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(30)鳥爺DJ奮闘記「人生初の一心不乱状態!?」

いつもありがとうございます。鳥爺です。

店を閉め、誰もいない静まり返った店内で、あのときの言葉と表情が、頭の中をループしてきました。

「お客様がヘタクソ、って言っています」
「ヘタクソ! こんなんで金とるなよ!」
「あんたじゃ、無理だよ! 辞めたら!」

耳を塞いでも、目をしっかり閉じても、聞こえてくるし、見えてきます。
さらに絶対喜んでくれると思った曲で、踊りをやめてテーブルに戻っていく様子が、脳裏に焼き付いてしまいました。
幻覚を消すためにカウンターにたどり着き、アルコール度の高い酒を選んで飲み干しました。
それでも、意識ははっきりしていて、今夜の出来事がループしていました。
そうこうしているうちに、いつのまにか寝てしまったようです。

目が覚めたら、すでに陽が昇っていました。
強い酒を一気に飲んだせいで、意識を失うように寝たようです。
二日酔いで頭が割れるように痛みました。
昨夜のことは思い出すと辛いですが、この事実から逃げることはできません。
ちゃんと受け止めるしかありません。
自分でDJをやると言った以上、胸を張れるだけの力量をつけなければなりません。
そう、たかだか一夜漬けで練習したくらいでできるなら、だれでもDJになれるはずです。
割れるように痛い頭が、不思議にも前向きな気持ちにさせてくれました。
そうなると、やることはひとつしかありません。
ひたすら練習するだけです。
そうと決まったら、練習する方法も考えることにしました。
実はすごく単純なことを私はやっていませんでした。
それは自分がDJをやっているときの音楽を録音して、聞いたことがなかったのです。
今回からは練習のとき全部録音し、それを再生し、どこが悪いのかを確認するようにしました。
それから一心不乱に練習しました。録音して聞きました。

たしかに下手だということもわかりました。
そしてまた練習+録音→再生の繰り返しを何度も行いました。
人生の中でこんなに練習したことはないかもしれません。

しかし練習の成果は全く上がらず、翌日からの営業も私がDJをするときには、お客様は相変わらず踊ってくれません。
ただ、あのときみたいに罵声を浴びせる人がいないだけ、ましでしたが、、。
でもまた次の土曜日には、あの常連の男性2人がやってくるはずです。
それまでには何とかしなくては、、、。
とにかく1週間、店に篭りっきりで練習に明け暮れました。

そして土曜日を迎えました。
1週間で、どれだけ成果があがったのかわかりません。
すべてはお客様が踊るか、踊らないかです。

(つづく)


今日も素敵な一日になりますように(^o^)/

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