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全世界で絶好調、k-dramaのグローバル戦略

最近は新規事業にフォーカスしていてあまりNetflixを見れていないのだが、『The GLORY』という韓国ドラマが全世界ランキングで1位になっているということで少しずつ見ている。

韓国ドラマはここ数年で本当に国際競争力が高まり、多くの作品がトップの座まで上がるようになってきた。

日本ドラマも少し前まではフジテレビの「月9」などのトレンディなものは、台湾や韓国、そして中国大陸でも大ヒットする時代があったがいまや、日本のドラマは完全にその地位を韓国に奪われてしまっている。

アジアでも世界でも話題になるのは韓国のドラマばかり。『愛の不時着』『梨泰院クラス』『イカゲーム』『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』などのドラマの世界的大ヒットが、世界じゅうから韓国に投資を呼び込み、豊富な資金力がまた次のヒットを生む。

もはや制作力では韓国のドラマが圧倒的に日本を上回っている、というのが世界の一般的な評価として定着している。

その背景には圧倒的なグローバル戦略がある。そもそも制作初期の段階からグローバルスタンダードを基準に作成しているというのだ。特に「ドラマの長さ」には顕著にでている。

他のアジアのドラマの長さだけを見てみると、日本ドラマは、「帯に短しタスキに長し」という言葉があるが、まさにそんな感じで世界のコンテンツ市場で相手にされていないという側面がある。だいたい12話完結が標準的で、1話40~50分。最近では「期末期首特番」が必ずといっていいほど編成されるので、10話くらいで完結してしまうドラマもちょいちょいあるがあまりに短い。

またそれとは対照的に中華圏のドラマはかなり長い。歴史ものだと50話を超えるものは当たり前で、70~80話続くものも珍しくない。現代ものでも40話、50話というものがある。しかもだいたい1回の放送時間は60分を超えるのが標準的。

要はアジアドラマは長さが国際基準に合っていないのだ。

一方、韓国ドラマは話数は16話くらいあるのが一般的で、1回の放送時間は70分くらいあったり、場合によっては90分を超えて映画くらいの長さがあるのも特殊な例ではない。

 
「短い」ということはそれだけストーリーを単純化せざるを得なくなる上、1シーンごとの描写もディテールを細かく描いたりすることが難しくなる。ドラマがそのぶん“浅く”なってしまうのだ。

だから韓国ドラマは制作費を惜しまず、視聴者に浅くストーリーを読み取ってもらうよりも深く入り込んでもらえるようなストーリーを作り上げている。これはグローバルスタンダードだとも言える。米国の名作『プリズンブレイク』や『ウォーキングデッド』なども1シーズン16話完結の1話60分程度だ。

 
あと、韓国ドラマは米国の名作のように「続編」がつくられることが多い。番組編成上の問題などキャスティングなどにかなり力をいれていると言える。続編のない名作はないと言っても過言ではない。だからこそ初めから名作を作る為に投資を惜しまないのだ。

中途半端にグローバルを目指してきた、いや寧ろグローバルという考えすらなかったここ数年の日本企業が絶対に見習うべきところであると思う。

どの業界もまずは世界という点を捉えて投資をせよ。


 

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