タナハシトシエ

ジャワ島のソロを訪れること数十回。縁あってグルメなジャワ人と結婚。カルチャーショックや…

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ジャワ島のソロを訪れること数十回。縁あってグルメなジャワ人と結婚。カルチャーショックやトホホな現実はたいそう愉快だ。

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  • グルメな夫と暮らす日々ノート

    ジャワ島のソロを訪れること数十回。縁あってグルメなジャワ人と結婚。 カルチャーショックやトホホな現実はたいそう愉快だ。

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グルメな夫と暮らす日々

ジャワ島のソロを訪れること数十回。雨季でも毎朝晴れてほぼ決まった時間に雨が降るという天気に感動。市場で売られる食材の豊富さに感動。赤いパパイヤのおいしさに感動。バナナの葉で包んで売られるジャワ料理に感動。日本にいても、鳥の鳴き声をきくとジャワにいる錯覚にとらわれる。 縁あって(ジャワではjodohと言うらしい)ジャワ人のダンナサマと結婚した。ダンナサマは自称グルメ。料理が天才的にうまい。一方、私は料理オンチ。学生時代は古古米をおいしいと思って食べていたし、出汁の取り方はいま

    • グルメな夫、オヨメサンにガスコンロの使い方を特訓する

      グルメな夫のキッチンの装備は立派である。ガスコンロなどは自動調理機能までついている。オヨメサンがガスコンロを使うときは自動機能(グルメな夫はこれを『タイマー』と呼んでいる)を使うようにと、グルメな夫がやかましく言うのは、オヨメサンが何度も料理中なのを忘れて鍋をこがした実績があるからである。 湯沸かし機能もついていて、お湯が沸いたら自動的に火が消える。ただ、お湯が沸いてから何分後に火を消すか設定できる、という謎の機能もあってややこしい。オヨメサンが久しぶりにガスでお湯を沸かそ

      • グルメな夫、欣喜雀躍してソト(インドネシアのスープカレー)をつくる

        富山県にあるグルメな夫のオヨメサンの実家のすぐ近くにベトナム食材店ができた。新鮮なハーブやスパイスも売っていて、オヨメサンはダウン・ジュルック(daun jerukこぶみかんの葉)を買ってきた。ダウン・ジュルックは、ソト(sotoインドネシアのスープカレー)をつくるのに欠かせない、香りのスパイスだ。 オヨメサンが買ってきたダウン・ジュルックは一袋だったが、何十枚もはいっていたので、少なくとも10回はソトをつくることができる。久しく冷凍庫のなかでしなびたダウン・ジュルックしか

        • グルメな夫のオヨメサン、実家で厨房に入る

          グルメな夫のオヨメサンと姉のととくんは双子である。2023年の年末にふたり仲良く富山県の実家に帰省した。両親はもう亡くなっていて空き家になっているが、時々実家の様子を見に行く。 グルメな夫のオヨメサンは、チンするご飯、梅干し、各種ふりかけ、野菜、豆腐、ポン酢などの調味料、お茶、コーヒー、牛乳、豆乳、林檎、ミカン、米菓、おやついろいろ・・・およそ生き延びるのに十分な食材を車にのせて実家に向かった。 実家ではオソロシイことに、料理担当はオヨメサンの方である。毎日息子たちを食べ

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          グルメな夫、出勤前に料理する

          グルメな夫が料理をしてくれるので、オヨメサンはめったに料理とよべる料理をしない。したとしても美味しくできるとはかぎらない。というか、めったにそのような奇跡はおこらない。必然的にオヨメサンは料理をしなくなり、料理をしなくてもいいらくちん生活に慣れきったオヨメサンは、すっかり食事を夫まかせにしている。 では、グルメな夫が仕事で忙しくなったらどうなるのか? グルメな夫が作ってくれた料理が冷蔵庫からなくなると、食糧がつきて飢えてしまう。 いや、家の中に食べ物ならある。非常食の

