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大分県佐伯市の公共不動産、鶴御崎エリア

大分県佐伯市の鶴見町にある鶴御崎エリアのプロジェクト。

このプロジェクトでは、平成の時代に観光開発された鶴見エリアにある公共不動産のこれからについて、佐伯市鶴見振興局の方々と、デザイナー櫻井さん、建築家伊藤さんと自分の小さなプロジェクトチームで、エリア全体のフィールドワークから、エリアコンセプトワークを行っている。

左から、デザイナー櫻井さん、私、建築家伊藤さん。トレッキングコースもあるということで急遽、役所の方に黄色の長靴を借りる。

九州最東端にある鶴御崎は、もう本当に自然に圧倒される素晴らしい場所です。

地図はこちら。

〇佐伯市公共施設の個別施設計画より参照


何度かのフィールドワークで見えてきた鶴御崎の遺跡と壮大な自然。
半島が故に、人口減少も半端なく、老朽化する公共施設、圧倒的な自然、海と山が迫ってくるようなまるで未来の地方を象徴するような場所。
九州の最東端にあるこの場所は、太平洋が眼前に広がり、四国まで見渡せる。

【鶴御崎の昭和、平成の歴史と痕跡をたどる】

終戦間際の昭和20年ごろ、当時アメリカ軍が、太平洋沖から、日本に上陸をし、本土戦になると想定されていた。
九州最東端であるこの場所に、巨大な砲台を作り、アメリカ軍から日本を守るために働いていた人がいた痕跡が。
本土戦を免れ、使用することはなかったが、当時の逼迫していた状況が眼に浮かぶ。
70年以上が経過し、風化の中で佇むこの遺跡が、まるでジブリのラピュタの世界を思わせる。背後には、青い太平洋が眩しく輝く。
建築家の伊藤さん、デザイナーの櫻井さんと、公共不動産ディレクターとしての自分の3人で紡ぎだすこのエリアのコンセプトイメージは、終わらせる建築、など、儚くも美しいイメージ。
このイメージが、エリアのコンセプトの軸になるのかもしれない。うっすらと場所の空気感から、見えてくる風景。

新しく作ることは生命誕生を意識しやすいが、終わりを迎えていくところから次の世代への種がまかれるような、可能性も感じる。僕らの世代は、新しいものを追いかけるだけでなく、昔の人が死に向き合ってきたように、終わり方について、新しい付き合う方法を身につける必要があるのかもしれない。

(続く)


砲台近くにある宿舎の痕跡。森に飲み込まれるよう。

数度のフィールドワークで見えてきた鶴見エリアのコンセプトの種。

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