かとうとしこ

特養で高齢者介護、ALSだった母の介護を機に障害者介護にも携わって5年が経ちます。

かとうとしこ

特養で高齢者介護、ALSだった母の介護を機に障害者介護にも携わって5年が経ちます。

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vol.1 出来の悪い娘の在宅介護【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

ALS?!病気ひとつしなかった母が?介護の仕事を20年ほどしている私が、3〜5年ほど前に介護をした母のことをポツポツ書いていきます。 2016年4月 母の体に異変が「なんかしゃべりにくんじゃけど、変じゃない?」それは、隣に住んでいる弟家族や娘やら、一緒にわいわい夕食を食べている時でした。2015年の年末に肺癌だった父が他界し、厳格だった父の看病で気が張っていたところから、急に一人になった母が気落ちしないように、時々、集まっていた食事会の時でした。 「ぜんぜん変じゃないよ。

    • やっぱり高知は最高

      パートⅡ 高齢者介護と障害者介護をしています。 何年ぶりかの桂浜です。 めちゃくちゃキレイになってました。 太平洋はやっぱり偉大ですね。瀬戸内海の穏やかも大好きですが、太平洋のスケールの大きさには惚れ惚れします。 最高な旅でした✨✨✨ またバタバタの生活に戻るけど、頑張るぞー💪

      • やっぱり高知は最高

        介護の仕事で毎日をバタバタと過ごしております。 そんな私が幸せを感じるのは布団の中に入ったときの「はぁ〜〜布団で寝れる〜」の瞬間です。(障害者支援の時は寝袋で待機)(特養夜勤は書類や支援であっという間に朝!) そしてもう一つは「旅に出る」です。コロナに振り回され、我慢の連続だった日々もだいぶ落ち着きつつあり、旅行者も随分増えました。 岡山から高知は車で2時間ちょっとで着くので、気軽に行ける所です。 私のいつものコースは、着いたその日は、ひろめ市場で食べたいものをチョイ

        • 認知症ケアを日々行なっている私が震える、映画「ファーザー The father」

          「ファーザー」あらすじロンドンで独り暮らしを送る81歳のアンソニーは認知症により記憶が薄れ始めていた。娘のアンが手配する介護人とうまくいかず、新しい介護人もまた拒否していた。 アンからは新しい恋人とパリで暮らすと告げられショックを受ける。そんな中、見知らぬ男がアンソニーの自宅に突然現れ、アンと結婚して10年以上になると語り、彼はここが自分とアンの家だと主張する。財産を奪う気なのか?目的は?アンソニーの大切にしていた生活が次々に手のひらからこぼれ落ちていく。時間軸は歪み、現実と

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        vol.1 出来の悪い娘の在宅介護【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

          ひめへ

          拝啓 晩夏の候 暑さはまだまだ続いていますが、いかがお過ごしですか。 大きく高い空の向こうでひめは相変わらず、周りの人々をあたたかくユーモアで包んでいることと思います。 ひめが旅立って、もうすぐ一年になります。逢えなくなったと言っても、ずっと心の中で寄り添ってくれていました。ありがとう。 ひめと出逢って、季節とともに生きることを教わりました。目一杯、澄んだ空気を吸って、揺れる花木に感謝している毎日です。 (ひめのおかげ) ひめが旅立ち、去年のクリスマスにはひめが大好

          20年前介護職を選んだ理由

          1.そんな仕事よくするねぇ20年前、その仕事が「介護」という名の仕事だとは知らなかった。今よりもっともっと知名度は低くく、今よりも「そんな仕事、よくするねぇ!」と言われていたように思う。私が初めて介護の仕事を間近で見たのは祖母が入院した病院だった。始めは世間で言われているように、「いわゆる3Kって言われることを進んでする仕事でしょ。そんな仕事よくするなぁ〜。大変だわ」と思っていた。 2.えっ?!すごいかも?私が当時まだ幼い長女の手を引き祖母のお見舞いに行くと毎回、「帰れ!来

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          ひめと母からのバトンを胸に

          「重度訪問介護との出会い」1.母からのバトン父が肺がんで他界し、その2年3ヶ月後の2018年3月15日に筋萎縮性側索硬化症(ALS)で母が他界し、自分の体の一部どころか、ほとんどを失ったように思えた。「もっと笑顔でいてあげればよかった」「同じALSの方と家族が笑顔でいられるように支援がしたい!」「ご家族が、一息つける時間を作りたい」という思いを胸に、ボランティアや在宅ヘルパーの募集がないかスマホでの検索を開始した。 そんな私が動ける時間は休みの日や夜間で、自分自身の健康を考

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          シンプルな明日のむかえ方

          ⬛︎めんどくさがり屋な私 こんにちは。高齢者介護と重度訪問介護を仕事にしている私がなんとなく書いているnoteです。 日々、運動をせねば!と思いつつ、ソファでゴロゴロ過ごしている私です。 #仕事以外はダラダラ人間 ところで、私は超〜めんどくさがり屋な人間です。悩む時間が嫌いなので、即決することが多いです。 そう聞くと「うわっ!すぐ騙されるヤツだ!」と思われそうですが、選択することより、選択しないことを即決することが多いように思います。 たぶん、決断力があるんじゃなくて

