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マチネの終わりに作品展

先日より始まっている マチネの終わりに作品展
考えてみると長い道のりでした。
小説から作品へと言う新しい試みは、とても新鮮で刺激をもらいました。
ある種、作品から作品を作ると言う行為は自分の中にある問題とを照らし合わせながら、あーでもない、こーでもないと自分を再認識する良い経験だったと思います。
今回の作品について少し話させてもらうと、人と言うのは感情を言葉や動作で表すと同時に、その感情を受け取る器を持ち合わせている生き物だと思います。
器と言う事は当然、容量がそれぞれに決まっています。愛、悲しみ、憎しみ、感動などなど、相手を思えばこそ起こした行動や言動が、気づかぬうち、溢れ出し周囲に予期せぬ影響を及ぼしかねないと言うのが全体のコンセプトです。
また小説全体を通して感じたのは、「救い」です。自分にとっての救いの存在とは皆、不可侵なものであり、その為には何でもすると言うのは世に言うそれぞれの「正義」見たいな物なのかと思うと、三谷が送った嘘のメールとイラクで自爆したテロリストの心情は本質的には同じ事なんじゃないかと思いました。実際、他人の人生を左右してまでも守りたい物のために嘘のメールを送るのは、テロと何らかわない。此処に人の本質みたいな物を感じました。人の命をを奪う行為は勿論許される事では無いです。しかしながら、誰かや何かの為、自分にとってかけがえの無いものが脅かされた時、果たして人は冷静でいられるのだろうかと考えさせられました。
実際、自分が相手に成り替わるなんてことは不可能であるし、それこそ超能力でも無ければ何を考えどんな気持ちなのかは分かりません。しかし、その気持ちに近づき理解を深めて行く事はできると思います。そういう意味では洋子は正にその象徴でした。
何を想い、何を感じているのか、それをどう考えるか。受け身な社会になりつつある現代において一人一人の意思が大切になる時代なんだと思いながら今回制作させていただきました。
ですので、今回の作品はそれぞれの価値観や解釈で、ご鑑賞頂き、皆様の中で広がって行けば幸いです。

#ヒカリエ #マチネ #小説 #絵画

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