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グルメな夫が買ったココナッツ餅はそのままでは食べられなかった

インドネシアのジャワ島中部の古都ソロで滞在最後の日、ドライバーのおっちゃんが連れて行ってくれたお土産屋さんには、お土産にする食べ物であふれていた。店の奥では従業員らしき人々が袋詰め作業をしていた。街中のお店もここで仕入れて売るのだという。どおりで安い。
 
たくさんあるお土産の中にスマラン(Semarang 中部ジャワの北海岸にある都市)名物のウィンコ(Wingko ココナッツ餅)があった。スマランからのお土産で必ずもらう大好きなお菓子だ。パッケージには蒸気機関車が描かれている。もともと鉄道駅のそばで売っていた有名店が蒸気機関車をトレードマークにしたからだ。私は12個入り2万ルピア(200円)のを買った。グルメな夫は12個入り1万8000ルピア(180円)のを買った。
 
帰国して次の日にはグルメな夫が買ったウィンコを開封した。昔食べたのよりずいぶん小さいが、まあよいだろう。しかし、あまりに固い。グルメな夫はパッケージに書かれている注意書きどおり、お湯を沸かしてコチコチのウィンコを3分間蒸した。すると不思議にもウィンコはホカホカ、ほちゃほちゃ、出来立てのモチモチしたウィンコに早変わり。昔食べたウィンコより驚異的においしい。生まれて初めてウィンコの本当の味を知った瞬間だった。(グルメな夫は『スマランで一番おいしいウィンコはもっと美味しい!』という顔をしていたが。)

注意書き:Bila produk kedapatan keras, kukuslah sebentar, lebih lzat, empuk dan gurih「製品が固い時はしばらく蒸してください。より美味しく、やわらかく、香ばしくなります」

ウィンコをほおばり、インドネシアのコーヒーを飲む。まさに至福。

ウィンコ/ウィンコババット(Wingko / Wingko babat)は、もち米の粉、砂糖、やわらかいココナッツフレーク(一般のココナッツフレークを取るココナッツより若いココナッツから得られる)を混ぜてココナッツウォーターで練り、こんがりと焼き上げたお菓子。バニラビーンズなどで香りをつける。大判焼器のような丸いへこみのあるフライパンで焼く。


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