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「切り絵で世界旅」出家式(バンコク/タイ)男性は生涯に一度仏門に入ねばならない仏教国

 1987年、初めてタイを訪れたときのこと。まずキックボクシングを見るためにスタジアムまでタクシーで駆けつけたのだが、残念ながら休日だった。ドライバーはきっと休日であることを知っていたはずなのに黙っていたのだろう。

 そこで翌日、タイ観光の定番の一つ「タイ古典舞踊とタイ式ディナー」を予約して、バンコクの南西約30kmにあるローズガーデン(現在、サムプラン・リバーサイドに名称変更)に向かうことにした。
 ガーデンの屋外では象のデモンストレーションがあり、屋内では古典舞踊や伝統儀式、ムエタイ、農村での昔ながらの暮らしぶりなどが紹介されていた。

剃髪した男性が乗った象の後ろに数名が連なる

 そこで気になったのが、象の上に若い剃髪した男性が乗り、その後ろに何人が連なり行進をするシーンだった。出家式の模様を再現したものらしい。
 仏教国タイでは、男性は生涯に一度仏門に入る習わしがある。 出家した後に結婚し、家庭を持つことが幸せであり、両親は息子の幸せを願いながら送り出す。 何とタイの企業には、出家休暇(ラー・ブワット)と呼ばれる休暇制度まであるらしい。さすが仏教国!と感心するとともに、費用もかかって大変だろうなと同情したものだ。
<旅行日/1987.11.02>

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