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(29)鳥爺DJ奮闘記「私のDJで踊った人は感動?」

いつもありがとうございます。鳥爺です。

土曜日はディスコの営業日で一番お客様が入る曜日です。
悪い噂が広まっていたせいか、お客様が少ない感じがしました。それでも平日に比べれば数倍のお客様の数です。(平日が少なすぎるのです、、、汗)

この日が私のDJデビューの日です。
徹夜で頑張った成果と、大久保くんに準備してもらった曲で、皆を驚かせてやりたいと思います。
今日、私のDJで踊った人は感動して、翌日噂を流すでしょう。(今でしたらSNSですが、、、)

そうなれば次の週末はもっとお客様が入る、そんな妄想が私の頭の中を駆け巡りました。
「見てろよ。皆踊らせてやるから、、、」
と、再び心の中で気合いを入れました。

そしてお店のオープン。

20時から音楽をかけ始めます。最初のDJは大久保くん。
激しい曲というより、大人のムードが漂うような構成です。
私もDJの練習をするようになってから、少しずつ違いがわかるようになってきました。
1時間近く経ったところで、徐々にですが踊る人が増えてきました。
ちょうどいいタイミングで、私の番です。
たぶん大久保くんが、お客様を躍らせるきっかけを作ってくれた思いました。
さすがの一言です。
その期待に応えるべく、超緊張しながらも最初のレコードを回しました(曲を流しました)。

よし、大丈夫。皆踊っています。
しかし、曲が3曲目くらいから徐々にお客様が踊るのを止めて、テーブルに戻り始めたのです。
たぶん、疲れたから休憩しているんだ、と思いました。

ところがさらにお客様が踊るのをやめて、テーブルに戻っていきます。
曲そのものはとてもいいのに、どうして?

とうとう私がDJを始めてから30分もたたないうにちに、誰も踊らなくなってしまいました。
そのうち常連と思われる男性2人が、大久保くんの近くに来て、何か怒っています。
トラブルでもあったのかと、心配になりましたが、DJブースから離れるわけにはいきません。

しばらくするとその2人がテーブルに戻りました。
すると、そのタイミングで大久保くんの方が私のほうにやってきて、こう言いました。

「お客様がヘタクソ、って言っています」

ヘタクソ、、、!?

ヘタクソって、それを、今言うの?

たしかにヘタだと思います。初めてだし。
しかもヘタにクソがつくなんて、、、、とてもショックでした。

私のテンションが、一気に下がったのは言うまでもありません。
しかし、その常連の男性2人だけがそう思ったのだ、と言い聞かせました。

そして、ラストの1時間。時間は23時。
閉店までのこれからの1時間は、一番盛り上がる時間帯です。
この時間帯のDJも私でしたので、ここに賭けてみました。
さっきの1時間は初めてだったので、ミスがありました。それは認めます。
でも、これからの1時間は、もっといいDJができるはず、そう思いました。

しかし、結果は散々なもの。
大久保くんがほとんどのお客様を躍らせる状況の中で、上手に私にバトンタッチしてくれましたが、さっきと同じように30分も経たずにお客様は踊るのを止めてしまいました。
しかも今度はテーブルに戻らず、ほとんどのお客様が帰られたのです。
そして、さきほど大久保くんに怒っていた常連の男性2人が、帰り際にDJブースにいる私のところにやってきました。

そして
「ヘタクソ! こんなんで金とるなよ!」と。
もう一人は
「あんたじゃ、無理だよ! 辞めたら!」
と、捨て台詞を残して、帰っていきました。

「・・・・・」

反論する言葉も出ません。

店を閉め、大久保くんも平くんも帰りました。
静まり返った店内で、どうしようもない屈辱感に襲われました。

(つづく)

今日も素敵な一日になりますように(^o^)/

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