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うどんこ先生 ガンガン日誌 第26話  廊下のサーキット


旧ブログで連載しておりました「うどんこ先生
ガンガン日誌」もこちらにお引越しします。
過去作品(第1話から第25話)もこちらで
読めるように、移動して参りますので
引き続き、うどんこ先生の闘病記をお楽しみ
ください。

☆☆☆

病院の朝は早い。
昨夜も寝付けなかった患者たちが、午前6時と
共に起き出す。

実は、5時くらいから、みんなベッドでごそごそ
しているんだなぁ、これが。

6時になると部屋に電燈の明かりが灯り、
患者たちを目覚めさせているようだ。

身支度を済ませた「手術後の患者たち」が
点滴台に寄りかかりながら、一斉に廊下を
歩きだした。

点滴台には、車輪が5個ついているので、
サーキット場なみの音が廊下に響き渡る。

朝食の時間を迎えるまで、この光景は
続くのであった・・・。

手術後、歩くことによって、腸が動くように
なるからだそうだ。(超重要!)


ちょいワルおやじ軍団のメンバーも、もちろん
このレースに参加していた。

ジャイアンは手術前にもかかわらず、さびしがり屋
なのか、よく付いてきた。

廊下が混みはじめると、富士山が見える絶景
ポイントを占領して人間観察の時間に。

追い越し車線で制限速度を守って、機材満載の
ワゴンを押していく看護師さん。

我がもの顔で、肩で風を切って、患者を蹴散らし
ながら進んでいく若い医者。

人への気遣いが分かるひと時を見たようだ。

清掃の仕事をされている方たちが、一番やさしい
動きをしていたのが印象的であった。

月曜日に手術が終わり、火曜日の夕方から歩き
出して順調に回復していると思ってた。

ところが、木曜日から急にお腹が膨らみだした。
お通じも気配がない。心配になって、
主治医に相談したら、

『ん~。よくないなぁ。腸閉塞の疑いもあるなぁ』

「どきつ・・。先生。どうすりゃいいんですか?」

『とりあえず、絶食して、3日間、点滴三昧と
いうことにしましょう!』

なかなかワイルドな3日間を過ごした。

点滴の中身が「粘っこい」らしく20本を身体に
吸収した段階で、血管がストライキを起こし
ギリギリで、なんとか打ち終わった。

ちゃんと、腸が動かなかったばっかりに
お仕置きを受けてしまった3日間でした。

次回に続く~

ご高覧いただきまして、ありがとうございます。 よろしければ、応援、よろしくお願いします<(_ _)>