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「切り絵で世界旅」カイディン帝廟(フエ/ベトナム)グエン朝12代皇帝は、フランスかぶれ!?

 1945年まで続いたベトナム最後の王朝グエン朝の古都フエ。その郊外には歴代皇帝廟などが点在している。その一つであるカイディン帝廟に127段を登って辿り着く。
 ここは13代まで続いたグエン朝(1802~1945年)12代皇帝カイディン(1885/在任期間は1916~1925年)の別荘地であり、死後に遺体を安置されてた帝廟でもある。建築様式は、中国とフランスの折衷様式だ。中国に1000年支配され、その後、フランスに100年近く(正確には1862~1954年の92年間)支配されていたベトナムならではの建築物といえよう。

国民から「フランスの保護下で贅沢な暮らしをしている傀儡皇帝」と見られていた


 帝廟の中に入ると、カイディン帝の肖像写真が飾られている。あれ、変なヘアスタイルだな? と訝りながら、よ〜く見ると、帽子を被っていた。にしても、異様な雰囲気が抜けない。
 病弱だったカイディン帝はフランスによって擁立された帝であり、また博覧会見学のためにフランスを訪れた際に、バロック様式の大型建築物に影響を受けたようだ。壁面に飾られている帝の写真を見ると、建築物に限らず、フランスかぶれだった証拠がいたるところに見られたものだ。


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