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大舞台で見せた美しいディフェンス 2023/10/20

阪神タイガースが3連勝で日本シリーズ進出を決めた。シーズン同様安定した投手陣と鉄壁の守りで四球を絡めた少ない得点を守り切る野球を展開。点差以上に相手を寄せ付けない3試合であったように感じる。 このシリーズ。森下の初戦同点弾、木浪のサヨナラヒット、中野の好守備など強く印象に残るプレーが観客を湧かせた。しかし私が今年の阪神の強さを再確認したのはこのプレーである。 第3戦。阪神が広島を逆転した直後の5回の表広島の攻撃。先発大竹が2安打を許し1アウト1・3塁となった場面で打者堂林

    • 阪神タイガースの年間予約席を購入しようと検討しているあなたに見てほしい記事 #阪神タイガース

      2023年のクライマックスシリーズ、チケットの抽選受付が開始された。年間予約席の契約者とファンクラブの会員は9/28から。その後一般発売が行われるが、相当の争奪戦となることが予想される。 阪神タイガースが18年ぶりの優勝を決めた9月の公式戦では、優勝決定試合と見込まれる試合のチケット高騰が話題になった。数十万から100万円を超える金額が設定されるケースもあったという。 これを見た私の率直な感想がこちら。 私も2017年から年間予約席を購入しているが、大きな理由のひとつが

      • 全部親父が悪い 2023/9/14 阪神-巨人戦

        私が阪神タイガースに興味を持ったのはいつなのか記憶にない。気づいた頃にはタイガースのトレードマークが入った黄色いプラスチックのバットを持って走りまわっていた。 親父は毎日仕事で忙しく、幼い頃の私と会話をする時間はほとんど無かった。しかし毎日夜8時半になると電話をかけてきた。そしていつもこう言う。「阪神勝っとるか?」 「勝ってるで!」と答えると喜んでいた。「負けてるわ。」と答えると「しっかり応援せんかい!」と叱られた。タイガースが勝った翌朝にはいつも私の机に100円玉が置い

        • あのプレーは走塁妨害なのか? 2023/8/18 Dena対阪神戦

          ルール上はアウトとしか言いようが無いようである。 2023年8月18日、Dena対阪神戦で物議を醸したこのプレー。 野手が完全に走者の走路を塞いでおり、明確な走塁妨害であるとVTRを見た瞬間に私は感じた。結果はご存知のとおり「走塁妨害ではなくランナーアウト」である。 一夜明け、さまざまなソースから「走塁妨害」についての定義を改めて調べてみた。走塁妨害が適用されるのは以下のような場合のようだ。 したがって該当のプレー、ルール上は「野手がボールを持って走者をアウトにしよう

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          1アウト2・3塁の外野フライでなぜ2塁ランナーはタッチアップのスタートを切ってしまうのか

          2023年7月8日 阪神対ヤクルト戦。 6回裏1アウト2・3塁。打者ミエセスがセンターへフライを打ち上げた。外野手が捕球したことを受けて3塁ランナーはタッチアップで本塁へ向かう。同時に2塁ランナーも三塁へ向かう。これを見たヤクルトの野手陣は中継プレーを経て本塁ではなく三塁へ送球しセカンドランナーにタッチし判定はアウト。そしてこのランナーがアウトになったタイミングが三塁ランナーのホームインよりも早かったと判定される。 つまりタッチアウトの時点で3アウトとなり攻撃終了。そのあ

          1アウト2・3塁の外野フライでなぜ2塁ランナーはタッチアップのスタートを切ってしまうのか

          あのノースライディングタッチアウトを検証する。

          2023年7月6日の広島対阪神戦でのプレーである。 終盤7回の表0-3でビハインド、劣勢で試合を進めるタイガースの攻撃。2アウトランナー1塁にノイジー。打者は代打の渡辺。渡辺が放った打球は3塁後方のレフト線いっぱいに弾む長打コース。1塁ランナーのノイジーは3塁ランナーコーチの指示どおり本塁へ突入するも悠々アウト。ノイジーは本塁へスライディングせず諦めたように駆け抜け、無抵抗でアウトになったことがスポーツ紙やSNSで指摘されている。 主な論点は以下の通りである。 1.3点

