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大舞台で見せた美しいディフェンス 2023/10/20

阪神タイガースが3連勝で日本シリーズ進出を決めた。シーズン同様安定した投手陣と鉄壁の守りで四球を絡めた少ない得点を守り切る野球を展開。点差以上に相手を寄せ付けない3試合であったように感じる。

このシリーズ。森下の初戦同点弾、木浪のサヨナラヒット、中野の好守備など強く印象に残るプレーが観客を湧かせた。しかし私が今年の阪神の強さを再確認したのはこのプレーである。

第3戦。阪神が広島を逆転した直後の5回の表広島の攻撃。先発大竹が2安打を許し1アウト1・3塁となった場面で打者堂林がレフトへフライを打ち上げた。定位置よりやや後方にポジションをとっていたレフトのノイジーが捕球し、3塁ランナーのタッチアップを阻もうとするプレーがそれである。

https://youtu.be/0QAFiEod6Ak?si=Z6L-yx2p1HRuPJSP&t=110

レフトからショートのカットプレーを経て本塁に送球。結果本塁はセーフとなり相手チームの得点を許したものの、レフトの送球がショートの中継から捕手へと渡る、一瞬の隙も無い完璧な連携プレーであった。

さらに送球を捕球した捕手坂本は、本塁がセーフであるといち早く判断した。1塁ランナーの離塁を見逃さず、自分の足元に走り込むランナーには目もくれず1塁へ送球している。1塁も間一髪でセーフになったものの、坂本捕手の視野の広さを感じられるプレーであった。

2月のキャンプより岡田監督は、外野が処理した打球は内野手へ中継することを選手に徹底させている。そしてタイガースの守備陣はシーズン中もカットプレーで幾度となくピンチを脱している。

特にこの大舞台で見せたレフト→ショート→キャッチャー→ファーストへと流れる送球は、徹底したチームの方針の完成を見るとともに、美しささえ感じられるものであった。

この記事を執筆している時点では、日本シリーズで戦う相手はまだ決まっていない。しかしいずれのチームと対戦することになろうとも、鍛えられた頑強なディフェンスは相手を苦しめることになるだろう。

2023/10/20 CSファイナル第3戦
広 島 0 0 0 1 1 0 0 0 0 2
阪 神 0 0 0 2 0 1 1 0 X 4
【広島】 ●床田(0勝1敗) 矢崎 大道 島内
【阪神】 大竹 ○桐敷(1勝0敗) 岩貞 石井 島本 S岩崎(2セーブ)


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