          グルメな夫、出勤前に料理する

          この頃すっぱいみかんを食べるグルメな夫

          グルメな夫が早生みかんのことを「すっぱいみかん」と名付けたのは、オヨメサンが妊娠していた時にさかのぼる。季節は初秋。 オヨメサンは切迫流産になったために身動きができず、グルメな夫が近くの商店街に買い物に行き、家事一切をやるはめになった。そのときおよめさんが食べたかったのがグレープフルーツ。 「グレープもフルーツもわかるけど、グレープフルーツって、いったい何?」 グルメな夫はグレープフルーツをインドネシアで見たことがなかった。 アチャー、予定変更。早生みかんを買ってきてもら

          この頃すっぱいみかんを食べるグルメな夫

          グルメな夫、帰国して辛くない料理をつくる

          日本に戻ると、グルメな夫は野菜料理がことごとく辛い、という悩みから解放された。 辛くない野菜料理を自分で作ると言っても、単に唐辛子を使わなければよいというものではないらしい。味が物足りなくなるのである。しかし、日本にはインドネシア料理で使う唐辛子にかわる「辛くない唐辛子」がある。グルメな夫が「辛くない唐辛子」と呼んでいるのは、ピーマン、パプリカ、シシトウ、万願寺唐辛子、甘長唐辛子と言う卓矣の野菜である。 インドネシアでよくオセン・オセン(野菜の甘辛炒め煮)の材料となるのが

          グルメな夫、帰国して辛くない料理をつくる

          グルメな夫、グデ市場で念願のルンプル(ココナッツおこわのスパイシーチキンちまき)を買う

          インドネシアのジャワ島中部の古都ソロに滞在中、食事代わりによくルンプル(lemper ココナッツおこわのスパイシーチキンちまき)やアルン・アルン(arem-arem ココナッツご飯のスパイシーチキン蒸しおにぎり)を買い求めた。 近所の市場のあちこちでおやつを売っているおばさんたちから買うのだが、どのおやつ売りのところへ行ってもルンプルはいつも売り切れてなくなっていた。グルメな夫はしょうがなくアルン・アルンを買っていた。ある日、ソロでいちばん大きな市場パッサル・グデ(Pas

          グルメな夫、グデ市場で念願のルンプル(ココナッツおこわのスパイシーチキンちまき)を買う

          グルメな夫が買ったココナッツ餅はそのままでは食べられなかった

          インドネシアのジャワ島中部の古都ソロで滞在最後の日、ドライバーのおっちゃんが連れて行ってくれたお土産屋さんには、お土産にする食べ物であふれていた。店の奥では従業員らしき人々が袋詰め作業をしていた。街中のお店もここで仕入れて売るのだという。どおりで安い。 たくさんあるお土産の中にスマラン(Semarang 中部ジャワの北海岸にある都市)名物のウィンコ(Wingko ココナッツ餅)があった。スマランからのお土産で必ずもらう大好きなお菓子だ。パッケージには蒸気機関車が描かれてい

          グルメな夫が買ったココナッツ餅はそのままでは食べられなかった

          グルメな夫がインドネシアでやっと幸せな食事ができた話

          ジャワ人のグルメな夫は辛いものが食べられない体質である。ジャワ料理には辛くない料理がたくさんあり、青唐辛子やサンバル(唐辛子ペースト)は横につけていることが多い。しかし、ローカルな小食堂では、最初から唐辛子を入れて料理をし、特に野菜料理はほとんどが唐辛子入りなので、グルメな夫にとって安全なのはスープ類だけである。 グルメな夫のオヨメサンは、インドネシアではローカルな小食堂で食べるのが大好きである。第一に安い。200円もあれば美味しいものがお腹いっぱい食べられる。だから、オ

