先日、後輩のことで困っているなんて記事を書いたせいか、ネット記事で「職場の人間関係でもう悩まない！」「リスペクトがない相手への接し方」みたいなタイトルを見かけるようになった。サジェスト機能っていうやつ、便利だけどちょっと気味が悪い。

　ともあれ、リスペクトがない、か。そうか、アドバイスを聞かないのも、露骨な態度を取るのも「リスペクトがない」からか。腑には落ちるものの、なんだか余計に悲しい気持ちになった（本当にそうかはわからないけど）。とは言え、相手に自分をリスペクトさせるのを目的にするのはおかしいし。感じ方はひとそれぞれだから、それも仕方ないよねって思う。

　そういえばこの「リスペクトがない」って言葉、最近ほかでも耳にした。たしか『ワールド名の表記がないのは、制作者へのリスペクトが足りない』だったと思う。なんのことかというと、これは「VRゲーム」の話で。

　VR上には色々なワールド（世界観）があって、どれも無料で利用できる。ワールドを制作しているのは個人のクリエイターさんが多く、基本的には、無償で制作されているかと思う。そこで写真を撮らせてもらっているのに、ワールド名、制作者名を書かないのはどういう了見なのか、というご意見。

　色んな考え方があるとは思うけれど、個人的にはそのとおりだと感じた。SNSでも、展示会でも、そこにワールド名と制作者さんの名前がないのは、相手に対する感謝や敬意が足りないと（もっとも、本当はどう思っているかわからないのは、最初の話と同じなんだけど）

　一方で、リスペクトがないというのは「制作者さん自身」が言う話かな、とも思う。あまり関係のない人が、リスペクトどうこう言うのは、なんだか滑稽な感じがしてしまう。実際、あるワールド制作者さんに聞いたときには「訪れてくれるだけで嬉しい」「名前を書いてくれると検索するとき便利」という、とても寛容な答えが返ってきた（みんな同じとは限らないけれど）

　いずれにしても「リスペクトしろよ」っていうのは、おかしな話だよね。尊敬できるような相手だったら、自然と頭は下がるものだし。ありがたさを感じるかどうかも、人によって違うものだから。そう自分に言い聞かせて、あんまり気にしないことにした。自分にどうにかできることって、やっぱり自分のことだけだから。

撮影ワールド（タイトル画像）
ROOM 2-Yozakura／by: うまへる さん