地域が引くくらい好きな人たちの話

さて、先日リディラバからTRAPRO移住クチコミ( https://iju.trapro.jp/ )というサービスをリリースをしたのだが、せっかくなので少し”地域”に個人的について思うことを書ければ。きっと長文になる。読みやすくなるように頑張るけど。

私の場合、ひょんなことから”地域”というものに向き合い始めたのは2007,8年あたり。まだ地方創生とか被災地復興などという言葉が出てくる以前ではあったけど、一方で地域に向き合っている人たちは一定数いて、そういう方々と触れるところから始まった。

最初に地域の持つひりひりとした”ジレンマ”というのを意識したのは2007年夏に、沖縄に研修に行った時だろう。とても丁寧に設計された研修で、9月11日にもかかわらず米軍基地の中に入り将校と議論ができたり、沖縄戦の跡地を色々回れたり、辺野古の基地反対運動の当事者がゴザを敷いているところに一緒に行ったり。洞窟の中で頭蓋骨の破片を見つけたのは印象的だった。

歴史が自分の前に繋がってきている、と。

そのときガイドをしてくれた琉球大の先生や学生ガイドの人々と夜飲み明かす中で、地域の抱える苛立ちや葛藤に直面し、こんなにも自分が生まれ育った土地に思いを持つ人々がいるんだな、と衝撃を覚えた。

三宅島も印象深い。噴火で産業はほぼ全部壊滅して、島民も全島避難をしたにもかかわらず、避難先で友人関係もできているにもかかわらず、数十年に一度は噴火が起こるにもかかわらず、それでも島に戻ろうとする人々。頭おかしいんじゃねーか、どう考えても合理的ではないだろ、と。

それでも、そういう人たちが地域にたくさんいるという事実は面白かった。別にみんながみんな熱い想いがあるってわけではなく、他に選択肢がないからとか、とりあえず惰性で、とりあえず習慣で、って人も多い。

だけどその人たちはいずれにせよ意思決定をしている。

とりあえずその場所にいる。

私個人はどこに住むかとかあんまり気にしないタイプだったので、彼らの行動が理解できずとても興味が湧いた。

これまで100を超えるたくさんの地域を巡り、いろんな人と話した。シャイな人でも、一緒に酒を飲んでいるうちに聞けることが多くあり、祭りの場で誘ってもらいそのままその地域にしばらく居ついたこともあった。たまに喧嘩とかもしてしまったけど、それも人間だ、って笑って飲んで仲直りしてくれる懐の広さに救われることも多々あり、色々な人に世話になりながら考える機会をもらったと思っている。

地域ってのは本当に面倒くさいとこもあって、小さな人口の地域でも、集落ごとに文化が違うし、「隣のあの地域は殿様根性だから」とか言うわけよ。一体いつの話だ!?

あるいは閉鎖的なコミュニティとかにいると帰宅が2時間遅れるだけで、どこで夜遊びしてるんだ、みたいな感じで噂になるとか、もう絶対わたし生きていけない、みたいな世界なわけ。

ただ、それでもそこには人々の生活があって、それを心地よいと思っている人もいれば、ちょっと嫌だなと思っている人もいて、でもなかなか人は動かないっていうのが人間社会ってものなのかな、と。だから平成の大合併とかで、自治体を合併したからといってそんな簡単には人は動かないよね。

一方で日本の人口減っている中で、すべての地域を残すとかありえないので、どういう基準で残す地域を選ぶか考えないといけない。で、それはなんだろうか。基幹産業の強さなのか、交通の便の良さなのか、豊富な観光資源なのか、まぁ色々あるとは思うんですが、その一つに地域住民の熱量とかもいれていいのかな、と私はここ7,8年で思うようになりました。

というのも、あきらかにクレイジーなほどにその地域が好きな人たちっているわけです。で、そういう人たちが引くくらいの粘り腰で時間と労力とときどきお金を投資して成功しちゃうような地域があるわけです。一方でその逆みたいな地域も多い。

だったら熱意あるところに人を集めやすい環境を作るのが大事なんじゃないか。思いっきり地域同士で競争できるようにしていけばいいじゃない。主体的に課題解決できる人材を煽りまくって奪い合う中で地域の価値を高めていけばいいじゃない。会社だって投資する際には財務諸表やビジネスモデルと同じくらいに、組織文化や経営チームの熱量とかも見ますよ。地域だってそれでいいじゃない。地域でいうなら、組織文化は住民のオープンマインドとか熱量だろうし、経営チームは首長や議会や行政の方々の粘り強さですよね。

そして、熱量ある人、熱意ある地域がたくさん試行錯誤していく中で、その前提として人の流動性のなさがボトルネックになったら嫌だな、ということで冒頭のサイトはつくりました。熱意ある地域の課題に、そこにふさわしい主体的な人材が最適配置されている状態を作れたらな、と。

我々も、東日本大震災があったりして、おなじようにスタディツアーを行おうとする団体ができた時期とかもあったんだけど、結局みんな撤退してしまったわけです。そこはもう合理的な何かでは説明できない粘り腰ってのがあるわけです。そういう”集団としてのグリット”がある地域が私は好きでして、そこを応援できるようになればな、と。一億総火の玉だ!みたいなスローガンは嫌いなんですが、ボトムアップの心の底から湧き出てくる”想い”みたいなのはやっぱり大事ですよね、という話でした。

そんなわけでみんなよかったら地域の口コミ書いてね!( https://iju.trapro.jp/ )

以上!やはり長くなった!!

最後まで読んでくれた稀有な人、ありがとう!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?