚めた。周りよりも朝が強い方がと思う。せっかく知らない土地に来たんだ。朝に散策しなければ逆に失礼に当たる。歩いてだと周りにコンビニ少ない。徒歩10分程度のコンビニへ向かう。感謝の気持ちと心配の気持ちを込めて、熱に良さそうな手土産を1000円程度。少し痛手だ。いかんせん、適量がわからないので余分に買ってしまったかもしれない。ご愛嬌で許してくれるはず、、

驚異的回復力家主。朝に目が覚めると熱は引いていた。恐るべし家主。そのまま、倉敷へ。aさんと家主は中学?の同級生らしい。2人の話は止むことなく、まるで昨日の分を取り戻すように話し尽くす。今の話から。思い出話に花を咲かせて。全て聞き取れないがやはり人の話を聞くのは心地いいし、面白い。

そこで1つ。できるだけ2人の時間を確保した方がいいのか考える。こんなこと2人に言えば気を使い過ぎと言われるかもしれない。それでも過ぎるのは仕方がないのかもしれない。こんな時はどうするのが正解だろう?程よい距離感は学校で教えてくれない、、、

結論、楽しかった。また機会あるなら遊びたい限りである。家主が今度はこっちに来た時に正解がわかる。来たことも知らなかった場合はどこかで間違えたのだろう。正解はコミュ強のみ知る。やはりコミュ強は全知全能だ。そして引き寄せられた蝉が一匹。この季節にセミはいない。

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