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IRを通して感じる事業運営の難しさと楽しさ

はじめまして。
株式会社アピリッツのIR担当している永山です!
2023年IR系ACに参加させていただくこととなりました。

(「そもそもIR系ACって?」という方はこちらを御覧ください)

すでに記事を投稿された面々は素晴らしい方々ですし、記事も資本コストあり、IRの手法ありとレベルが高いです・・・ちなみに最近流行りの資本コストの話ですが、個人的にはIR Agents の関本さん「じゃあ資本コストは何%なら良いんですか?」は非常にうなずき度高かかったので見てみてください

さて、じゃあ何を書こうかな?と思っていたのですが、IRの事はすでに様々な方が記事にされていますし、資本コスト等の件も私の話より専門家の方のほうが参考になりますし悩む・・・。ということで少し趣向を変えて、「IR活動を通して実際の事業運営の難しさと楽しさ」ってその先の事で少し人間くさい事を書いてみようかなと思います。事業会社の中の話ってなかなか外には言わないので。箸休めに読んでみてください

IRはなぜ行うのか?

ここの理解は自分なりにしていますが、私の言葉よりも何よりもちょうど以前に投稿された市川さんの投稿が凄くよいのでこちらを見てほしいです。まさにここには共感しかありません。

もちろんまだまだ改善点はあるものの、まさに当社もこれにそって当社はIRを行っています。
「なぜ上場企業はIRをすべきなのか?」


「資本金を出してくれた株主が将来の期待」そのものである株式を、新しい株主に売り渡しているので、新しい株主にも「期待」への説明責任が発生する」

ここに集約されているなと思います。また株主さんや投資家さん、いわゆる市場からのニーズに応えなければならないと。


じゃあどんなこと要求されますか?

・昨対比で130%じゃ低くないですか?
・オーガニックの成長率だけじゃ将来に期待できないですね
・増収増益は基本ですよね
・業績予想どおりじゃサプライズないのでダメじゃないですか?未来に投資するんだから
・M&Aをもっとしないと加速度的に成長できなくないですか?
・利益率低い事業はやめたほうがよくないですか?
・既存の事業は世に溢れているものでもっと革新的な事業やらないとダメじゃないですか?
・唯一無二じゃない強みって強みではないのでは?
・中期経営計画ださないんですか?それじゃ未来がわかりません
・資本コストを意識した経営してますか?
・資本コストを上回るROEの実現に向けて何しますか?
・じゃあROE、PBRは改善できそうですか?
・配当金出してますが成長投資へ回したほうがよくないですか?
・配当金だしていますが利回り低くないですか?
・株主還元で自社株買いはしないんですか?
・出来高少ないのは認知度低いからもっとIRしないとダメじゃないですか?
・プライム市場に早く移行したほうがよくないですか?

合わせて昨今は非財務情報等で人的資本への投資や、ESGを意識した面でも

・ESGを意識して経営していますか?
・従業員のもっと給料あげないんですか?
・退職率が低くないとダメじゃないですか?
・残業時間を減らすために効率化してっていますか?
・教育って難しいと思いますがちゃんとやれてますか?
・女性比率低くないですか?
・ダイバーシティの観点で女性比率や障害者雇用の比率を高めないといけませんよね?
・独立役員増えないとガバナンスとれなくないですか?
・役員にも女性いれないんですか?

などなど・・・まさにJOJOの奇妙な冒険でのオラオララッシュを多方面から受けているような。お前らの努力など足元にも及ばないのだよと・・・
イメージはこんな感じ

引用: ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダーズ
(,荒木飛呂彦 集英社)

つまり
「短期的視点でも成長し、中長期視点でも持続的に成長を継続させ、多様な価値観の中でダイバーシティを意識して従業員満足度をあげ、環境へも配慮を行い、株主への還元はもちろん、まだ株主になっていない投資家さんへも価値を理解してもらえる、永続的に持続可能な企業にならねばならない。」

というお題を与えられています
でもそれが「人様から投資をしてもらって事業を行う」ということですから、これに特に異論はないんですね。

他方で「何のために事業をやっているんだっけ?」とフッと思う事もあります。

これに関しては馬淵さんの投稿でも少しでてました。経営者の方々が息苦しく感じてしまうシーンがあると。こちらの記事も非常に勉強になるので読んでみてください。
「インベスター・リレーションズを「国の政策に」」


当社の成り立ち

我々のミッションは
「セカイに愛されるインターネットサービスをつくり続ける」
です

学生が数人集まってインターネット黎明期だった頃に何か自分たちでサービスを作ってみようで始まった会社です。運良くその時にお世話になった方々に出資もしてもらい、仲間を少しづつ増やしていって成長したり、経営がうまくいかない時もあって赤字になったり、モノ作りを自分たちでやっているのだからSaasのサービス作ってみたり、ゲーム作ってみようって実践してみたり。こう言うと軽いかもしれませんが根底にある発意は、みんなで「こんな事やってみよーぜ!」「ダメだったなあ・・よしじゃあこうしてみよう!」ってここまで来た会社です。

過去の会社の変遷はこんな感じです。


大切にする事ってなんだろう?

