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ハイスタ版『I'M A RAT』はNOFXが仕掛けた「俺ならこう歌う選手権‼︎」だった説 & Fat Mikeの即興メロディについて

来週から始まるNOFXのラストジャパンツアーを前に、突如リリースされたNOFXバージョン『I'M A RAT』

昨年4月にリリースされたHi-STANDARDバージョン『I'M A RAT』の魅力とは異なる、鮮やかに流れるように展開していく、当たり前なんだけどノーエフだなぁ…としか言ようがないメロディラインと旋律。エモめのイントロがあって、「Ah〜Ah〜」のコーラス1回多くて、最後にピアノの音が入ってたりと、ノーエフならではの変化のつけ方と魅力が感じられちゃう。

そしてNOFXバージョン聴いてから改めてハイスタバージョン聴いてみると、ガシガシ刻むようなリズム感が際立ちまくってるな…とか、リードボーカルを健くんが歌うパートもあったりして、Fast&Shortでもくっきりと展開のメリハリがつけられてるなぁ…とか、不思議とハイスタならではの魅力がより浮き彫りになって聴こえるのがまた味わい深くて面白い。

この日米PUNKレジェンド2バンドが同じ曲で繋がって、互いの魅力を引き立て合うなんて、どんだけロマンが詰まった極上のストーリーなのよ。永遠に脳ミソからドーパミンがダダ漏れしちゃう案件なんだけど。

むしろハイスタがNOFXの新曲をカバーしていた

今回「ハイスタの『I'M A RAT』をNOFXがカバー!」と謳われてるけど、これは実はFat Mikeが制作したNOFXの新曲をむしろハイスタがカバーした、というのが本当のところ。

つまり厳密には今回NOFXがリリースしたのは『I'M A RAT』のオリジナルバージョン(原曲)ということになる。リリース順が逆だったからややこしいんだけど。

先月2/4(日)放送の難波くんのローカルラジオ番組『今夜もCLOSE TO ME』で難波くんがハッキリとそう言ってました。

Fat Mikeから「カバーしてみない?」と言われて、ハイスタでレコーディングしてカバー曲としてリリースしたんだと。

あと最新の健くんのコラムにも経緯が書かれてる。 

Mike との一連の会話の流れで、Mike から「新曲があるけど聴くか?なんなら Hi-Standard で演りたいか?」と、2曲送られてきた。「演るなら1曲だけだ」と言われ、ボクが選んだのは「I’m A Rat」だった。

横山健の別に危なくないコラム Vol.108

ただ、そこで話が終わっちゃうのもつまんないので、このような説を訴えてみたい。

ハイスタ『I'M A RAT』はNOFXが仕掛けた「俺ならこう歌う選手権‼︎」だった説

「俺ならこう歌う選手権‼︎」とは、正確には『ホルモンの新曲俺ならこう歌う選手権‼︎のこと。

マキシマムザホルモン『KAMIGAMI-神噛』。この曲にまだ歌入れがされる前のカラオケバージョンと歌詞を様々なアーティストに渡し、それぞれ自由なメロディで歌ってもらうというもの。桜井和寿、奥田民生、TERU (GLAY)、Ayase (YOASOBI)など錚々たるメンバーが参加した伝説の企画。いまでも普通にYou Tubeで観れます。また観てない人はハマってるドラマ観るの一旦止めてこっち観てくださいw

マキシマムザ亮君曰く

「『演奏と歌詞が同じでも、歌い手によってメロディは千差万別である』はたまた、『原曲メロディを知らずにメロディを歌った場合、偶然に同じメロディになる事はあるのか!?』 こんな実験的なことを試し、『音楽のおもしろさ』『深さ』を視聴者に伝えたい」

いやぁ、めっちゃ味わい深い企画。

この企画の如く、『I'M A RAT』はNOFXがハイスタに仕掛けたいわば、「NOFXの新曲俺ならこう演る選手権‼︎だったんじゃないかとw

そして今回リリースしたNOFXバージョンはハイスタに対する答え合わせのためのアンサーだった、というのはどうでしょう、っていうただの妄想w

とにかく、こんなふうに同じ楽曲を異なるバンドが演奏した時に浮かび上がる双方のメロディや音の違いが、それぞれのバンドの本質的なオリジナリティを感じさせてくれて堪らんです。

で、更にこっから、「Fat Mikeの即興メロディ」についてもう少しだけ。

NOFXのLiveの魅力。「Fat Mikeの即興メロディ」について。

NOFXのメインVo.Fat Mikeはですね、いつもLiveで自分の曲を、セルフ「俺ならこう歌う選手権‼︎ばりに、その時のその場の気分で音源とは少し異なるメロディ運びで歌うのよ。

しかもそれは例えば声が出なくて仕方なく下げた音程で歌うとかそういうことじゃない。

今この瞬間、自分が歌ってて最も気持ち良いメロディラインに忠実に歌ってる気がする。だから聴いてるこっちにも新鮮な感覚でスリリングに響いてきて気持ちがいいのだ。これを味わえるのがNOFXのLiveの重要な魅力の1つなんです。

例えばNOFXの代表曲『Linoleum』。まずは音源バージョンお聴きください。

次にLiveバージョン。

ね!

音源バージョンとは微妙に異なるメロディ運びで、上げるとこ上げなかったり、下げないとこ下げたりする(自分で言っててよくわからんw)。

こういうの普通ならオイオイちゃんと歌えよ…、ってなるとこじゃん。でもNOFXがやると、こっちのメロディこそがむしろ超絶スリリングでカッケー!ってなる。

もう一曲行ってみましょう。

次は自分がNOFXで最も好きな曲、『The Longest Line』(余談だけどハイスタ難波くんもこの曲が一番好きなのだそう。ラジオで言ってました)。

まずは音源バージョンから。

次にLiveバージョン。

ね!ね!

音源バージョンとは絶妙に異なるメロディラインがクセになるでしょう!しかもメロディをちょっと変化させるだけでなく、GREEN DAY『Basket Case』の一節までもマッシュアップさせる、PUNXたち歓喜の遊び心満点なやつなのよ!

即興でこんだけ気持ちよくて、甘美な感情さえ湧き上がるようなメロディ運び聴かせてくれるの、世界的にみても、最早右に出るのは狩野英孝しかいないんじゃないかというレベルw

これもうホント好きw
原曲の向こう側の景色見せてくれるw

というわけで来週のNOFXラストツアーに行かれる方。全員とにかく今この瞬間にしか鳴らないFat Mikeの即興メロディを、一生脳内再生できるようにありったけ脳神経細胞に刻み込んできやがれ!!!

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