12月22日 アラサーという言葉が嫌い

 アラサーとかアラフォーといった言葉がずっと嫌い。
 調べると2005年頃から使われ始めた……言葉だそうだ。もういつ頃から使われ始めたかもはやわからない言葉だが、最初に「流行語」として“使われている”と言われ始めた頃、誰もが「いや、聞いたことない」と思っていたはずだ。
 聞いたことないし、そんな言葉、誰が使っているんだ?
 しかし「すでに流行している言葉」としてテレビメディアが中心に使い始めて、じわじわとアラサー、アラフォーといった言葉を多くの人が使うようになり、そのうちに本当の流行語になり、今となっては「流行語」ではなく「普通の言葉」として使われ始めている。
 ある時、いつもはテレビで若者言葉についてうるさく批判する中年批評家が、平気で「アラサー」って言い始めているのを見て、「おいおいおいおいおい、お前が使うなよ。お前はそういう言葉を批判する立場だろ」と思った。思ったというか、憤った。
 なーんだ。結局は「テレビが流行らせた言葉」は正義なのであって、それ以外のところから発生したブームはみーんな「悪い流行」なんだな。アニメやゲーム界隈から生まれた言葉がなんで叩かれるのかって、テレビが流行らせた言葉じゃないからだ。テレビのコントロール下で生まれた言葉じゃないものは悪なんだ。
 でもテレビが一斉に使い始め、使うのが当たり前という空気が作られ、そのうちにもテレビの外にもアラサーが広がり……。アラサーは死語になることもなく、普通の言葉になってしまった。今や「アラサー」と言わないと、時代遅れみたいな空気すらある。テレビがいかに怖いか、よくわかる。
 若者の言葉がおかしくなっているのは漫画やゲームのせいだ……テレビはずっとそう主張するけど、いやテレビだって相当狂わせてるだろ。でもテレビが悪いと言う人は、これからもあまり出てこないだろうな。
 そういうわけで、私はアラサーとかアラフォーとかいう変な言葉を、これからも使うつもりはない。そもそも、使う必要のない言葉だし。

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