身も蓋もない言い方をすると、頭のいい人が好きだ。

特に言葉を使うのが上手な人は、尻尾があったらぶんぶん振りながらくるくる回りたいほど好きだ。

だからと言って自分がそうなりたいかと言うとちょっと違う。
もちろん今よりわかりやすく言葉を選んで伝えることができたり、すごくいい例えが思いついたりするようになったら、褒めてあげたい。
でもそういう人は「憧れ」であって、「目標」ではない。この間もこういうことを伝えたかったのに、うまく言えずに「自己肯定感をもっと高められるといいね」と上司に言われてしまった。

そうじゃないんです。わたしは自分のことはしっかり認めている。
「自分はすごい」って思えることが自己肯定感ではないでしょ、「自分はこうだ、これでいい」ってことでしょ？それはちゃんと思えてます、心配されなくても。できないことを認めているから笑っていられるんです。できるようにはなりたいけど、できないから卑下してるわけではないんです……。
深掘りされるからこそちゃんとわかってもらいたいけれど、なかなか難しい。

最近読書ブームがやってきて、とても楽しい。読書の仕方にも種類がいろいろあるけれど、わたしはとにかく情報を流し込みたい。
仕事で山のように知識を詰め込むようになり脳の許容量が増えたらしく、閑散期になると(タリナイタリナイ)と飢餓状態になり本を読みまくった。

エッセイや短歌なども読むようになった。こういう人たちにはこんな景色が見えているのか、こういう風に考えるのか。感受性が乏しいわたしからすると、面白くて仕方ない。筆者の力を借りて、少しずついろいろなことに焦点が合うようになるといいな。とりとめのない生活や風景がこんな風に見えているなんて楽しそうだな、羨ましいなあ。文章にして伝えてくれることで、わたしも同じような景色が見られる。ありがとうございます。好きです。

お笑い芸人さんも好きだ。人を笑わせることが仕事だなんて、なんてかっこいいんだろう！
学生時代にコメディ芝居をやっていた時はよかった。ひたすら楽しかったし、夢中で作り上げる稽古時間が、みんなの真剣な目が好きだった。

思えば学生時代は、伝えることに特化した期間だった。できたできなかったは別として、演劇も音楽そのために絶対に必要な要素だった。
ただ今は、あまり外にエネルギーが向いていない。どちらかというとぎゅいん、と内側に矢印が向いている気がする。考える、蓄える。そういう時期のような気がする。

また外側に矢印が向く時期が来て欲しいなあ、と思う。
観客の呼吸を肌で意識する、あの舞台に立たないと感じられない独特の空気感や、言葉がなくても伝わっているのかもと思えるほどの満ち足りた空間は、演劇とピアノでしかわたしは感じられない。

いろんな本を読みたいので、おすすめがあったらぜひ教えてほしいです。好き嫌いの判断軸をつくるためにも手当たり次第に読めばいいのかもしれないけれど、どうしても選り好みしてしまう。なにかに繋がるからこれを読むとか目的のある読み方はしないので、ほんとうになんでもいい。

いつ来るかわからない、来るかもわからない外矢印のために、気付かないうちに豊かになっているといいな。
まずはいいなと思う絵本があるので、今年中に迎え入れたいと思います。