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「大分・阿蘇 だいぶあそべるスタンプラリー」に挑戦!②大分編

前回のあらすじ
大分・阿蘇エリアの4店舗にて開催中のスタンプラリーに遅ればせながら挑戦すべく、まずは南阿蘇の「黒柴コーヒー」さんと「丸野石油店」さんを訪れ、幸先の良いスタートを切った筆者。
残る大分の2店舗も制覇してスタンプコンプリートを目指すべく、ツーリング実戦投入準備を終えたラビットS301BH4(愛称:サンマル子)が遂に旅立つ!

23.8.14 補記
本スタンプラリーについてGoogle検索すると拙ブログが上位にHitするようになっていたので、本ラリーのまとめ記事もアップしました。
併せてお役に立てればうれしいです。

今回のルート概要図。この旅程をラビットで走る

という訳で…スタンプラリー第二回はいつもの日田〜由布院ルートから更に由布岳を越えて別府に降り、老舗旅館「温泉閣」さんを訪れて大分市を南下、山間部にある「一心寺」さんを訪れスタンプ初コンプ+初ビックリマンシールゲット…という流れになります。
 
ルート自体は通い慣れた由布院経由という事もあり不安要素はありません。しかし、筆者がバラバラ状態から組み上げたラビットにとっては今回が初ツーリングであり、「ATフルード液漏れ等の不具合が多い上に燃費も加速性能も悪くツーリング適性が低い」とされるトルコンAT搭載車(スーパーフロー)でどこまでやれるか…という懸念はありました。
幸いにして我が愛車・サンマル子はエンジンもトルコンATも絶好調ではあったのですが、何せ初の長旅です…何が起こるかわかったものではありません。
 
ともあれ、朝から元気よく出発してみたのですが…

3ヶ月半前までバラバラだったラビットが由布岳を登った!

筆者の心配は杞憂でした。
ラビットはポンポンポンポン!ブモモォ〜と小気味良いエンジン音を立てて山間部のワインディングを快走。1960年代の車輌とはいっても125ccという排気量相応の地力はありますので、急な上り坂も(速くこそないものの)普通に登ってくれたのです。
 
但し、トルコンATの仕様上(クルマのそれ同様)どうしても下りでエンジンブレーキ効果が乏しく、ただでさえ貧弱な前後ドラムブレーキへの負荷が強く掛かりがちだったので、急な下りが続く道ではブレーキを過熱・フェードさせないようコントロールに配慮が必要でした。
こればかりは仕様なので、どうしようもありません。

ラビット初ツーリングなので小休憩を多めに取り、
エンジンをクールダウンしつつ各部の点検も行う。
旧車でのツーリングは常に故障と隣り合わせ!しかし、それでも楽しい

しかし一方で、ラビットS301最大の魅力のひとつであるフワフワした乗り心地の良さは旅を快適なものにしてくれました。
かわいらしいエンジン音を奏でつつフワフワのんびりと、それでいて必要充分なパワーとスピードで走ってくれるラビットでの旅はまさに極上…夢心地です。周囲の景色や風の匂いを楽しむ余裕もたっぷりで、立ち寄ったガソリンスタンドやお店で話しかけられる頻度も高く、笑顔に満ちた愉快な旅を満喫できました。

別府市街地、温泉閣に入る道

という訳で、ポンポンと由布岳を越えて別府へ。
第一の目的地である「温泉閣」さんは、大通りから少し北側に入った小径の奥にどーんと構えています。

格式ある建物。正直、最初ちょっと緊張した

平日でも観光客の多い小径での通行に注意しつつ、温泉閣さんに到着。
老舗旅館ならではの雰囲気に一瞬「おおっ!?」となってしまいますが、スタンプゲットできるカフェは旅館入口そばの部屋なので、チャイムを押して旅館の人を呼び出した後、靴を脱いで上がります。

ふと振り返ると、古い温泉街ならではの風情溢れる街並が。
ラビットは元からそこにいたかのように自然に溶け込んでいた
和室を改装したカフェルーム。
純和風の空間に高級輸入家具が違和感なく馴染んでおり、心地よい空間。
壁に掛かっている絵画は女将さんの作品

とても素敵な和風カフェ空間に思わず溜息…なのですが、旅館の女将さん曰く「今日はたまたまカフェ店主さんがコーヒー豆の買い付けのため博多に出ており不在、コーヒーは飲めないけど特製プリンは出せる」との事。
 
なんという訪問タイミングの悪さ!
とはいえ…美味しいと好評のプリンは堪能できるのと、旅館のグッズ購入(スタンプ獲得ノルマ)とスタンプゲットは可能なので、旅の目的を考えると致命的な問題ではありません。

