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2アウト満塁 ポテンヒットで1塁ランナーが生還した理由とは 2022/4/3今日のワンプレー

スコアは2-6。7回裏読売ジャイアンツの攻撃。2アウト満塁。8連敗中のタイガースにとってはもう1点すら与えたくない場面だ。

ピッチャーのアルカンタラがフルカウントから投じたボールを打者吉川が弾き返す。レフト糸井の前にフラフラと力のないフライが上がる。

この瞬間多くのタイガースファンはピンチ脱出レフトフライで3アウトであると胸をなでおろしたことだろう。しかし、そうは問屋が卸さなかった。

https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1510508796702982150

結果は走者一掃タイムリー2ベース。読売は3点を加えこの時点でのスコアは2-9。タイガースの2022年初勝利は、今日もはるか彼方に遠のくことになった。

2アウトである。高く上がるフライでランナーが進むことができる時間があるのは理解できる。しかしなぜ1塁ランナーにまで生還を許すことになったのだろうか。ここには2つの不運があった。

不運1:すべてのランナーが投球と同時にスタートを切っていたこと
2アウトフルカウント、フォースアウトのランナーは無条件に投球と同時にスタートを切る。今回のケースは満塁でありすべてのランナーがフォースアウトのランナーである。これにより打者が打った瞬間、通常のケースよりも先の位置にランナーがいたことになる。

※2アウトフルカウントでなぜフォースアウトのランナーがスタートを切るのかはこちらに詳述している。
2アウト 3-2のフルカウントでランナーがスタートを切る理由 
フォースアウトとタッチアウトの違い 

不運2:外野の守備位置がやや後方に変わっていたこと
外野手がヒットの打球を処理したあと、2塁ランナーをホームで刺殺するには定位置より前に守備位置を置く(いわゆる前進守備体制)必要がある。この場面、実はフルカウントとなる直前までは外野は前進守備であった。ヒットであれば3塁ランナーを外野手が刺殺することは不可能だが、さらなる追加点を防ぐために2塁ランナーの生還を防ぐためである。

しかし3-2のフルカウントとなったことによって、「不運1」に記載したようにすべてのランナーが投球と同時にスタートを切ることになった。そうなると前進守備であっても2塁ランナーをホームで刺殺することは難しくなる。

そこで外野手は通常よりやや後方の守備位置に変更。深めのフライなどどんな打球でも確実に処理できる体制に変更したのである。そこにやってきたのがあの浅いフライであったのだ。レフト糸井が前進猛追するもわずかに届かなかった。


野球にたらればは禁物であるがあえて使う。

・全員がスタートを切れるカウントでなかったら
2アウトからの対空時間の長い打球であったため、2塁ランナーのホームインはやむを得ない。しかし1塁ランナーは進んでも3塁にとどまったものと想定される。

・フルカウントでなく外野が前進守備のままであったら
ただの浅いレフトフライである。なにごともなくレフト糸井がノーバウントで捕球し3アウト。スコアは2-6で8回表攻撃を迎えられたであろう。


「不運」と表現したものの、フルカウントになる前に吉川との勝負を決めきれなかったタイガースバッテリーにも、もちろん課題はあるのだが。

流れが悪い時にはカウントや守備位置、その他細かいプレーすべてが悪い結果につながる。週明けは本拠地甲子園へ帰る。我々タイガースファンにとって開幕から続く悪夢のような流れを、変える試合となるよう期待している。


阪 神 0 0 0 0 0 2 0 1 2 5
巨 人 4 0 0 0 1 0 4 0 X 9
【阪神】 ●ガンケル(0勝1敗) 浜地 渡辺 アルカンタラ 小野
【巨人】 ○赤星(1勝0敗) 平内 ビエイラ
[本塁打] 中田2号(巨) 岡本和3号(巨) 糸井2号(神) 木浪1号(神) 梅野1号(神)


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