3月24日 深夜アニメ本数が減ったから終わりの始まり←そうか?

2019年春アニメの本数が激減―深夜アニメの終わりが始まっていた

 「一般マスコミ」とその業界にいるマスコミとの間には、大きな隔たりがあって、これが決して埋まることはない。「一般マスコミ」と呼ばれる人達は「一般」と言われつつも、その思考様式はかなり奇妙なところがある(ある意味、「一般」こそが一番世の常識からずれている……という意味かも知れないが)。
 その1つがこれ。
 「アニメの放送本数が減った」→「アニメバブル崩壊」
 という考え方。

 かつて……2000年初頭、アニメは異常な本数になっていた。2006年頃がピークなのだが、手元に資料では「新作195本。継続84本」となっている。確か……この時代、週90本近くあったような記憶がある。記憶があやふやなんだけど、まあとにかく異常な本数になっていた。

 で、その後、アニメの本数が一気に激減。この時、マスコミは「アニメの放送本数が減った。アニメ人気に翳り」「アニメバブル崩壊の兆し」などと書き立てた。
 当時は『もののけ姫』や『エヴァンゲリオン』などの社会現象クラスのメガヒットアニメが連続して、その流れで過剰に増えていただけ。「アニメが儲かる」と思って投資をした人達が結構いて、しかし儲からないとわかって一斉に手を引いた……それだけの話だった。

 そもそもアニメファンはアニメ放送本数が過剰に増えて喜んでいるか……というと喜んでいる人はあまりいない。
 なぜならアニメーターの数には限りがあるわけで、本数が増えれば現場に無理がかかり、1本あたりのクオリティが落ちる。大抵のアニメファンはこのあたりの事情をよく知っている。本数が過剰に増えると、どこかのアニメで作画崩壊する確率が高くなる。
 アニメの数が多すぎると作品をチェックできないし、タイトルを聞いてもピンとこないような作品も出てくる。そんな状況は、ほとんどのアニメファンは望んでいない。
 どうにも一般マスコミは「アニメファンはどんなアニメでも生産されていれば全て喜んで見るし、出てくるヒロインは片っ端から自分の嫁にする」と思っているようだが、そんなわけはない。皿の上に出されたら全部食べちゃう……というわけではない。アニメファンはクオリティを絶対重視するし、審美眼はかなり厳しい。そのクオリティが落ちて、かつ認知すらできないような作品が出てくる状況は「憂い」しかない。むしろ本数を減らして、1本1本の質を高めて欲しい。誰だってそう思っているはずだ。

 アニメ本数が減った内部事情は知りようもないが、減ること自体は歓迎。私も前から、アニメの本数は半分でいいと書いてきた。
 本数が減るということは、粗製濫造の状況が終わるだけ。
 本数でアニメ界隈が賑わっているかどうか……という見方をする人は、この業界にいないだろう。話題になったアニメがどれだけあるか、ヒットしたアニメがどれだけあるか。こっちのほうが大事なはずだ。「本数」のみを見てアニメを語るのは、一般マスコミだけ。

 えーっと、それじゃ実際に春アニメの本数ってどれくらいなのかな……。ニコニコ動画のNアニメに列挙されているタイトルをざっと数えてみると……
 63本。
 これ、減ってるのか? 深夜枠の30分アニメの本数が減っている……ということなのか? 1本1本の内容までチェックしきれないので、このうち深夜枠アニメが何本かわからない(最近、アニメ情報はぜんぜん把握してないので)。減ってる……のかな?
 結局いうとわりと数はあるので、「問題だ」と騒ぐような状況でもないんじゃないかな。

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