オリジナルプリン「琥珀」

そして、プリンです。
 
もう、なんというか…濃厚芳醇という表現すら陳腐に思える程の奥行きのある味で、歳月を経た樹木の風合い、とでも形容すべきでしょうか。
プリン単品でも極上でしたが、これはやはりコーヒーと併せて味わいたい逸品です。
 
また来れば問題ないだけの話です!
福岡からラビットでやってくる相応の価値は感じました。

温泉閣マスコットキャラクター「カナエ」ちゃん(スク水Ver.)
スク水だからこのバージョンを買った訳ではない、多分。

この日はカフェ店主さんこそ不在でしたが、かわりに旅館の女将さんが対応して下さりました。
女将さんは元々芸術畑で元ギャラリー勤務だった事もあり、似た経歴を持つ筆者と話題がぴったり噛み合い、アート談義に花が咲きました。
 
そして温泉閣グッズを購入してスタンプゲットできたまではよかったのですが、何と…次の目的地「一心寺」も住職さんがたまたま本日不在との事。とんでもないバッドタイミングです。
しかし、お寺の保守管理を行なっている方に事情を話せばスタンプゲットできるよう、カフェ店主さんから(電話にて)アドバイスを頂けました。
 
そういう訳で、人情味溢れる優しく話好きな女将さんと親切なカフェ店主さんにお礼しつつ、居心地の良さの余りついつい長居しそうになっていた温泉閣さんを後に。

温泉閣→一心寺ルート。
国道10号線沿いに海側経由で行くのが最も無難だが
アップダウンが激しい未知のルートを選びたくなるのがライダーというイキモノ。
いかにも郊外なワインディングや田舎道を走った末に巨大なお不動さんが!

で、敢えて起伏の激しいワインディングを選んでラビットを走らせ、本日の第二目的地「一心寺」さんへ到着。
 
道中の峠道もラビットには結構ハードでしたが、まさかのまさかでお寺の出入口が超傾斜!特に登りはラビットの登坂能力ギリギリ限界でした。
非力な原付や、車高の低いクルマでの訪問の際には要注意です。

駐車場から一心寺本堂を望む

山間いに横たわる広大な敷地には建物や巨大な像が点在し、桜の季節になったらさぞ絶景だろうな…と思わせる美しく起伏ある光景が広がっていました。
 
事前情報通りに住職さんはご不在でしたが、お寺の保守管理をやっているおじさんはいらっしゃったので、とりあえず一安心していざ本堂へ。

一心寺さんは神仏を萌えキャラ化する事による再解釈「一心寺仏様現代化プロジェクト」を推進しており、お寺の由来も可愛らしい絵物語で綴られる
敷地内のあちこちに萌えキャラ化された仏様が飾られており、たいへん華やか。
神仏の姿を表現する様式は時代の変化に伴い様々であり、「萌えキャラ化」もそのひとつ
さすがに本堂のご本尊様は萌え化されていない(当たり前だが)。
左右にはグッズ販売ブースが広がっている
鐘打ちは何と自動化!なんかすごいぞ!(1回100円)
鐘が乱雑に打たれ痛まないように自動化されたとの事
住職さん不在のため、グッズは無人販売所形式での購入。
なんともありがたかわいい。当然、交通安全ステッカーはラビットに貼った

で、お寺を巡って本堂で祈願してグッズを買って、いざスタンプ!となったところで…
 
どういう訳か、さっきまでいた保守管理のおじさんが突如いなくなってしまいました。このままではスタンプゲットもスタンプコンプリートもビックリマンシールゲットもできません!
 
その後、1時間以上広い敷地内を回り声を上げて必死に探したのですが、お寺には筆者以外の参拝客はおらず、完全ひとりぼっち状態。
お寺の代表電話番号に電話しても、筆者以外誰もいない本堂の固定電話が虚しく鳴るのみで転送もなく…
 
まさかの「詰み」です。
 
最初から誰もいなければ引き返して次回また…と考えていただけに、途中で誰もいなくなるとは予想だにしておらず、少なからずガックリきました。
 
とはいえ、お寺を責める気はありません。
ツーリングに限らず…世の中うまくいく事ばかりではなく、失敗や不運や不幸だって、たくさんあるのです。
 
大事なのは、そういった失敗や不運や不幸を、いかに自らの糧とし、次なる成功や楽しみに繋げていくか…だと筆者は思います。
今度は住職さんがいらっしゃる時に来ればいい、それだけの話ですから。

ふたたび温泉閣さんへ

帰途、まさかの展開でスタンプ初コンプを達成できず意気消沈していた筆者は、女将さんのご厚意により、温泉閣の露天風呂で一休みさせて頂けました。

お風呂は人の心も体も癒してくれる。
それが風情ある旅館の良質な温泉であれば尚更である

今回の大分ツーリングが成功か失敗か?といえば「半分失敗」です。
スタンプ初コンプもシールゲットもできなかったのですから。
 
しかし、スタンプラリーはあくまで旅する動機に過ぎません。
コンプできなかったのだから、また旅すればいいのです。それは苦痛ではなく、きっと新しい楽しみが増える「きっかけ」になってくれる事でしょう。
 
何より、最後に露天風呂の心地よさが全てを癒してくれましたから。
結果よければ全てよし!です!

