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10月9日 氷河期が彗星落下によって終わった……というのは本当だったかも知れない新説が出てくる。

かつて、あらゆる人類は動植物の狩猟や採集を生活基盤とする狩猟採集社会を築いていましたが、新石器時代における新石器革命(農耕革命)によって、一部の社会は農耕を基盤とする農耕社会へと移行しました。この狩猟採集から農耕への移行について、「約1万2800年前に起きた彗星(すいせい)の衝突」が原因だとする研究結果が報告されています。

 という説を、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の地球科学者であるジェームズ・ケネット氏が発表した。

 ……ですって。
 マジか!

 実はこの「彗星落下説」は今から半年ほど前、私もブログで書いていた。

 こちらで紹介したドキュメンタリーでは、『神々の指紋』などの著者で知られるグラハム・ハンコックが今から1万2000年前、一発の隕石が氷河期を終了させた……という仮説を解説していた。
 今から1万2000年より以前、地球は氷に閉ざされていた。北アメリカなんかはだいたい氷漬けだった。そのおかげで海が後退していて、多くの大陸が陸続きになっていため、人類はこのあいだに世界中に拡散していった……と言われている。
(1万2000年前は「舟」がまだ発明されていなかった。舟がない状態で陸伝いに移動できた……というのが氷河期。しかしやがて氷河期が終わって、人々はそれぞれの陸や島に取り残されてしまった……というのが氷河期以後)
 従来の学説では、氷河期は徐々に温暖化していって、時間をかけて氷を溶かしていき、現在のような姿になったんだ……ということになっている。しかしグラハム・ハンコックは「いやいや、一発の隕石が氷河期を一瞬にして終わらせたんだ」と語る。
 ではその根拠がどこにあるのか?

 証拠その1がアメリカ北西部のチャネルド・スキャブラドという渓谷。この辺りの地形はなにかものすごい力でえぐられたようになっている。こんな地形は大洪水が来ない限りできるものではない。

 根拠その2がツイン・シスターズと呼ばれるこの岩山。およそ370メートルにもなる巨大な玄武岩の一枚岩だ。
 ここにはもともと普通に山があったが、壮大な洪水が迫り、土砂を一瞬にして洗い流して、固い玄武岩だけが残った……という岩山なんだそうだ。

 大洪水を示唆する痕跡って、実は一杯あるんだ。彗星落下によって氷河期が終わり、大洪水が起きて、それで世界中の神話に「洪水神話」が残されていった。洪水神話は「昔の人が考えた空想」ではなく、歴史事実なのだ……というのがグラハム・ハンコックの主張。

 去年の段階では「珍説」の扱いだったのだけど、彗星落下説のほうが正しかったかも……というのが今回のお話しだけど、でもこういうネットニュースだから、地方の大学が注目されたくて出した珍説かも知れず、Gigazineのほうもネタとして書いただけかも知れない。この説が正しいかどうかは、後の研究者達の判断に任せましょう。

 で、彗星落下によって突然氷河期が終わった。しかしその後すぐに温暖期とはならず、ヤンガードリアス期、すなわち「寒の戻り期」というものがあった。これがざっくり1000年ほどもあったわけだが、人類にとって大切な時期だった。
 自然の植物というのは、気候的な異常を察知すると、「多く子孫を残さなきゃ」と思い、多く実を付ける。本当に自然の植物というものは、毎年実を付けるわけではなく、実を付けたり付けなかったりする。わざと実を付けるタイミングをずらすことで、全滅を防ごう……という考えだ。それが気候的な異常を察知すると、植物も「ヤバい」と感じ、多く実を付け始める。
 このタイミングで、つまり植物が実をどっさり付けているのを見て、人類は農耕を発見する。西では小麦、大麦が。東では稲作が発見された……というのがよくある歴史シナリオ。

 でも問題なのは、ヤンガードリアス期なんてものがなんでやって来たのか? 徐々に温暖化した……というなら、「寒の戻り」なんてものは起きる……かも知れんけど。
 この「寒の戻り期」が発生したのは、隕石落下によって氷河期が突然終わり、その隕石が巻き上げた噴霧で空が覆われたから……というのが今回出てきた学説。
 ただ、それも1000年も続くかね……そこが疑問。

 ここからは「信じるも信じないもあなた次第」ってやつ。なにが正しいかは、後の研究者たちが明かしてくれるでしょう。


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