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人生メメントモリのエトインアルカディアエゴだから、ケセラセラのヴィヴァラヴィーダでいきたいよね。


およそ半年に渡ったワークショップが終わりました。
参加したのはこちら。

ざっくりいうとマイズナーテクニックの基礎を学び、応用としてトム・ストッパードの『アルカディア』の読解とシーンスタディを実施しました。
マイズナーテクニックと言うのは、有名な演劇のメソッドのひとつなのですが、わたしはこれのプロフェッショナルではないので、詳しい説明は省きます。
(ここからの文章もわたしが感じたことベースになるので、気になる人は各自調べてね。あとなんか違うなーと思っても気にしないでね)

わたしが本格的に小劇場演劇を始めたのは2016年からなので、今年で6年目になりました。
東京に出てきてからは4年。まだまだ浅いなあと思う次第です。

わたしが演劇を始めた経緯は別のnoteでも書いてますので割愛しますが、部活や習い事でない舞台にちゃんと出始めたのは、社会人になってからです。

「もっとお芝居がしたい」「もっといろんなことがしたい」と我武者羅に活動してきて、ありがたいことに素敵な方々ともお知り合いになれて、いろんな知識や経験も獲得してきました。

そのなかで、大学や専門学校や養成所で、きちんと演技のお勉強をしてこなかったなあという思いが芽生えました。

「レッスンや講義なんて必要ない!実地で叩き上げだ!」というのもアリだとは思うのですが、わたしの場合は思考・行動パターン的に、体系づけられた知識に触れるほうがより理解が早く、からだに浸透するという自覚があります。

(こうした”あたま型”のやり方がマイズナーに合ってたのかはなぞ)

というわけで、今年度頭くらいからroom42主催「play room」に参加を決めたわけです。

参加を決めたはいいですが、ありがたいことに期間中にいくつかの出演舞台や稽古が決まっていたり、そのうちのひとつがなんやかんやで公演の大中止が決まったり、身内に不幸があったり、それでなくとも感染症や日本や世界を取り囲む情勢が大乱れしていたり……
なんだかとっても怒涛の2022年でしたね。もりだくさん過ぎてもうとっくに一年過ぎちゃったかのような気持ち。

わたしは結構ニュースや物語と距離を取るのが苦手で、めちゃくちゃ影響を受けました。

けれどね、あのね、ざっくり言うと、「play room」めっちゃ居心地がよかったんですよ!!!

いろんな状況で毎週参加とはいかなかったですが、行けばかなりのびのびしていられました。
ふしぎと「ここではだれもがお互いを傷つけることはない」という確信が出来ていました。

最近はよく演劇界でのハラスメント問題が目に入ります。
加害の意図が明確にはなくとも、演劇の創作の場は強いエネルギーや感情をやりとりするからストレスがたまりやすいし、さまざまな位相(ヤな言い方をすると”レベル”)の人が混在するので、「自分はなんてできない奴なんだ」という劣等感に苛まれることもあります。

「play room」ではお互いをあだ名で呼びあいます。
ですからみんなの本名はあまりよく知らない。
どんな経歴なのか、どんな舞台に立ってきたのか、何歳なのかもよく知りません。
だから、あまり上下関係や権力格差を意識しません。

これがね~すごい心地よかった!

演劇の現場に限らず、自分がこうした圧力にヤな思いをすることは多々あった。
また反対に、自分が自分を守ったり威嚇するために、自分の獲得したものをよくない使い方してしまっていた時があったことも改めて自覚しました。

「わたしはすごいんだぞ!」と見せなくても「それぞれがすてきだよね~」って思っていられる空間、ほんとにすてきだね。

そのうえで、じっくりゆっくり自分のからだ、あたま、きもちを掘り堀りする時間でした。

前述のとおり、この半年のわたしはなかなか落ち着かなかったので、深められていない部分がまだまだありますが、少なくともこれからも演劇を続けていくための、それから人生を生きていくためのヒントみたいなものも、拾えたような気がしています。

いやあ、楽しかったな。

他の方々の取り組む姿を見て、「ひとが本当に笑ったり泣いたり怒ったり焦ったりしてるすがたっておもしろい!」という、演劇のほんとのほんとの根幹のところも改めて感じました。

わたしが結構感動したことのひとつに、「play roomのシーン稽古では、みんなひとの失敗をよく笑う」というのがあります。

これだけ書くと、なんかすごくヤな人間の集団の様ですが、そうではありません。
普段お芝居をしていると、共演者がセリフを飛ばしたり何かを失敗すると、空気がぎゅっと緊張して、焦りが全体に伝搬する感覚があります。
自分が観劇をしていても、「あ、今間違えたな」と気づくと、まるで自分が張本人であるかのように冷や汗をかいたりします。
笑ったりなんかしたら、傷つけたり、余計に焦らせるかもしれない、と息を潜めます。

でも、play roomでは笑いが起こります。

「失敗してもいい」という認識が共有されているので、失敗を肯定的に考えて挑戦できるからです。
それに、「失敗を笑っても傷つかない/傷つけない」という安心感があったからだと感じました。

だから安心して、「人が失敗して焦ったりがんばっている=人の心が本当に動いている瞬間」を楽しめました。

これって結構高度なコミュニケーションだと思うんですけど、どうでしょ?
少なくともわたしはこれに気づいたとき、めちゃくちゃ感動しました。

とりとめもなくいっぱい書きましたが、これは要約すると、
「めっちゃたのしかった~!!!!終わっちゃってさみし~!!!!もっとやりたかったくやし~!!!!!」
という日記です!笑

演劇の養成機関にいた経験のないわたしにとって、初めて演劇の学校に通ったきもちで、同窓生ができたきもちです。

演劇界は狭いけど広くもあり、今まで出会ったことのないひとたちにもたくさん出会えました。

またみんなと会いたいし、もっと自分のために基礎を学びたいなという気持ちです。

そんな気持ちを抱いていればどうせそのうち会うだろうなという確信もある。

最後になりますが、play roomを企画、運営してくださったみなさま、
講師の黒澤世莉さん、
一緒にすてき演劇空間を共有してくれた参加者のみんなに
めっちゃ感謝!!!!

またやる!

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