女将さん、ほんとにありがとうございます

露天風呂を上がった時には、筆者は既に気力を取り戻していました。
 
お風呂は人類の宝!
古代ローマ時代の浴場技師・ルシウス=モデストゥス氏もそんな感じの事を漫画で言っていましたね。
 
そしてラビットは福岡へ向かったのですが…

(後日、整備中の画像)

由布院を抜けた頃位からスロットルが不自然に重くなり始め、九重あたりになると渾身の力でグリップを捻らないと大きくスロットルを開けなくなってしまいました。明らかに故障です。
 
症状に心当たりはありました。
スロットルワイヤーの外側カバーが経年劣化で痛み始め、小さな亀裂が入っていたからです。
今回のツーリングにあたって、スロットルワイヤー自体が切れないよう外側にゴムチューブ製の手製「ギプス」を当ててタイラップで固定し、交換するための新品スロットルワイヤー(リプロ品)も事前に注文しておいてはいました。
ぶっちゃげた話をすると今日一日もってくれればOKだったのですが…長時間連続走行による負荷は想定以上に大きく、亀裂が大きくなり外側がポッキリ折れてしまったのです。
 
ともあれ…止むを得ず、スロットルワイヤーを切らないようスロットル開閉をゆっくり行い、スロットル開度を少なめにしつつもトルコンAT機構の特性を活かして加速はしっかり行う形で、巡航速度を損ねる事なく慎重な運転で帰宅しました。

まさかのまさか

で、帰宅直前。
近所のスタンドで最後の満タン給油を行った際、2ストオイルを混合するついでに帰途の燃費計算も実施しました。
すると…全く想定外の数値が弾き出され、筆者は驚きました!
 
帰途の平均燃費、29.1km/l。
この数値は行きの燃費を圧倒的に上回っているばかりではなく、市街地では20km/lを切る事すらザラなトルコンAT搭載ラビットとしては大変な低燃費です。
しかも、帰途には由布岳と九重という九州有数の山間部を越えており、加減速こそスロットルワイヤーを労ってゆっくり目だったものの巡航速度は変わらず、実質的な所要時間も行きと殆ど変わりありません。
 
つまり、スロットルワイヤーを労るため止むを得ず行ったスロットル操作が、偶然にも低燃費走行を可能にしたのです。
筆者はその後、帰途に体得したスロットルワークをスロットルワイヤー交換後も実践し、あからさまなランニングコストの削減に成功しました。勿論、この走法がツーリングにもたらす燃費的なメリットは計り知れません。
 
まさに怪我の功名、結果オーライです。
先の露天風呂に加え、この「トルコン慣性走法(仮称」の体得により、今回のツーリングは「半分失敗」から「おおむね成功」へと評価が変わりました。

スタンプ初コンプならず。しかし、また次がある

スタンプラリーはまだまだ終わりません。
今回のリヴェンジのため一心寺さんには再度訪れる必要がありますし、ビックリマンシールはランダム配布のためどのキャラが出てくるかわかりません。
つまり2周目・3周目があるかもしれない…いや、その可能性の方が濃厚です。

今回お迎えしたキャラグッズ。素直にかわいい

しかし、筆者としては喜んで周回していこうと思います。
黒柴コーヒーさんにはまだまだ味わいたいメニューが山程ありますし、丸野石油店さんは場所的にほぼ必ずお世話になります(紹介画像を撮るのも忘れてはなりません)。温泉閣さんではコーヒーは勿論また温泉に入りたいですし、桜や緑に彩られた一心寺さんを今度は(焦り叫ぶ事なく)のんびり散策したいものです。
 
ツーリングは何が起こるかわかりません。
しかし、それでこそツーリングであり、それが楽しさでもあります。

サンマル子と筆者の長い旅が始まった

かくしてラビットの初陣は終わりました。これからはYBに代わり、ラビットでより多く、より遠くへ旅をする事になります。
実は既に大型バイクお迎えの準備段階に入りつつあるのですが、旅の主役はこれからもラビットです。これからもよろしくなサンマル子!
 
ぼちぼち暖かくなるので、今年はラビット共々ソロキャンプにも挑戦してみようと思います。

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