          あのノースライディングタッチアウトを検証する。

          7連勝を決めたのは渡邉諒の足だった。 2023/5/27今日のワンプレー

          2023年5月27日の阪神対巨人戦。7回の裏、0-0の同点。2アウト1・2塁。打者は得点圏打率5割を誇るタイガースの核弾頭、近本光司。凍りつくような投手戦の均衡を破る絶好のチャンスである。 近本は粘って粘って3-2のフルカウントからセンター前へ鋭い打球を弾き返した。 この場面、プレーの前に両ランナーにどんな指示が出ていたのか想像してみよう。 まず2塁ランナーの坂本誠志郎。坂本には「外野手正面の打球は多少微妙なタイミングであっても本塁に突っ込め」だろう。1回の裏にビッグチ

          7連勝を決めたのは渡邉諒の足だった。 2023/5/27今日のワンプレー

          【WBC2023】なぜ周東佑京は1塁から悠々生還できたのか。〜今日のワンプレー

          足が速いからである。と言ってしまえばそれまでであるが、そこにはやはりプロの技術と判断があった。 場面は9回の裏。4-5で1点ビハインド。ノーアウト1・2塁。2塁ランナーは大谷翔平。周東佑京は1塁ランナーであり彼がホームインすれば逆転で勝利が確定する貴重なランナーである。 まずMLB Japan公式Twitterが公開しているこの動画を見ていただきたい。 https://twitter.com/MLBJapan/status/1638038977721556993 2塁

          【WBC2023】なぜ周東佑京は1塁から悠々生還できたのか。〜今日のワンプレー

          【記録画像】コロナ禍の阪神甲子園球場

          2020年より日本を襲ったコロナウイルス。無観客試合や人数制限など、プロ野球をとりまく環境にも大きな影響を与えた。 2022年からは12球団すべての球場で、声出しなどの制限はありながらも満員の観客が入場できるようになった。 おそらく今後数十年、同様の事態が発生することはないだろう。振り返ると当時の様子はかなり貴重なのではないかと考え、当時の阪神甲子園球場の画像を記録として掲載しておく。 制限下ではアルプススタンドは無観客の試合もあった。 試合開始後も私の前方は無人。

          【記録画像】コロナ禍の阪神甲子園球場

          あの打球は誰が捕球するべきだったのか。 2022/9/7今日のワンプレー

          タイガースが首位スワローズに9-1で圧勝。甲子園でスワローズにやられっぱなしだったタイガースファンにとっては溜飲を下げるゲームとなった。 問題は唯一の失点。この1点があったために先発の伊藤将司投手は完封を逃した。 6回表スワローズの攻撃。記録は「三2」、つまり三塁手が処理するツーベースヒットとなっている。 三塁手が処理してツーベースとは??詳細を振り返ってみよう。 1アウトランナーなし、打席の濱田選手は内野に高いフライを打ち上げた。落下点はピッチャーマウンドやや後方さ

          あの打球は誰が捕球するべきだったのか。 2022/9/7今日のワンプレー

          あの迷走塁はどうやったら防げたのか 2022/7/16 今日のワンプレー

          相手の先発投手は中日ドラゴンズの大黒柱、大野雄大である。おそらく得点のチャンスは少ない。 少ないチャンスのなか可能性にかけたプレーで1点ずつ積み重ねなければいけない試合である。その序盤2回、相手のミスも絡みタイガースはノーアウト1・3塁と絶好のチャンスをつくった。 打席には長打を期待されて久々のスタメンに名を連ねた陽川が立つ。陽川が放った打球は右中間ライトよりやや浅めのフライとなる。犠牲フライとなるか微妙な位置であったものの、3塁ランナーはタッチアップで本塁を狙う。 と

