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「仮説検証型」通販手法により市場を知り、販売力を高め「ヘッドコピー」に凝縮する

昨日、記載したとおり、『戦略的ヘッドコピー開発術』の内容を共有します。

1 広告の販売力を高めるための「通販手法」活用術

本マニュアルは、通信販売(以下、通販)によって得られた手法を活用し、広告における販売力を高めていただくためのツールです。
通販は、広告によって直接販売を行い、その販売結果を測定する事により、どの広告が効果的か検証できる販売形態です。つまり、それは仮説検証型「ダイレクトマーケティング」であり、広告は「レスポンス広告」と呼ばれています。
一般的広告では、どの広告がどれだけ効率的なのか、どのヘッドコピーならば何%効率的なのかを把握する事は不可能です。しかしながら、通販ではそれを測定する事ができ、検証を繰り返しながら確実に販売力を高める事ができるのです。
本マニュアルは、通販の経験則で得られた「広告」作りの根本となる手法を特に「ヘッドコピー」に特化して解説し、単なる商品販売ではなく戦略的なマーケティング手法とともに理解し習得していただく内容となっています。
わが国の通販業界は、通販会社各社が試行錯誤の中で、それぞれの手法を見出しながら成長し続けてきたため、体系化された理論や法則はあまり研究されていません。それゆえにマーケティング的な精度も低く、戦略的にも優れていないと思われます。
通販に携わられている方々には、このマニュアルを通じて、是非「戦略的手法」を取得していただきたいと思います。また、通販業態に限らず、あらゆる業態の広告の販売力強化にお役立ていただけると存じます。

①通販「レスポンス広告」を理解する
マニュアルの本題に入る前に、通販をされている方々には、いままでお持ちの「既成概念」を取り払っていただき、通販ではなく販売をされている方々には、通販における「レスポンス広告」作りの手法が、なぜ通販業態ばかりではなく、広告の販売力を高める方法に直結しているのかご説明しておきます。

── 通販においては、直接販売によって販売の結果が「測定」できる。それによって「仮説検証」が可能であり、比較により「効果」の高い選択ができる。──
というのは、もちろん大前提です。しかしその大前提があるからこそ「レスポンス広告」には絶対とされるべき概念があります。

②「コピー」ではない「セールストーク」である
 「広告」ではない「売り場」である
 「レスポンス広告」は、一般広告とは異なり直接的な「販売」が絶対的な条件であり、広告原稿はいわばセールスマンでもあるのです。従って、一般広告にありがちなイメージやブランディングといった無形の効果には意味がなく、直接結果に反映する販売実績のみが評価の基準となっています。
 つまり、通販のレスポンス広告の手法は、通販ではなく通常の販促を目的とした広告においても有効なのです。

③「レスポンス広告」の概念をきちんと身に付けよう!

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レスポンス広告は、通常の一般広告とはまったく質の異なるものであり、イメージや見た目でが優先されるべきでなく、具体的な説得により効果的な販売に直結しなければならない。従って、一般広告の「広告」という概念を意識からすべて取り除き、 その概念に基づく「コピー」や「デザイン」という構成要素の概念の意識も根底から削除すべきである。
文章は「セールストーク」であり、レイアウトは動線を意識した「設計」として意識すべきで、紙面は「売り場」であり、広告原稿全体は、2次元のセールスマンと捉えるべきである。
全く別次元のそのような意識改革がなく、通常の広告概念に捉われていれば効果的な「レスポンス広告」は設計できない。

2「良い商品」だから売れないわけがない!

「わが社の商品は良い商品だから売れないわけがない」と多くの方々がおっしゃいます。
「良い商品だからといって売れるとは限りません」
映画に例えるなら「賞を総なめにした名作がヒットするとは限らない」のです。店頭で一度実演販売をしてみれば「物を売る難しさ」を経験できるでしょう。
 まずは、そのような「思い込み」を払拭するために「客観的分析」をしてみましょう。

①「良い商品」であっても売れるとは限らない
商品が売れない可能性は以下が考えられます。
1.市場が形成されていない
2.市場が過去の物となっている
3.内容が説明しにくい
4.訴求表現の精度が低い
5.売る相手を絞り込めていない

次のページからそれぞれを解説しますので、客観的に自社商品に当てはめて分析してみてください。
* ここでは価格競争力という観点は除外しています。まずは、あくまでも商品販売力という観点だけで分析してみてください。