          グルメな夫がインドネシアでやっと幸せな食事ができた話

          グルメな夫、オヨメサンに特別なサラダを買う

          グルメな夫のオヨメサンはガドガド(gado-gadoピーナツソースがかかった野菜サラダ)が大好物である。インドネシアのジャワ島中部の古都ソロ(正式にはスラカルタ)でフードコートに行くと、さっそくガドガドがあるお店をみつけた。 ガドガドに欠かせない揚げ豆腐は売り切れだと言うが、ガラスケースにはまだ茹でた人参、インゲン、ジャガイモなどがたくさんある。スラット(selat)という野菜サラダはできるというので、グルメな夫はオヨメサンにスラットを買った。 「始めて食べるインドネシア料

          グルメな夫、オヨメサンに特別なサラダを買う

          グルメな夫、オヨメサンにバナナを買う

          バリ島のサヌールに、いろいろなバナナを売っているバナナ専門店があった。そこにはピサン・タンドゥック(pisang tanduk)というチップスにする細長いバナナがあり、オヨメサンにとっては初めて見るバナナだった。「さすが、専門店。」と、オヨメサンが興味を示し、そこでバナナを買ってと、グルメな夫にねだった。 ピサン・ラジャ(pisang raja)というのは「王のバナナ」という意味で、日本で食べているピサン・アンボン(pisang ambon)よりずっとおいしいバナナである。

          グルメな夫、オヨメサンにバナナを買う

          グルメな夫の常識では、鶏肉は骨にくっついている

          深夜にバリ島に到着し、爆睡して日も高くなってやっとのそのそ起きたら、バリ人の友人が朝ご飯を差し入れてくれた。ありがたい! ナシ・クニン(ターメリックご飯)のナシ・ブンクス(テイクアウト用に包んだご飯)だった。おかずも何種類も入っている。しかも、鶏肉のオポール(ココナッツ煮込み)つき。なんて豪勢なんだろう! ところが、オヨメサンが鶏肉に骨が入っていると文句を言うのだ。肉とは骨についているものであって、魚に骨があるのと同じことなのに、なんということだろう! 日本で鶏のから揚

          グルメな夫の常識では、鶏肉は骨にくっついている

          グルメな夫、IHコンロを初体験する

          グルメな夫のオヨメサンの実家の台所は、昭和時代のままなのだが、唯一ガスコンロを数年前にやめてIHコンロに変えたところだけが新しい。 プロパンガス用の2口のガスコンロから、当時一番安い一口のシンプルなIHコンロに買い替えた。 グルメな夫がオヨメサンの実家のIHコンロに大きな幻想を抱いていたことが判明したのは、今年のお盆に実家に帰省した時であった。調味料を自分の台所から持ち込み、食材をあれこれ買って、やる気満々で実家に乗り込んだが、タイマー機能すらないIHコンロに衝撃をうけた

          グルメな夫、IHコンロを初体験する

          魚はグルメな夫が焼く

          グルメな夫はオヨメサンの昭和時代の母に似ている。 なにしろ、ひとつのメニューを大量につくる。オヨメサンの昭和時代の母は、煮込み料理を大きな鍋いっぱいにつくっていたが、まさに同じである。 そんな昭和なグルメな夫が冷凍の魚を焼くときは、1つの袋に入っている切り身全部を解凍して焼く。冷凍庫には何種類もの魚が入っているのに、食卓には1種類の魚しか並ばない。せっかく焼いた魚も食べ飽きて、余ってしまう。 グルメな夫のオヨメサンはついに反乱を起こした。冷凍庫の中の魚の切り身を3~4

          魚はグルメな夫が焼く

          グルメな夫の椅子には座布団が3枚

          グルメな夫は脚が長い。 その昔ズボンを買おうとしたとき、股下丈をきかれて77cmと答えたら、店員が驚いてサイズを測りなおした。 「やっぱり、脚、長いですね~。」 と店員は二度驚いたものである。 だから、ダイニングの椅子もそのままだと脚をもてあますので、座布団が3枚必要なのである。 逆に、オヨメサンは胴長短足なので、グルメな夫と同じように座布団を3枚も置くと脚が床につかない。だから、座布団は0枚か1枚でよい。 グルメな夫は日本に来てから身長が少し伸びたが、結婚したとき、2

          グルメな夫の椅子には座布団が3枚