#280C|向上心があっても10%増が現実

note365日連続投稿チャレンジ280日目。

向上心のあるタイプの人は、現状とは関係なく理想的な目標を設定する。そしてそこに向けてやってやるぜと走り始める。

しかし「一気に」成果を出そうとすると綺麗に挫折する。基本的に、人はがんばっても10%ずつくらいしか向上していけないと思っておいた方がいい。

正確なパーセンテージでなくざっくりイメージの話で、「がんばって順調に進められても10%ずつ」という意識を持っておく。

現状からけっこう離れた目標を設定するなら「達成までのステップは10分割」で考えるといい。

よく聞く例として、勤務で月収20万の人が半年で独立100万円を目指す、みたいな話。最終そこを目指すとしても、現実的なプランで言えば、まずは自力で2万円売ってみることに全力だ。10%先の状態を達成を目指す。いきなり100万を見据えて全力を出しても、その壁は普通は高すぎて超えられない。

人はついその道のりを「ホップ・ステップ・ジャンプ」くらいの3分割で考えてしまうけど、3分割した中をまた3分割するくらいの深度はほしい。


バーンとぶつかって気持ちが萎えて終わるタイプでは、実行の勢いは強いが壁が高すぎたために見事に爆散する姿を見る。そうしてモチベやテンションが散ったあと、「自分が本当にやりたいのはこれじゃなかった」とか「これは向いてないのかも」といった気分になって、別の目標に向かう。

しかしこれは、本当にやりたいこととか向き不向きがどう、という話ではなくて、ただマインドセットとやり方がミスっていただけで、せっかく挑戦したのにもったいないケースも多い。(もちろん本当に向いてないとか、やりたいことじゃなかった、というケースもある)


なので、まずは10分割にしてスタートする。しかしその場合は達成までの時間や工数は多くなる。すると今度は、その進捗を管理できない場合に、途中で「今どこまで行ったっけ?」「次何をするんだっけ?」「何が大切なんだっけ?」といったことが起こり、空中分解するということが起こることがある。

一気にやろうとするとハードルの高さに挫折し、小分けにやろうとすると達成までの時間が伸びて霧散する。これだから、長期プロジェクトや、自分にとっての大きな目標の達成というのは難しい。


ここを乗り越えるために一番手っ取り早いのは「やることを一つに絞る」ことだ。これは目標への挫折や霧散を乗り越えるための世界で一番シンプルで効果的な方法だと思う。

ただ、生活していれば色々なやることがあるので、それもなかなか難しいだろう。(これがもっともやりやすいのが学生なので、その時期にとことん何かに邁進するといい)


そこで、空中分解を防ぐために「1日をふりかえって記録しておく習慣」と「プロジェクトノートを使う習慣」をつけることが達成を助ける。

このプロジェクトノートを私は長期計画リストと呼んだりするが、この2つのノートをまずはとにかく「開く、記録する、見返す、更新する」といった癖をつけることがはじめの一歩だ。

最初はこの癖をつけるだけでも1大プロジェクトで、しかしまず癖をつけてから、次に質をあげていくという手順が必要だ。

この行動を別の言葉で言うと「PDCAを回す」と呼ぶが、そもそも生活の中にこのふりかえりの習慣を持っていない人は、いきなりプロジェクト管理の本を読んだり単発の講義を受けた程度ではそれを扱えるようにならない。

本や講座は「最低限できている」人に、「よりよいやり方」を伝えるものがほとんどで、そもそも「やったことを振り返って記録して検証して次につなげるための手を打ちそれを回転させていく」という習慣自体がない人は、それらを学んでも実行ができないのだ。

ここをサポートするために毎晩「1日ふりかえる会」をやっていたり、タスクシュートを使うこともその練習にもなる。


話がズレたがあらためて、今日残したいことは「進められるのはよくて10%ずつだよ」ということ。自分への自戒として。

ついつい一気に結果を手に入れたくなる。3ステップくらいでやれる気がする。たとえば今日10km走れたから、次の日は気合入れたら20kmも走れそうになる。

マラソンを目標としたなら、10km走ったなら次の日は11km。そうやって10日後に20kmへ(正確に言えば10%ずつ伸ばせば8日目で20kmになるが大まかでOK)。なんなら1日ずつ休んで、20日後に20kmへ到達する。これが最大にがんばった場合の達成までの速度と思っていた方がいい。


「がんばれば1日でできる」と思うものが実際は「がんばっても20日かかる」といったこの想定を持てていることは役に立つ。

その「20日間」をがんばり続けるのが辛いから、さっさと1日で20km走って終わりたいという気持ちにもなるけれど、それは「1度達成すればいい系」の目標なら短期勝負の場合にのみアリなやり方。

しかしそのやり方しかできないのなら、人生で発生する色々なプロジェクトを安定して成功させていくのは難しい。


高い目標を設定する裏には万能感があるケースがある。高い目標を目指しているということが満足になる。その場合、現実を見ると感覚が解けてしまうので、ずっと空想を見て高い目標を宙に放ち続ける。これだとごく単純な力勝負の目標しか達成できない。今の自分の器を超えた目標地点には行き着けない。

あるいは、「一発逆転思考」を持っていると脇が甘くなる。努力すれば、徹夜すれば、無理をすれば、優秀な達成ノウハウがあれば、いいアイデアが閃けば、誰かが助けてくれれば、宝くじが当たれば。

その道のりを十段飛ばしくらいで超えていける気がする。超えていけることを願う。しかし、そうしていれば3年くらいはすぐに過ぎる。その間10%ずつ進んだ人とはもうえらい差だ。

その差は、サボってしまうとなかなか取り返せない。逆に「10%ずつしか進めない」ということを踏まえていると、いい意味でサボれなくなる。


最強の方法は1歩1歩。その1歩だけを見て。その1歩を気持ちよく歩んでいく。世の中には色々と優れた方法があるかもしれないが、凡人が間違いなく取れるベストな方法はこれだ。裏技やラッキーに頼らずに「歩く力」。

向上心とリアリティの両翼を持って歩むには、「達成までは10%ずつ」の見通しで、「1日をふりかえるプロジェクトノート」を片手に進めていくこと。これしかないんじゃないかな。

今日も自戒100%で。


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