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VRChatのフレンドってなんだろう?

この記事はVRChatの「人間関係で悩んでいる」方に向けて書いたものです。こんな考え方もあるのかと、あなたの「心が軽くなる」きっかけになれば。



■ フレンドは友達じゃない


 ───そう言われて、僕は驚いた。
(フレンドが「友達」じゃないなら、いったい何なんだろう…?)

あなたにとって「フレンド」は、どんな存在ですか?


1.どこにいるかの目印?


「フレンドは『友達』じゃない」

 僕にそう言ったのは、訳あってUnfriend/絶交した元フレンド。初心者のころに知り合い、とても親切にしてくれた人だった。

 最初は楽しかった。色んなワールドを案内してもらい、おしゃべりをして一緒に過ごした。でもある理由で、その人と関わるのがつらくなっていき、最後はUnfriendを選んだ。するとすぐに「理由を教えてほしい」と連絡が。

 僕はそれなりの期間、その人との関係で悩んでいた。

 他のフレンドには優しいのに、自分に対してだけ露骨な態度をとったり、厳しい言い方をすることがあったから。原因はわからなかったけど、機嫌を損ねないように、いつも気を遣っていた。

 他のフレンドに相談してみたり、「何か嫌なことしましたか?」と本人に直接聞いてみたりもした。でも返ってくるのは「気のせいじゃない?」とか「何も不満はありませんよ」という答え。それでも、僕への当たりの強さは変わらなかった。

 そんな「自分ではどうにもできない状況に」耐えられなくて、Unfriendを選んだのに。いまになって「理由」を聞いてくることに、僕は驚いた。

(…認識がぜんぜん違うんだな。話しても、きっと伝わらないだろうな)

 そう思いながらもUnfriendした経緯を説明してみると、結果は予想どおり平行線。それだけでなく、相手から次のような申し入れがあった。

「共通のフレンドがいるのだから、どこかで”鉢合わせ”するかもしれない。だからもう一度フレンドになり(僕が)どこにいるか把握したい。」と。

”相手がどこにいるか把握するために、フレンドになる”
(そんな考え方もあるんだ……たしかに顔を合わせるのは気まずいな)

 ただ、友達には戻れないと考えていた僕には受け入れられない話だった。そのときに相手から言われたのが、冒頭で書いた「フレンドは『友達』って意味じゃないですよ」という言葉。

(どういうことだろう?…VRChat特有の意味でもあるのかな?)
 戸惑いながらも、フレンドには戻りたくないと答えると、

「それが嫌なら、自分経由で知り合った共通のフレンドとも、Unfriendしてください。自分がやりづらくなるので」

 今度はそう言われたのだ。
 言いたいことはわかる。やりづらいでしょうね。それに相手からすれば、「親切にしてあげたのにUnfriendされた」…そんな感覚だったと思う。

 ただ、僕もやりづらかった。案内されたゲームワールドで「そんなことも知らないの?」「時間ないから早くして!」「はい、それダメ!」ときつい口調で言われたり。

 その人がいないとき、他のフレンドと遊ぶと「僕がいると邪魔ですか?」「〇〇さんは僕の大切な人なのでやめてください、気分が悪いので」なんてメッセージが飛んできたり。

 さらには、Unfriendしてからも「△△さんの気持ちを考えたんですか?」「あなたには心底ガッカリです」「自己保身ばっかりですね」等と、何度も強い言葉を向けられた。

 そういう攻撃的で、感情的な人から「自分を守るため」に僕はUnfriendを選んだ。これは自己保身ではなく「自己防衛」だと思っている。

 結局、僕はその人経由で知り合った人とも、Unfriendした。要求に応える必要はなかったし、仲良くしたいフレンドもいた。だけど、板挟みにしたら気を遣わせるし、何よりもう、その人とは微塵も関わりたくなかったから。

(…最初から重たい話になっちゃいましたね。次は別の「フレンドとは?」を考えてみます)

2.会ったことがある人?


「フレンド申請いいですか?」

 VRChatでよく使われるこのフレーズ。相手とフレンドになりたかったら、このひと言は大切ですよね。

 僕も最初の頃は、フレンドがたくさん欲しいと思っていました。だから、ちょっとでも話した人にはフレンド申請しましたし、申請してもらったら、誰でも受け入れました。それがVRChatの「マナー」だと思って。

 でも最近はめったにフレンド申請しません。なぜなら、どんなにたくさんフレンドがいても、自分はひとり。会いに行ける人は限られているから。

 それにフレンドが多いほど(この人誰だっけ?)なんて人も出てきます。こうなるとフレンドは「どこかで会ったことがある人」と変わりません。

 まぁそれだけなら別にいいですよね。フレンドになったのがきっかけで、仲良くなっていくものでしょうから。ただ安易にフレンドを増やすことは、苦手だと感じる人や、joinしてほしくない人を増やすリスクがあります。

 そして苦手なフレンドのために、自分のステータスをオレンジにしたり、メッセージをこまめに変更したりするのは、本当に望ましいことかな……?そんな風に思うのです。

ここで実際に、僕が苦手だと感じて「Unfriendした人」を紹介してみます(本当は紹介するような話ではないのですが…ひとつの参考になれば)

・出会ってすぐ「お砂糖(恋人)になろう!」とさわいで、どこにいてもjoinしてくる人(さらにはすぐに人を馬鹿にして、雰囲気を悪くする)