          シンプルな明日のむかえ方

          vol.13 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

          ⬛︎最終章 エピローグ 2021年母が他界して3年が経ちました。 あれからもう3年も経ったんだなぁという思いです。 お母さんへお母さんがいなくなって庭の手入れをするようになり、時期がくれば、庭に柚子やレモンの実がなり、椿や桜、スイセン、ツツジ、紫陽花たちが次々に咲くことを知りました。 お父さんとお母さんが建てた家がこんなにも私たちを癒し慰めてくれることを知りました。 一度くらい、年末掃除を張り切ってする姿を見せたらよかった。一度くらい素敵な家や庭をありがとうって伝えた

          vol.13 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

          vol.12 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

          さよなら、お母さん①幼少期の私写真は幼少期の私です。昭和を感じさせる写真ですよね。超ミニなスカート??を着た(ちょうど皆さんに見えなくて安心)私が父から何やらもらっている写真です。 何をもらっているのか、後に母に尋ねたところ、何とスルメだそう。食いしん坊の私が父にせがみもらっている写真です。 すぐに車酔いする私が、小さい体でそんな消化しにくいものを食べて、この後どうなったかは皆さんのご想像通りです。 そして、この超ミニスカートの服は、母が編んでくれたものです。小さい頃の

          vol.12 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

          vol.11 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

          少しずつ眠っている時間が増えていく①疼痛の緩和2017年の秋頃、激痛ではないものの全身の痛みが徐々に増して、緩和のためのモルヒネを徐々に増量して胃ろうから注入していました。そして、唾液や痰などの分泌物も抑えるためにも、飲み込みも上手く出来ない母にとっては欠かせない薬です。モルヒネの力で痛みは緩和し、ウトウト寝る時間は増えましたが、母にとっては痛みでつらい思いをしないで済むので有り難い薬です。 寝る時間が増えたものの、声をかけると覚醒して話はできるので、ずっと眠っているわけで

          vol.11 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

          vol.10 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

          たくさんの人に支えてもらっています。①神経の伝達ってすごいわ2017年の5月頃には、座ることもできなくなり寝たきりになりました。 そして、困ったことに、自分の意思で1cm以上、口を開けることができなくなりました。自分の意思でというところが神経の伝達に障害が出るALSらしいですね。そうなんです、自分の意思とは無関係の反射的に起こる「あくび」のときは、めちゃめちゃ大きな口が開くんです。人間の神経の伝達は本当に複雑なのに、いつもさらりとやっているんだと思いました。その神経伝達が

          vol.10 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

          vol.9 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

          体が動かないということ2017年5月には、立つことも座ることもできなくなっていました。ALS(筋萎縮側索硬化症)の初期症状は2つのタイプがあって、「手や足に力が入りにくくなるタイプ」と「舌や口が動きにくくなるタイプ」があります。 母は後者の方で、球麻痺の症状から出ました。舌の動きが自分の思うようにならず言葉が不明瞭になり、コミュニケーションに障害が生じます。 そして、舌やのどの筋肉の力が弱まり、食べ物や唾液を飲み込みにくくなり、むせることが多くなるタイプです。 コミュニ

          vol.9 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

          vol.8 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

          体が動かないということ①はあ〜寝不足だわ〜筋萎縮側索硬化症(ALS)は脳の中の筋肉を動かし運動を司る神経が障害される。手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんと痩せ、力がなくなり、次第に動かしにくくなる病気です。 進行速度や症状は人によって違います。 母の場合、手が思うように動かない、しゃべりにくいと言った症状から始まり、進行は速く2017年に入ってしばらくすると、手足は動かなくなり、呂律が回りにくく声が出づらくなっていました。この頃から介護保険制度を利用して、日

          vol.8 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

          vol.7 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

          家で暮らす2016年11月に入り、胃ろう増設の手術を受け、自宅に戻る。隣に弟家族がいる母の家に私が移り住み、協力しながら母を介護することになりました。上の写真にもあるように、私の娘(次女)も時々、来ては栄養の注入をしたり、足を動かしてリハビリをしたり、涙が出るほど笑わせて帰るという、「家で暮らす」ことのスタートとしては、なかなかいい環境です。 ①さて、家で暮らすために準備したものは? 退院を早めたものの、そもそも退院して自宅で暮らすことは決まっていたので、入院中にしていたこ

          vol.7 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

          vol.6 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

          胃ろう増設手術へ2016年10月の終わりに胃ろう増設の手術のために入院。訪問診療の主治医から、胃ろうをするのであれば、ある程度の嚥下機能と肺活量が維持できているうちに作っておく方がいいでしょうとの助言をいただき紹介してくださった病院に入院する。 上肢の動きにくさがあり、飲み込む力も低下してきてはいましたが、まだ刻んだ食事やミキサーにかけた食事を食べられる時期ではありました。でも、体力があるうちがいいよねということで、母も納得して入院。 死ぬほど苦しかった内視鏡検査比較的、

          vol.6 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】