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6月4日 やったぜ久美子ちゃん! 『響けユーフォニアム』第3期テレビ放送決定!

 『響けユーフォニアム』ファイナルシーズンは劇場で……として発表されていたが、この予定が変更されてテレビシリーズとして復活することとなった。

 やった! この作品は絶対にテレビシリーズ向けだと思っていたんだ。
 映画作品として作られた、いわゆる「2年生編」である『誓いのフィナーレ』は……ここはきちんと前置きしたいところだが、出来が悪いわけでは決してない。むしろ京アニ印のクオリティを感じさせる作品だ。
 しかし――どうしても内容が「総集編」っぽかった。エピソードが矢継ぎ早に流れていくし、深まらない。「ここはもっと色んなエピソードがあるんじゃないか」「ここのエピソードは不充分じゃないか」……後半に入っていくと、前半に登場していたキャラクター達は切り捨てられていく。せっかくのエピソードやキャラクターが印象に残らない。
 どうしてそうなってしまうのか、というと『響けユーフォニアム』が群像劇だから。キャラクターが滅茶苦茶に一杯。そのぶんエピソードも多い。これを2時間以内に、合理的に処理をしようとすればするほど、お話が「総集編」っぽくなっていく。誰がどう描いても、「総集編っぽくなる」のは避けられない作品だった。作品の性質的に、映画が向かない作品だった。
 テレビであれば、一つ一つのエピソードをじっくりと、深く描き込んでいくことができる。キャラクターを掘り下げていくことができる。『響けユーフォニアム』は「テレビシリーズ向け」の作品なのだ。

 一つ懸念は……。
 主要スタッフがこの世を去ってしまっていること。
 キャラクターデザイン・総作画監督の池田晶子はシリーズを通じて獅子奮迅の仕事ぶりを発揮した。『響けユーフォニアム』にはとんでもない数のキャラクター達が登場するが、たった1人で全キャラクターをデザインし、さらにあの作画クオリティの維持し続けた。
 髙橋博行は「楽器作監」を務める。高橋博行は京都アニメーションでプロップ(小物)デザインを務めてきた人で、小物類の執着は凄まじいものがあった。キャラクターによって、持っている文房具の傾向差まで描き出していた。そのキャラクターがどんな消しゴムを買うのか……そういうところからキャラクターを構想できる人材だった。この人が、『響けユーフォニアム』のあの精密な楽器を監修してきた。
 作画監督を務めていた実力派アニメーター達も何人かこの世を去ってしまっている。
 『響けユーフォニアム』はキャラクター数が多い上に、精密な作画が必要とされる楽器をそれぞれのキャラクターが持っている。これを描ける人はそうそういるものでもない(私は無理。『ユーフォニアム』の二次創作イラストは描いたことはあるけど、楽器は描かなかった)。新体制であのクオリティをどこまで発揮できるのか、も見所になりそうだ。

 『響けユーフォニアム』は2015年、2016年において、その年のベストな作品の一つだった。この作品を、再び時間をかけてゆっくり見られるのが嬉しい。楽しみな作品だ。

 でもお話のラストは劇場で……というのはアリかな。


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