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「みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史」を読んで

読んだ先から、状況困難、複雑怪奇、社内調整、機能比較、被害甚大…。
なぜか居たこともないのに、強烈に身につまされる感覚。


これらを統合するってだけで、もう見るだけでエグい地獄絵図ですわ。

こういう時にこそ、経営陣はリーダーシップを発揮すべきなんでしょうが、当事者の面子から規格一本化ではなく「統合」、収益に直結しない事項から先送り、現場任せ、挙句に役員はITは門外漢。
まさに日本のIT音痴の縮図。

色々な困難があり、ようやく統合完了。
あまりの困難さに、自○した人もいたとか?
旧型の基幹システムによる弊害、複数の対象が関わることの難しさ、IT投資軽視の先送りによる問題の重層化。
自分の会社も基幹システムの入替を進めてるのですが、リーダーの明確な決断がされない改革など、恐怖でしかありませんね。

最近「デジタル庁」なる機関が創設されました。
世間では、遅すぎるだの、本当に機能するのか、等の意見も出てますが、自分は割と肯定的に捉えております。

何故なら、今のワクチン接種の様相を見ると、
「決めるのは遅いが、決まると早い」
を地で行く状況となっております。

コロナ前では「働き方改革」などの言葉が浸透し、我が国の企業は良くも悪くも、業務の見直しや環境の改善に着目したものでした。
もっとも、コロナは人類に予想だにしなかったインパクトを与えたのですが。

結局、「お上」の指示には従順なのですよ。
我々日本人は。
色々ブーブー言ったところで、従う。
「デジタル庁」などと国が旗頭を上げたことから、より世間の指針はその方向へと向かうでしょう。
とりあえず大々的な問題提起をした、ということはひとまず評価できるのではないでしょうか。

読書感想と思っていたら、日本人とは的な帰結となってしまいました。

最後に、この本はDXに取り組む際の副読本、あるいは事例としては良書だと思います。
人によっては多少の胃痛を伴うかもしれませんが。

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