公用文における数字の扱いについて

公用文(国や公共団体が出す文書や法令などで用いられる文章)には独特のルールがあります。横書きの場合,読点は「、」(てん)ではなく「,」(コンマ)を使うといったものもその一つです。裁判所に出す書面なども,なるべくこの公用文にならっているつもりです(これは弁護士によってそれぞれだと思います)。私のツイートなどで読点が「,」コンマになっているのは仕事用パソコンの設定を変更しているからです。つまり仕事をサボっている時の投稿は「,」になっているということですね。
さて,ここからが本題です。公用文の記載方法で従前から気になっていたことを,自分のメモ代わりにまとめてみます。

数字については,
①左横書きの場合には原則としてアラビア数字を用いる。
②大きな数字には3位区切りの符合「,」を入れる。
③桁数の大きな数字には「兆」「億」「万」の漢字を用いることができる。ただし,「千,百」は用いない。
というルールがあります。

これらに従う場合,「105,000」という数字を記載する場合,「10万5,000」と記載することになると思います。
しかし,「万」という漢字を使う場合に,3位区切りの「,」を使用することに個人的には違和感を覚えます。実際,準備書面等では「10万5000」と記載するものを多く見るような気がします。

この点について,
『「万」を入れるときは「千」の単位を示す「,」は省いて,「10万5000円と記載するのが妥当である』(「調書等における数字などの表記について」裁判所書記官研修所「書研所報」(1980年)30号243頁)
というものがあると教えていただきました。
つまり,私の理解としては,公用文の方法とは異なるものの,裁判所における文書では妥当な記載方法であるということになるのかなと思っています。

まぁ,そもそも弁護士が公用文にならう必要すらないので,この議論はまったく意味がないとは思うのですが,一度まとめておきたかったので仕事サボりがてらまとめてみました。
なお,100,300の場合には「10万0300」なのか,「10万300」なのか,あるいは全角と半角の使い分けなどはまたの機会に譲ろうと思います。