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『大冒険』(1965年10月31日・東宝・古澤憲吾)

深夜の娯楽映画研究所シアター。東宝クレージー映画全作視聴。

11 『大冒険』(1965年10月31日・東宝・古澤憲吾)

4月16日(土曜日)は、”クレージィ.キャッツ"結成10周年記念作品『大冒険』(1965年10月31日・古澤憲吾)をスクリーン投影。

 これまでのスーパーサラリーマンもの「日本一シリーズ」や、クレイジー七人組が起業する「クレージー作戦」パターンとは違う、文字通りの冒険アクション。フィリップ・ド・ブロカ監督のフランス映画『リオの男』(1964年)のようなアクション映画を目指している。

しかも円谷英二監督の特撮をふんだんに盛り込んでのスーパー植木等さんの体技を駆使した痛快篇。森繁社長ならぬ総理、越路吹雪さんの悪役。しかも敵はナチスの残党、国際的偽札偽造団!!

古澤憲吾演出は、ある意味ムチャクチャというか、勢いだけで、多少の矛盾をぶっ飛ばして行くのがイイ。しかも直線的な構成なので、もたつかずにクライマックスまで一気に突き進んでいくのが気持ちいい。

ラストの敵の秘密基地を日米連合軍がミサイル攻撃してしまう、トンデモ展開の乱暴さすら、気にしない気にしない、と言わんばかりの古澤演出。

円谷英二特技監督による植木等さんのアクロバティック・アクションも楽しい。特に敵に追い詰められて東京駅八重洲口にあった第二鉄鋼ビルの屋上から落下するシーン! ワイヤーワークと合成を巧みに使って、植木さんが看板に股間をぶつけてワンクッション。さらには電線をつかんで体操選手のように鉄棒技のスイングで着地。そこで呵呵大笑(笑)

エンディングの「大冒険マーチ」観たさに、何度でも観たくなる究極のクレージー映画。最後のハナ肇さんの掛け声が「突っ込め!」だし^_^ どうかしてる傑作!!

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