ビジネスマンに勧める資産形成(株式投資)②~キャリア戦略に資産形成が有効な理由~

今回は「キャリア戦略に資産形成が有効な理由」について考えてみます。

(↑は当日のPPTスライド)

自分自身が大手総合商社を19年間勤めて退職して以降、大企業の中堅クラスの社員から「転職したいがなかなか思うようにいかない」といった相談を受けることが増えました。

その理由を聞いてみると様々ですが、突き詰めると結局のところ「お金の問題」が真因であることが殆どであるとの結論に至りました。

①      年収を下げたくない
②      リスクを取るだけの安全資金がない
③      高給を前提にした固定費を抱えてしまっている
④      嫁ブロック

このうち④などは、十分な金融資産があることを示すことができれば、殆ど解決できたも同然です。一方で意外に多いのが③です。特に自分が勤めていた前職の大手商社では、50代で閑職に追いやられても2,000万円程度の年収は最低でも確保できます。もし部長以上に出世できれば更にアップサイドが見込まれます。

そうすると何が起こるか。通常、その期待値を前提にして高額な住宅ローンを組み、子女を義務教育から有名私立に通わせることになります。有名私立に入るとクラスメートは多くが上等な学習塾に通っているので、自ずと同じコースを辿ることになります。こうした住宅ローンや教育費は年収に寄らず固定的に発生する費用ですから、家計の固定費と言えます。

前職の大手商社で「転職したいけど一歩を踏み出せない」人は、この③のワナにはまっている人が意外に多い印象でした。

多額の固定費を抱えているから嫁ブロックは入るし、年収も下げられない。仕方がないから歯を食いしばって会社の飼い殺しになる他ない。ビジネスマンとしての人生のPeakは40代半ば~50代前半。会社生活にFull Bet且つ大企業一本足打法できたので、汎用性が高いスキルセットが身についておらず、他に拾ってくれるところもない。男性の健康寿命が70歳だとして、残りの20年もの時間はひたすら下り坂を歩んでいく。現実にはこういう人がとても多いと思います。

しかしこれは逆説的に考えれば、お金の問題さえ解決出来れば、自分の気の向くままにセカンドキャリアに踏み出せる人はかなり増えるのではないか、との仮説が成り立ちます。

これを踏まえて、次回は「資産形成の本質」について考えてみます。

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