Blackmagic ATEM Miniが手に入らない今、気軽にカメラを切り替えながら配信する手段

映像関係の機材が高いということはなんとなく知っていたが、ATEM Mini(¥38,280)以外のスイッチャーがこうも高いとは知りませんでした。

Roland V-02HD ¥75,900
Blackmagic ATEM Television Studio HD¥121,425
Roland ローランド HD VIDEO SWITCHER V-1HD ¥126,720

以上、いずれもAmazon価格。

ちょっと手の込んだ配信に興味がある場合、ATEM Miniの4万円弱というのはギリギリ検討の範囲内だけど、次に安そうなものが75,900円ってどう考えても無理です。動画業界怖いよー。

ちなみにRolandからGo:Livecastという破格に安い商品も最近出ましたが、かわいそうなくらい評価が低いので見なかったことにします。実際どうなんでしょうね?

さて、そういうわけで、なるべく手持ちの機材で極力お金をかけずにカメラ切り替えしながらライブストリーミングができるか調べました。

今回試したのは以下の環境。

- MacBook Pro(2018)
- iPhone 8
- iPad Pro 初代10 inch

この構成で、iOSデバイス2台のカメラでなんとか配信できないかというお題。

結論から言うと、OBS Studioというアプリでできました。

簡単な手順
1. MacBook ProにOBS Studio、iOS Camera Pluginをインストール。
2.iOSデバイスにOBS Camera(時価2000円弱)をインストール。
3. MacBook ProとiOSデバイスを有線接続しOBS Studioを起動。
4. iPhoneとiPad用にシーンを作ってカメラの設定をする。

これで、iPhoneカメラのシーンとiPadカメラのシーンが1クリックでそれっぽくフェード(?)しながら切り替わるようになります。あとは配信サイトに準じた配信設定すれば、配信開始余裕です。

一般的な注意点三つと、非常にニッチな注意点を一つずつ。

(一般的な問題点1)
iOSデバイスとの間にUSBハブ(もしくはドック)を入れるとうまく動作しないかも
しれません。僕はAnkerの5000円くらいのドックを使っているのですが、そこにiOSデバイスを繋げてもOBS Studioが認識しませんでした。ドックやUSBハブによってはうまくいくかもしれませんがいちいち買うとお金がかかります。

反対に成功したのはUSB type-Cオス→USB 3.0 Aメスの変換アダプター経由。MacBook ProのコネクタにiOSデバイスを1対1対応させなければいけないのでコネクタが勿体無いような気もしますが、とりあえずこれだったら問題ありませんでした。コネクタはAnkerでもAUKEYでも大丈夫でした(他は知らない)。

(一般的な問題点2)
USB type-Cオス→USB 3.0 Aメスの変換アダプターのタイプに注意。type-CとUSB Aメスが一体になっている小さいコネクタだと、意外と横幅があるので、MacBook Proの二つ並んだコネクタに同時に挿せないことがある。悲しいです。

(一般的な問題点3)
iOSデバイスのカメラの色味が違う。実際かなり違うので、うまく調整できればいいなあと思うんですけど、今のところ解決策が見つかってません。でもいいんです、配信の中身で勝負すれば!(そういう話じゃない)

(ニッチな問題点1)
MOTUのUltralite mk3を認識しない。フォーラムで調べたら同様の人がいてお手上げ状態だったので、僕もお手上げです。オーディオインターフェースを使いたい場合は、OBS Studioでちゃんと認識してくれるか事前に調べた方が良いです。僕はtype-Cのインターフェース買うかもしれません……。

というわけで、Apple信者ならこういう感じで2カメで配信できますよ、という小話でした。やってみたいという方は自己責任でよろしくお願いいたします。

ちなみになんでこんな実験をやっているかというと、暇だからというのももちろんあるんですが、自分の主戦場たる劇場イベント・公演が軒並み中止中止延期延期!!!になってるためでもあります。ボートシアターも政大夫さんもヤバいぞ〜! というわけで今水面下で色々動いてます。

おそらくそういう人も多いだろうなあというわけで、成功事例をメモがてら書いておいた次第です。ライバルに塩を送ることになるか? まあ、いいでしょう。ぶっちゃけこれですごく綺麗な配信ができるというわけでもありません。お金かけずに、ちょっとだけ気の利いたことができるというくらいのセッティングです。もし記事が役に立って助かるようなことがあったら、お金か仕事をください。

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