Toshihide_Yamada

東京紙器株式会社の山田(代表取締役)です/打抜き印刷など印刷したものを加工する仕事/付…

Toshihide_Yamada

東京紙器株式会社の山田(代表取締役)です/打抜き印刷など印刷したものを加工する仕事/付箋、マスキングテープ、エコなカレンダー、紙のクリップやファイルを作ってます/最近はご朱印帳のご依頼が増えています

最近の記事

印刷業界2023年展望と昨年の振り返り

皆様、新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。 光陰矢の如し、この前忘年会をしたと思ったらもう仕事始めですね。2023年一発目の記事は、新年ということで今年の展望、そして昨年の簡単な振り返りをしたいと思います。 2022年の漢字「戦」、そしてインフレ毎年恒例の「今年の漢字」ですが、2022年の漢字は「戦」でした。 その名の通り2月からウクライナをロシアが侵攻し、第2次大戦以来ともいわれる大規模な戦乱がヨーロッパで巻き起こりました。 また、コロナ

    • 今こそ。海洋プラスチック問題のおさらい

      廃棄プラスチックのルートと分類定義 プラスチックは適切な処理をされていれば、自然界への影響を最小限に抑えられますが、実際にはそのような処理をされずに廃棄されたプラスチックが膨大に溢れています。それらのプラスチックは河川等を通じて、最終的に海にたどり着くこととなります。 その量は年間約800万トンと言われています。(ダボス会議発表の報告書より) 海にたどりついたプラスチックには様々なものがあります。包装用、釣り具用、ペットボトルetc.. これらのプラスチックは海岸に堆積し

      • 紙ハンガー vs プラハンガー!メリットとデメリットを比較してみた

        暑い日が続いています。今年は第7波真っ盛りの中で迎えた夏休みでしたが、行動制限が無い中でお盆の人手はかなり多かったようで、空港の人出はコロナ前の水準を回復したそうです。 急激に感染者数が増えていてまた経済に大ブレーキか!と身構えていましたが、そこまで大きなブレーキはかからないようでその点は安心しました。ただ、身近なところでも感染者がかなり出ており、息子も熱がでて医療用の抗原検査キットを探して検査した(陰性)ということもありました。本当に間近に迫ってきているので実際に自分や家

        • 紙加工業界のDXってどんなことだ

          DX、デジタルトランスフォーメーションが巷で目にするようになり早数年。たいていこういったシステム用語は用語だけが先行し、中身が理解されていないケースが多いのですが最近になってようやく少しずつ中身を伴ったDXが実現されてきているのではないでしょうか。 私自身この業界に入る前はIT業界に身を置いていました。大学卒業後、都内の中小IT企業に入り営業をやっていた経験があります。もともと親がデジタルを積極的に取り入れるタイプの人間だったので、コンピュータ自体には小学校高学年くらいから

        印刷業界2023年展望と昨年の振り返り

          透けなくたって中身は見える!打ち抜き屋の紙製ファイル「ハニカムファイル」について

          弊社は昨年脱プラの観点で、クリアファイル製品からの代替先として紙製ファイル「Block File」をラインナップに加えました。 日本生命のプラスチッククリアファイルゼロの目標設定を始め、脱クリアファイルの動きは昨年急速に広がりを見せました。 紙製ファイルについては印刷業界各社からいろいろなものがでており、弊社の「Block File」以外にも様々なものがあります。 Block Fileの特徴は他社のそれと比べ厚みのある紙を使っているので耐久度と質感が良いことですが、全面に印

          透けなくたって中身は見える!打ち抜き屋の紙製ファイル「ハニカムファイル」について

          プラスチック=悪ではない。プラスチック資源循環促進法対策に紙製ハンガーはいかが?

          去る1月14日、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の施行期日を定める政令」及び「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律施行令」が閣議決定されました。 なんのこっちゃ、となるような長ったらしい名前ですが、噂の特定プラスチック12品目について、使用量を削減しましょう、取り組み不十分なら公表・罰金もあるよ、とする法律「プラスチック資源循環促進法」が予定通り本年4月1日から施行されるということが決まったということです。 以前記事にも書きましたが(※「紙vsプ

          プラスチック=悪ではない。プラスチック資源循環促進法対策に紙製ハンガーはいかが?

          創業64年の紙加工屋が解説する紙の打抜き加工の全て【第3回 型編】

          前回記事から早2か月・・いやに寒くなったなぁと思っていたらいつの間にか冬がやってきておりました。大変長らくお待たせいたしました打抜き加工連載第3回です。お陰様で秋は忙しい時間が続き、なかなか筆を取ることがかないませんでした(言い訳) 先日、打抜き機械の製造現場を見学する機会などもあり、モチベーションが上がってきたところで、そういえばいい加減連載書かないとマズくないかと思い重たすぎる腰を無理やり上げたというのが真相でございます。 本当は、連載を心待ちにしていた読者の方々を思

          創業64年の紙加工屋が解説する紙の打抜き加工の全て【第3回 型編】

          創業64年の紙加工屋が解説する紙の打抜き加工の全て【第2回 平版打抜機編】

          皆様実りの秋がやってまいりました。印刷業界にも季節によって閑散期や繁忙期があるのですが、紙の加工や商業印刷物のピークは多くの場合秋になると思います。カレンダーが大量に動いたり、来年度4月に向けての案件が動き出したり、年末・年始にむけての販促物や早い物だとバレンタイン向け商材など・・枚挙に暇がありません。しかし、この連載を心待ちにしている世界中の皆様にお届けするため、仕事がパンパンで忙しい中ワクチン副反応で辛い体に鞭打ち、また筆をとった次第です! すみません。嘘でした。もっと

