見出し画像

病める薔薇

  病気のバラよ

  見えない虫が夜にまぎれて
  嵐のような羽音をたてつつ
  お前のところに飛んでくるや

  緋色に輝き喜びに満ちた
  お前の花びらをベッドにしたのだ
  虫の暗くてひそかな愛が
  お前の命を滅ぼしたのだ

ウィリアム・ブレイクの詩に基づいたプティ振付「病める薔薇」

去年引退したダンサー、ウリヤーナ・ロパートキナがマイヤ・プリセツカヤの追悼ガラで踊った動画。

以前見たロパートキナのドキュメンタリー『孤高の白鳥』でも感じたけれど、
踊りに滲み出た彼女の思慮深さと、自身の芸術に奉仕する姿勢が、マーラー第5番アダージェットの旋律の美しさと重なりただただ胸を打つ。

もう彼女の踊りが観れないのはとても悲しいけれど、終わりがあるからこそ美しいのかもしれない。
ヘッセの言葉のように。

「はかなさがなければ、美しいものはない。美と死、歓喜と無常とは、互いに求め合い、制約し合っている」

ご訪問ありがとうございます。この投稿を面白いと思った方は、スキ、コメント、SNSへのシェア、サポートetcして頂けると大変励みになります。よろしくお願い致します。