3「良い商品」であっても売れるとは限らない

①市場が形成されていない
内容や成分が優れていても、市場での認知が低く、あるいはその分野で
市場をリードし形成している商品あるいはブランドがない限り、訴求は
困難である。
ヘッドフォンステレオ「ウォークマン」、イオン飲料「ポカリスウェット」
が登場し市場に定着するまで、「ラジカセ」や「ジュース」市場は形成さ
れていたが、まったく未知の「商品概念」であり「定着」までのリスク
は投資も含め高かった。
また、コラーゲンより優れた「うるおい成分」の新成分が開発されても、
新成分の市場は形成されていないと認識すべきで、コラーゲンが市場を
すでに占拠していれば、市場を奪い取る難易度は高く、コラーゲンとの
比較において強力な説得性か物量的戦略が必要とされるためハードルは
高い。

②市場が過去の物となっている
かつては、市場として存在していたが「トレンド」として「過去の物」と
なっている。
無添加化粧品は60年代から70年代の「化粧品による皮膚障害」という社
会問題を背景に80年代に台頭したが、大手メーカーの高度な技術により
「化粧品の刺激性」が改善され、01年の「全成分表示の義務付け」により
「無添加」の説得性は著しく低下した。
従って、単なる「無添加」というアプローチあるいはキーワードの効果
は顕著に低下していると認識すべきである。

③内容が説明しにくい
商品説明において「科学的」だったり「技術的」な解説でしか説明でき
ない場合、あるいは「薬事法表現」の範囲を超える表現でないと説得で
きない商品。
ダイソンの掃除機は、説明の上では多くの人が分かったような気になっ
ているが、実を言うとそのメカニズムを正確に理解している人は少ない
のではないだろうか。
ベネフィットとして「吸引力の変わらないだたひとつの掃除機」と締め
くくられているので理解したかのように感じているのではないか。つまり、
この場合メカニズムの訴求効果はベネフィットの訴求効果の補完的要素
にしかすぎないのである。

④訴求表現の精度が低い
市場が形成されており、トレンドとしても勢いがあり、商品も説明しや
すい。それでも広告の販売力が弱い。というのであれば「訴求表現」が未熟なのである。
同じ商品を店頭で実演販売して、売上げを上げる人と上げない人がいる。
その差は「セールストーク」の差である。「セールストーク」つまり「訴
求表現」の精度が低いのである。
セールスマンが「イケメン」だから「美人」だから売れるのではないか
と言われる方がいるかもしれないが、ビジュアルやイメージは、もちろ
ん効果要素のひとつではあるが、絶対的な優位性ではない。お知り合い
にトップセールスマンがいらっしゃれば思い浮かべてほしい。やはり「芸
は身を助ける」のである。

⑤売る相手を絞り込めていない
「セールストーク」も完璧であり、市場も活性化している。
それでも売れなければ「的が外れているのである」。
店舗で言えば地域選択、広告で言えば広告表現上の訴求対象の絞り込み
と媒体選定である。
また、市場が活性化しており複数企業により競争が激化していれば、「セールストーク」を強化しなければならない。もし強化できても競争激化により情報が錯乱して到達できない可能性がある。ならば、その市場全体にアプローチするのではなく、特殊な欲求に絞り込んでアプローチすべきである。
AKB48は、競争の激しいアイドル市場に対してアキバ系に絞り込み特化し、そのコアターゲットを核にして市場を拡大した。実演販売でも、まずは乗りの良いお客さんを把握してその空気を全体に
広げようとするのと同様である。

4 まとめ

①チェックポイントの確認
前ページまでの『「良い商品」であっても売れるとは限らない』のチェックポイント5項目について、自社商品の分析をしていただけたでしょうか?
おそらく本当に整理できた形で客観的に分析できたかどうか不安に思われた方がいらっしゃったり、厳しすぎたり甘すぎたりした分析をされた方々もおられたかと思われます。
前項5項目チェックでは、まずは自社商品への「思い込み」を取り払い、客観的な「分析」の必要性を感じていただくための「意識改革」の一環として行っていただいた最初のプログラムでした。いかがでしたか?
意外に自社商品について分析できていなかったのではないでしょうか?
また市場の捉え方も自社商品だけを見つめ「近視眼的」になっていませんでしたか?

②本章からの進め方
 いよいよ次ページより、本章がスタートします。本マニュアルでは「広告における販売力」を高めるための整理法とその手順つまりプログラムをお教えし、そのプログラムに従い商品販売戦略を組み立て、最終的に訴求表現の凝縮である「ヘッドコピー」にまとめ上げていく手法を解説していきます。
「立ち位置」から「戦略」
「戦略」から「訴求開発」
といった概念を基本とした流れによるプログラムです

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『戦略的ヘッドコピー開発術』の内容は、不定期投稿となりますが、適宜UPしていきます。そして、近いうちにマガジンとして読みやすくまとめられればと考えています。
※今のところ無料提供予定です。



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