          創業64年の紙加工屋が解説する紙の打抜き加工の全て【第2回 平版打抜機編】

          連載・創業64年の加工屋が解説する紙の打抜き加工の全て【第1回 基本編】

          私が働く東京紙器は名前の通り紙器屋です。 とはいえ、一般的な箱などを作る紙器屋とは異なり、薄物と呼ばれる印刷物の打抜き加工をメインにやってきました。印刷された紙を、型を使って、折り筋入れやミシン入れ、切抜いたり、穴をあけたりといったことをします。 一見、機械と型があればだれでもできそうなイメージを持たれがちですが、実はミクロの世界での調整が必要な非常に繊細な技術が求められる作業です。当社は60年以上にわたり、その技術を継承し、研鑽してきました。 この連載では、当社社内教育

          連載・創業64年の加工屋が解説する紙の打抜き加工の全て【第1回 基本編】

          大人の夏休み自由工作

          『ポップアップ型御朱印』についての記事がお蔭さまで多くのアクセスをいただいております。なかなか立体タイプの御朱印は珍しいので、非常に写真映えもしますね! しかし、もっともっと仏様の尊さを表現することはできないか。 そこで、立体型で仏像、光背を浮きだたせ、さらにそれに金を使ったらどうなるだろうと思い、大人の夏休み自由工作としてチャレンジをしてみました。 思った以上に尊かった 最初、金色の紙で作ったもので普通に作ってみたのですが、それだと光背と仏像がかぶってしまい、いまいち

          大人の夏休み自由工作

          漢字は唱えて覚える時代です

          はや約1年半になるコロナ禍。ダメージを受けたのは経済だけではありません。 教育の世界においても、学校に普段通り行けず、それによる学力低下などが深刻化しているようです。 自宅学習の重要度があがることで、オンラインでの教育コンテンツをはじめ、家でもできる学習方法や教材に注目が集まっています。 withコロナ時代、ますます学校以外での学習が大事になってきますが、今回は東京紙器も深く関わっている「漢字」に特化したある学習法と教材をご紹介します。 その名も「ミチムラ式漢字学習法」

          漢字は唱えて覚える時代です

          立体型の御朱印を作成したら想像以上に神々しかった

          先日『御朱印の世界』という記事をアップいたしましたが、それを見てお問合せをいただくことも増えてきております。 様々な神社仏閣様で、こういうものを作ってみたいというアイデアを沢山いただき、我々としてもそのアイデアの豊富さに驚かされることばかりです。 御朱印と聞くと平面のイメージが強くありますが、先日静岡県藤枝市にある曹洞宗のお寺、牛頭山向善寺様にポップアップタイプの立体型御朱印をお納めしましたので、今回は作成の経緯を含めこちらの事例をご紹介したいと思います。 その前に牛頭山

          立体型の御朱印を作成したら想像以上に神々しかった

          紙vsプラスチックの不都合な真実

          先週末の6月5日は「環境の日」でした。 1972年6月5日に開催された「国連人間環境会議」を記念して定められたもので、6月は環境月間(あるいは環境週間)として、環境庁などを中心に様々な行事が行われています。 Twitterでも環境の日を記念したイベントを開催したり、 (https://blog.twitter.com/ja_jp/topics/events/2021/world_environmental_day.html)、様々なところで環境を意識した取組がされているよ

          紙vsプラスチックの不都合な真実

          FSC認証?古紙配合率?いまさら聞けないSDGs時代の必須ワード

          弊社は印刷がメインではありませんが、印刷したものを加工するという点で印刷業界に属しています。 この業界にいると最近聞くのが、「FSC認証用紙で作れますか?」、「古紙配合率って70%超えてます?」、 「ベジタブルインキで刷ってほしいのですが」etc..etc.. そうです。SDGsが叫ばれる昨今、環境を重視するバイデン米大統領が就任したことなども影響し、 環境配慮型の印刷用紙やトナーを使いたいというお客様が増えてきているのです。 特にコーポレートイメージを大事にする大企業で

          FSC認証?古紙配合率?いまさら聞けないSDGs時代の必須ワード

          聞いたことあるけど良く知らない『御朱印の世界』

          皆様、『御朱印』ってご存じですか?なんとなく、お寺とか神社で貰えるやつでしょ? 程度の感想しかでてこないのが実情ではないでしょうか。 今世の中は空前の御朱印ブームに沸いています。 本屋さんなどにいくと、各地の御朱印が載っているガイドブックや書籍などがたくさん置いてあります。 オリジナル御朱印帳を持って、各地の御朱印をコレクションする方も増えているようです。 でもそもそも『御朱印』って何なのか。ただの印ではないその魅力とは。 宗教がらみだと思って敬遠せず、開運さんぽにでかけ

          聞いたことあるけど良く知らない『御朱印の世界』

          印刷業界黄金時代

          斜陽産業と呼ばれて久しい印刷業界ですが、かつては輝いた時代がありました。 1950年代に機械の多様化高速化大型化が進んだことで、オフセット印刷が活版に比較し優位となり、 高度経済成長期と共に印刷業界も急拡大を続けました。 特に1970~1990年は、印刷物需要自体は経済規模と同レベルの拡大でしたが、 それ以上に多色化と小ロット化の進展により印刷業界出荷額はGDP以上に伸びていきます。 そしてバブル崩壊後の91年に出荷額はピークの約9兆円に達します。 その後、バブル崩壊とそれ

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