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「切り絵で世界旅」ゴンドラ(ベネチア/イタリア)水上の迷宮都市をゴンドラで巡る

 死ぬまでに観たいと思っていたベネチアを訪れた。街全体が迷路と化しているため、迷子になる心配があったが、それ以上の期待を抱きながら歩き回った。次の角を曲がると、どんな風景が現れるのかワクワクする。迷路遊びを人間が好きな理由がわかったような気がした。

 当然のようにゴンドラにも乗らねばならない。ベネチア本島には150以上の運河がめぐり、そこに架かる橋は400を超える。この水上の迷宮を移動するために誕生したのがゴンドラだ。約1000年の歴史をもつゴンドラは船舶技術の傑作とされ、絶妙なバランスで水路を通行する。


 6人乗りのゴンドラに乗り込むと、漕ぎ手であるゴンドリエーレがゆっくりと漕ぎ出す。左右に次々に現れる味わい深い建物をうっとり眺める。ゴンドラから眺める運河と街並はひときわ美しい。狭い運河からカナル・グランデ(大運河)に出ると、ちょうどレガッタレースが行われていた(別に紹介)。レガッタが通り過ぎるまで、しばしゴンドラは止まる。満たされた時間が波のようにうねっていた。

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