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日々の生活で科学を学ぶ意義

 ニュートンの5月号を読んだ。私は毎月、kindle版で読むのだが電子版だとどこにいても読めるのですこぶる調子が良い。今日も京都の宿泊先の風呂場ですぐ読み切った。今月版はまず先頭に「オッペンハイマーの物理学」。物理学上での若き頃のオッペンハイマーの功績のすごさと、一転して原爆開発以降に科学的業績を殆ど上げられていないという落差が記されている。

 そして個人的に興味深かったのは日本で初臓器移植用のクローン豚が誕生したということ。人間の臓器移植のために生まれてくる豚の一生を科学的意義に基づいて記されていてとても面白かった。科学を学ぶ意義はここにあると思う。科学を技術と照らし合わせて考えると、科学は自然界の普遍的な法則についての知識を指し、技術はその科学的知識を基にして人間の生活を豊かにするための人工物や手法を想像する作業を指す。

 多くの人間があらゆる技術を習得するために何ヶ月も何年もかけていると思うが、そこには科学という切り離せないものがあり、科学を理解せずに技術という作業をするから効率が悪い。見えないものを見るために科学を学ぶという観点でいうと、物理や化学といった科学分野が、目に見えない原子や分子、あるいは想像を絶する宇宙のような対象を研究するための手段であるとも言える。

 例えば、宇宙船を作る作業をするとする、まずその前に宇宙の科学的理解が必要なのは言うまでもない。要は、科学の理解なしに技術の誕生はない。もっと身近な例でいくと、蛍の光。これはバイオルミネセンスと言う現象で、医療分野、一つとして光インビボイメージング技術と言い生体内を光で可視化する技術に応用されている。

 また、果物や野菜によく使われるスーパーコーリング(Mpemba効果)という技術。果物や野菜の鮮度を保つために一旦温めてから冷凍すると言うのものだが、これはお湯が冷水よりも早く凍るという現象を応用している。この直感に反する現象は、古くから知られていたと言われているが科学的な説明はまだ完全には解明されていない。

 このように身近に科学というのは無数に存在するのだが意外と知られていない科学があり、それによって生まれた技術を知らずのままに使っている人が多くいる。新しいものを生み出すためには科学は必要不可欠というのはいうまでもないが、技術を使い効率よく経済や社会をまわすという点でも科学を学ぶ意義はある。


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