じゃあ大切にしなきゃいけないことってなんだろう?

【お客様】
事業を行って役務提供してお金を得ているので、「お客様」はとても大切。事業の根底は「誰かの役にたてている」だから。当社はアプリケーション開発や、ゲーム運営しているので、その先の「ユーザー様」もとっても大切です。

【株主・投資家さん】
出資もしてもらっているし上場もしているので市川さんの言う通り「資本金を出してくれた株主が「将来の期待」そのものである株式を、新しい株主に売り渡しているので、新しい株主にも「期待」への責任がある。成長戦略をきちんと実行する、業績をきちんと残していくも大切ですね

【仲間】
はたまた、それを行ってくれているのは従業員の仲間です。この記事を読んでいる方々もあると思いますが、働いてうまくいかない事なんて沢山あります。ましてや当社は若い。成長しながら苦悩しながら、お客様やユーザー、市場からの期待に応えようと時には自身の価値観と違ったことを飲み込んで頑張ってくれています。とっても大切。

【そもそもの発意】

事業を始めた時って
「自分たちでやってみたい事に挑戦をして、そのやってみたい事を通してお客さんに喜んでもらったら嬉しいよね。」
です。
これは各社さんによって違うと思いますが、概ね発意はこれに帰結すると思います。社会に必要とされて(もっというと既存の概念を超えて新たな価値を生み出したり)、それを行うことで収益を得て、さらによいものを還元していくって。故に実はこのそもそもの発意って忘れがちだけどとっても大切。



難しさ

上記に書いたとおり、そもそもの発意の元に事業運営を進めるのですが、あらあゆるニーズに応えるには働いている仲間に頑張ってもらわないといけません。年齢、性別、育った環境からくる価値観の多様性、経験値、ぜんぶ違った人々で構成されています。

ガバナンス、コンプライアンスは当然として、成長過程の仲間のエンゲージメントを高めて満足度をあげる、働く環境改善、処遇の改善、1人1人にあった成長ラーニングゾーンを見極める、ワークライフバランスをとり、キャリア形成も意識しつつジョブローテーション・・・・etc  彼らは決して頑張ってないわけじゃないのです。ただ市場のニーズに応えるにはギャップがあることもある。特に期待される成長スピードと彼らの成長スピードをリンクさせる(それも無理なく)のは難しいなって思います。

また、誤解を恐れずに言うと経営層だって成長過程だと個人的には思っています。(これはあくまで私の個人的な主観です)上場企業の役員をやるのは代表だって、私だって初めて。上場した瞬間に立派な上場企業の役員になるわけではありません。子育てに似てるなって。子供産まれたから立派な親にはなれてないと同じで・・。以前に在籍した会社の役員にも今も教えを請う時もありますが、やはり「お前はぜんぜん出来てない!」とご指導受けます。

上場しているか?してないか?だけじゃないかと言われる事もありますが、大きく違うと思っています。なぜなら、ステークホルダーが増えるわけですから。それに役員って万能じゃありませんし、自分が優秀だなんて思うほど無垢でもないです。今までは「結構、俺たち頑張ったよね」でよかったのですが、もうそれじゃだめ。

市場にニーズと我々が成長する時間のギャップは許してもらえません。待ったなしです。頭では理解をしていますが非常に難易度が高いなって思います。


逆に楽しさ

大変な事のほうが多いかもしれません。でもやっぱり楽しいが時々やってきます。作ったサービスがお客様から好評で、そのサービスが成長した時。ゲームのユーザーが楽しんでくれていることがわかった時。業績予想を達成できた時や、市場の期待に答えられた時、M&Aで仲間が増えていろんな事ができるのではとなっている時・・etc

やはり人間は簡単に得られるものに達成感は味わえないですし、お客様や誰かに喜んでもらえる、必要とされるって事は代えがたいものがあるなって思います。そして1個人として成長実感ですかね。これには年齢は関係ありませんから。

結果としてそれが遍く関わるステークホルダーがWinWinになれた時は嬉しいです。

ちょっとした時に「人」を想像してくれたら頑張れる

ちょっと人間くさい事を書きました。これだけ読むと「言い訳」しているように思えるかもしれませんが、決してそういうわけではありません。

だったら上場しなければいいのですから。そうなることもわかっていましたしね。

だたちょっと資料を読んだ時やIRの事業活動の後ろに「みんなと変わらない人がいる」って想像してくれたら嬉しいなって。若者が試行錯誤しながら、喜怒哀楽を感じて、積み重ねていっているんだなって知ってもらえたらなって

そういう背景を想像してくれているだけでも、慮った言葉をもらったりするとそれで頑張れたりします。人間ですから。

どんなにテクノロジーが発達しても結局、全てに介在するのは「人」なんですよね。数値はあくまで結果でしたかないです。それを積み重ねる中で人が後ろであれこれしています。

翻って私たちがIRをする際には投資家さんや株主さんの顔を想い浮かべながらしていきたいなって思います。

さあ道は半ば!
これからもみんなで頑張っていきたいと思います!

「どや?俺の仲間凄いやろ?」

っていつの日か言えるように

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