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『あんみつ姫の武者修業』(1960年・松竹京都・大曽根辰保)

今宵の娯楽映画研究所シアターは、大曽根辰保監督『あんみつ姫の武者修業』(1960年・松竹)。倉金章介原作漫画の映像化は、東宝の雪村いづみさん、ラジオ東京テレビ(TBS)版の中原美紗緒さんに続く、鰐淵晴子さんで二人目。ちなみに四代目は小泉今日子さん!

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映画版としては、今作がベスト。脚本は関沢新一さん。これが滅法面白い。甘辛城のお転婆姫・あんみつ姫(鰐淵晴子)の16歳のバースデイに、旅芸人の三波春夫さん、島倉千代子さんが自慢の喉を披露する。

籠の鳥に飽きたあんみつ姫は、腰元きなこ(瞳麗子)と結託して、ご城下へ社会科見学。つまり、東映の美空ひばりさんモノや、オードリー・ヘップバーンの「ローマの休日」パターン。

手始めに、三波春夫さんの一座の下働きをするも、姫を亡き者にしてお家断絶をもくろむ甘栗角之進(永田光男)一派に追われる。そこで棟割長屋に住む浪人・天堂一角(安住譲)に匿われ、弟のフリをする。長屋には、昼は髪結、夜は江戸の義賊・闇太郎(藤山寛美)、岡っ引き(トニー谷)などなどがひしめいて、あんみつ姫は楽しい日々を過ごす。

姫の身を案じる側近・金鍔三太夫に、森川信さん。姫の父・栗乃団子守に、曽我廼家明蝶さん。母・渋茶方に、若水ヤエ子さん! そして長屋の艶歌師・守に、守屋浩さん! 大ヒット中の「有難や武士」をタップリ披露してくれる。その曲を手掛けた、浜口庫之助さんが、鰐淵晴子さんの歌う主題歌「小鳥とあんみつ」を作曲、作詞は関沢新一さん!

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カラー大作で、1961年の正月映画に相応しい、明朗音楽時代喜劇の快作!

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