          あの迷走塁はどうやったら防げたのか 2022/7/16 今日のワンプレー

          1アウト1・3塁内野ゴロ。3塁ランナーがとるべき唯一の選択肢とは。 2022/7/13今日のワンプレー

          まずこのプレーを見ていただきたい。初回2点をとってなお1アウト1・3塁。打者糸原の場面である。 いずれの動画を見ても、ピッチャーゴロという3塁ランナーにとって送球されれば自分がアウトになる確率が高い打球であるにも関わらず、3塁ランナーはピッチャーがどこに送球するか判断する前にホームに向かっていることがわかる。 結論から言うと、1アウト1・3塁の場面で打者が内野へのゴロ打球を放った場合、3塁ランナーは無条件に本塁へ突入するのが正解である。理由は以下のとおり。 1.ゴロを捕

          1アウト1・3塁内野ゴロ。3塁ランナーがとるべき唯一の選択肢とは。 2022/7/13今日のワンプレー

          守備位置を見ればわかるベンチの意図 2022/5/17今日のワンプレー

          9回裏1点リードの守備。1アウト1・3塁。あなたが監督ならこの場面をどのように切り抜けたいと考えるであろうか。 もちろん無失点で抑え勝利で終えるのがベストである。しかし、危険を冒して何がなんでも無失点で抑えることを考えるよりも、双方投手陣の残り駒や打線の巡りなどを考慮してベンチは「最悪でも同点」と考えるケースもある。 人の頭の中は見えない。しかし守備体系を見るとベンチが何を考えているのかがわかる。17日のヤクルト-阪神戦。9回裏1-0でタイガースがリード。1アウト1・3塁

          守備位置を見ればわかるベンチの意図 2022/5/17今日のワンプレー

          2人の打者の足でつくった2アウト満塁 2022/5/5今日のワンプレー

          2連敗で迎えたゴールデンウィーク3連戦の3戦目。タイガースは辛うじて勝利をつかみ、こどもの日に甲子園球場に駆けつけた子供たちを笑顔で家路に送ることができた。 勝負をきめたのは9回ウラ。2アウト満塁から打者山本が四球を選び、押し出しで決勝点を奪った。 2アウト満塁である。器用な山本とはいえ、スクイズやスチールなどを仕掛けることはできない場面である。山本の得点につながる打撃にかけるしかない場面で、四球を選んだのはさすがである。 ただそれだけではなく、2アウト満塁に至るまでに

          2人の打者の足でつくった2アウト満塁 2022/5/5今日のワンプレー

          阪神ファンのマナーについて書く。

          関西生まれ関西育ちの私にとって、他の地域での会話は少々おとなしく感じることがある。逆に見ると、他の地域の方からは関西というエリアの人間は「うるさい」「こわい」などと感じられることもあるのだろう。 その象徴のように語られるのが甲子園のタイガースファンである。昨日2022年4月6日の阪神対Dena戦では、大きく負け越しているチーム状態と当日の試合の不甲斐なさが引き起こしたタイガースファンの行動について、ファンのマナーが大きくクローズアップされた。 これらの行動に弁解の余地はな

          阪神ファンのマナーについて書く。

          2アウト満塁 ポテンヒットで1塁ランナーが生還した理由とは 2022/4/3今日のワンプレー

          スコアは2-6。7回裏読売ジャイアンツの攻撃。2アウト満塁。8連敗中のタイガースにとってはもう1点すら与えたくない場面だ。 ピッチャーのアルカンタラがフルカウントから投じたボールを打者吉川が弾き返す。レフト糸井の前にフラフラと力のないフライが上がる。 この瞬間多くのタイガースファンはピンチ脱出レフトフライで3アウトであると胸をなでおろしたことだろう。しかし、そうは問屋が卸さなかった。 https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1510508

          2アウト満塁 ポテンヒットで1塁ランナーが生還した理由とは 2022/4/3今日のワンプレー