計画が苦手だ。

予定が決まっているのも苦手だ。行き当たりばったりがいちばん楽だと思う。

一日にこなす予定がいくつかあったとして、それをどこに組み込むか考えたり時間の配分をするのはとても気が重い。終わっても先にまた予定が待ち構えているのが嫌だ。楽しい予定だったとしても、この時間までに終わらせないといけないんだ、といういらないプレッシャーを感じて変に緊張してしまう。

思えば昔から苦手だった気がするが、よく覚えているのが高校三年生の夏休み。苦手だった数学の教科書を三周するという無謀な目標を立てたものの、案の定一周も終わらず、結局センターの数学を捨てた。もちろん結果は散々。あまりに無計画すぎて自分でも可笑しくなった。でもわたしはやっぱりあれをやるだろう。なんか出来そうだしすごいよね、と思っていた。そうだよね、出来たらすごい。過去の自分は攻めないがモットーなので、ばかだねぇと思うくらいにしている。

計画通りに進む心地よさ、というか満足感をわたしはたぶん感じたことがない。上手い人は旅行なんかもきっちりスケジュールを立てるだろうし、受験勉強の計画なんて得意中の得意だろう。すごいとは思うが、ついていけない。むしろわたしは計画通りに進むことでプレッシャーを感じてしまう。なんて面倒くさい性格。

この性格の利点は、何が起こってもあまり動じないことだ。こうなるんだねぇ、と事の行先をゆっくり眺めていられる。計画もなにもないので、おもしろいとさえ思うかもしれない。ただ知らない道に散歩に出てみた、なんていうのは最高。新しいものに出会えるかもしれないし、疲れたら帰ればいい。

でも結局、予定を立てたり計画することからは逃れられない。前職でも夕方に予約が入っていたりすると朝からそわそわしていたし、将来どうなりたいかなんていう紙も定期的に書かされた。そんなの知らないと突っぱねていることも出来たが、必要だからやるということは理解していた。飛び込みのお客さんだけではやっていけないし、将来だって考えるに越したことはない。

いいバランスで予定を立てられるようになりたい。寝起きの頭で書いたようなぼんやりした計画だけでなんとか乗り切れるようになりたい。考えることもさぼっていたので、自分がプレッシャーを感じない程度がどのくらいかよくわかっていない。

書いていてわかったけれど、わたしはたぶんプレッシャーにめちゃくちゃよわいのだ。演奏会や公演の前は決まって蕁麻疹と肌荒れを起こしていたし、東京にひとりで行くというだけで酷い胃痛を引き起こした。それを避けるためにこういう性格になったのか。どちらが鶏か卵か。一緒なのか……。

もうそれじゃあ仕方ないよね、無理はしません。

最近noteに書き出すと頭がすっきりするし、自分の輪郭がちょっとはっきり浮き上がってきておもしろい。やっぱりこうなのか、とか、これがああ繋がっているのか、とか。結局最後はまあがんばりましょう、みたいに締めてしまうのだが、発散の仕方を一つ増やせたのはとても大きいので、よしとしましょう。