ルヴァンのいると外国人とふれあう機会がたまにある。
お客さんだったり、研修生だったり。
　英語で話せる貴重なチャンスなので、話せないなりにも積極的のコミュニケーションをとるようにしている。
　製法の話など専門的なところもあり、知らない単語も出てくるけど、同じ分野で同じような疑問を抱いていたりして、パンを共通言語にして会話できた気になっている。これは外国のスケーターと会話する感じと近い。
ある日のこと、
　カナダからの研修生のニックさんにつたない英語で説明していた。ちょうど粉挽きにいくタイミングだったので「見る？」と聞くと興味がありそう。
　石臼に麦粒を入れていると、「foy culture?」と質問が。そうだよと答える。酵母繋ぎに使う全粒粉を挽いていたのだ。
culture は「文化」以外にも「培養」という意味がある。
　外国のレシピ本に書いてあるのは見たことがあったけど実際の中で耳にすると「ぐっ」とくるものがあった。
十代からはまったスケートボードもそこから生まれる文化に面白味を感じていたし、今のパン屋の仕事も自分のなかではそこから繋がっているように思っていた。
　またここで「culture」という言葉に出会えたことが嬉しく、このまま進んでも良いのかなあと思えた。
文化のために、培養のために、毎日を過ごそう
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2017年1月14日