・VR睡眠中なのに「寝る前のあいさつ」と言って僕を起こし、自分の話を長々とする人(ほかのフレンドは静かに書置きしてくれます)

・毎日、僕がログインしてすぐにjoinしてくる人(気がつくと後ろにいる、他のフレンドが来ると舌打ちする、気持ちが休まらない)

・ホラーワールドは嫌いだと言っているのに、何度もだまして連れていく人(だまされる僕の方もアレだけど…)

 こうして書いてみると、なんだか冗談みたいですね。でも、こういうのが毎日続くと、精神的にくるものがあります。joinされるのが怖くて、自由に楽しめないわけですから。

 これらの行為は、人によって感じ方が違うと思います。お互いの気持ちが通じていたら、嬉しいかもしれません。いずれにしても、こうして並べると「自分の特徴」が見えてきませんか?

 どうやら僕は執着心、依存心の強い人や、相手の気持ちを考えない人が、嫌いなようです。それと「気が短い」のかも(……僕も感情的なんです)

嫌いなものと向き合うことで、自分の「カタチ」が見えてくる

3.また会いたい人


さて、最初の質問への自分なりの答えです。

僕にとってのフレンドは、「また会いたい人」「つながっていたい人」

……何というか当たり前ですね笑。また会いたい、なかなか会えなくても、つながっていたい人と思える相手とはフレンドでいたいです。逆に言えば、会いたくない、関わりたくない人とは、Unfriendしたって構わない。

(別に苦手じゃなくても、共通点がないとか、一緒に遊ぶことはないだろうという人なら、わりとUnfriendしています)

 人とのつながりはありがたいもの、でも必ずしも自分にとってプラスとは限りません。性格的に合わないとか、一緒にいても苦しいだけの相手とは、距離を置いた方がいいと思うのです。

「性格的に合わない」なんて表現しましたが、これはどちらが正しいとか、間違っているなんて話ではありません。

 それぞれ違う環境で生まれ育ってきたのだから、価値観だって違います。相手にとっては当たり前のことでも、自分にとっては耐えられない。そんなことだってあるはずです。

 そんなときは「Unfriendという備え付けの機能」を使って、無暗に相手とぶつからないで済むようにしませんか?という話です。

 Unfriendしなくても、気持ちをうまく伝えあって、関係を改善できたり、ちょうどいい距離を保つこともできるかもしれません。でも、それができるような関係性なら、そもそも悪化することもない。そんな気がします。

 気持ちを伝えられない、相手の話に耳を傾けられない、対等な人間だとは思っていない。そんな関係だと、どちらかが我慢することになります。

 こういうのは学校や職場はもちろん、家族の間でもあるでしょう。そしてリアルの人間関係は、簡単には離れられないもの。

 でもここは「VRChat」。自分にとって「心地よい人間関係」を作ることもできるはずですから。

■ 楽しみ方はひとそれぞれ


 最近の僕のVRChatライフは、ひとりで写真を撮っていることが多いです。

 自分の撮った写真をTwitterに投稿したり、誰かの写真を見たりと、自分の好きなことを、自分のペースで楽しんでいます。VR「Chat」ですが、あまり「おしゃべり」はしていません。

 それでもときどき一緒に写真を撮ったり、ダンスしたり、将棋を指したりするフレンドがいます。書置きしてくれたりUnityを教えてくれたり、共通の趣味の話ができるフレンドもいます。これは本当にありがたいことです。(いつもありがとう)

 そんな自分の好きな人たちとVR空間で楽しく過ごすためにも、固定概念にとらわれず、いま自分にできることをしていきましょう。

大丈夫!きっとうまくいきます!


いかがでしたか?

 苦手な相手だからといって、すぐUnfriendすることを推奨しているのではありません。本当はそんな人じゃない、タイミングが悪かっただけ、なにか事情があるのかもしれません。ですが人間関係で悩んだときの選択肢としてUnfriendは「あり」だと思うのです。

 もちろん代償もあります。共通のフレンドがいるときは悩ましいですね。相手を逆上させてしまい、さらに嫌な思い、怖い思いをしてしまう…なんてこともあるかもしれません。

 でもまずは自分の心を守ることを優先してほしい。あなたを苦しめる人はフレンドではありません。そして、苦しんでいるあなたを助けられるのは、あなた自身なのですから。

誰かを「好き」になるように、誰かを「嫌う」のも自然なこと。

とらお

 人を嫌っちゃいけない、みんなと仲良くしなきゃいけない、そういう風に考えて、ひとりで悩んでいる人がいるかもしれない。そう思い、この記事を書いてみました。

 相手の気持ちを想像できる人や自分よりも相手を優先してしまう人ほど、悩んでいるような気がします。

 誰かを嫌うのには、それなりの理由があって、それはあなた特有のもの。だから、他の人にはわかってもらえないこともあるでしょう。

 でも健全に誰かを嫌うことで、自分のカタチも見えてくる。好きも嫌いも大切な自分の気持ちです。「自分の気持ちをごまかさない」ことが、物事を楽しむためには大切。僕はそんな風に思います。

 記事を読んでくれたあなたが、楽しいVRChatライフを過ごせますように。

とらお

撮影ワールド:オモイデに沈む前に -Before It Sinks In Memories-
/Atto_あっと さん


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