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「“聴く”と“勇気付ける”を通して、温かみと活力ある社会を!」 社長の社外女房役、 聴く力コンサルタント 安田 剛さん

“聴く”を人生のテーマとして、主に経営者を相手に“温かさ”や“活力”を日々お届けしている安田剛さんに“聴くこと”の可能性と経営者に対する思いをお伺いしてきました。

安田 剛(やすだ つよし)さんプロフィール
foryou4e(フォーユー・フォーイー)代表
社長の社外女房役
聴く力コンサルタント
GCS認定プロフェッショナルコーチ
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー
人を大切にする経営学会会員

<経 歴>
●1968年生。鹿児島県奄美市(旧名瀬市)出身。静岡大学卒。
●商品取引業界の営業を皮切りに中小企業経営者向け営業及びコンサルティングを10数年行う。会計のアウトソーシング事業でクライアント数を約300社まで伸ばした際には、粘り強くコミュニケーションを行うことで、税理士、営業、業務、在宅スタッフなど関係者すべてとの信頼関係を築き上げる。
●2004年より、経営コンサルタントの視点とカウンセリングマインドを活かしたコーチングを行う。便利屋のバイトから150人規模の会社役員まであらゆる階層、立場での経験を活かし、【社長と社員の心をつなぐ通訳師】としてコミュニケーションギャップを改善し、目線を合わせ一体感のある風土作りを支援。
●現在は、教育、医療、IT、メーカー等に従業員数人~100人規模のクライアントを持ち、【聴く力コンサルタント】として社長の心に平和と勇気をもたらし、社長の「聴く力」を高めることで、社員の成長と輝きを引き出し会社の持続的成長を達成していく取り組みに力を注いでいる。


「社長に寄り添い心をつなぐ橋渡し役」

記者 本日はよろしくお願いします。

安田 剛さん(以下、安田 敬称略)はい、よろしくお願いします。

記者 早速ですが、安田さんは“聴く”ということをテーマにしたコンサルティングをされていますが、どういった経緯で今のお仕事をされていますか。

安田 商品先物取引の営業や教材販売会社で一通り働いた後、35歳の時に一旦会社を離れました。その際に、自分自身の棚卸しをしたところ“聴く”“勇気付ける”という2つのキーワードが出てきました。ですが、この2つを使って何をするのか?という具体的なイメージはありませんでした。

そんな時、たまたま当時お世話になっていた先輩コンサルタントの方に「安田さん、コーチングが合っていると思うよ」と言われる機会があって、その足でそのまま新宿の紀伊国屋書店へ行ってみたんですね。2003年だったんですけど、当時、20~30冊くらいコーチングの本があって、これで仕事をする人がいるのならば、やってみようかと思い10冊ほど本を大人買いしました(笑)
それからコーチングだけでなく心理学にも興味を持って、丸2年間勉強した後、独立したんですけど、何をするコーチかは曖昧でビジネスコーチとだけ名前をつけていました。

今の仕事につながるイメージは2人のお客様からヒントを頂きましたね。

1人目は女性の社長さん。自社の営業担当と噛み合わず悩まれている方で「安田さん、あの営業と話していたら頭が痛くなる!悪いけどあの人の言っていること通訳してほしい!」と依頼されました。
2人目はまた別の会社の社長さん。こちらの方は自社の幹部とそりが合わず、いつも対立していたようで「安田さん、あの人の話を聴いて私に通訳してほしい!」と言われたんです。

本当に同じ時期、数週間の間に同じように「通訳して!!」と言われました。

そこで「そうか!と、私は“通訳”をしているんだ!」とヒントを得て、 “社長と社員の心をつなぐ通訳師”と言う肩書きで活動するようになりました。

記者 それはご自身の中でしっくりされたんですか。

安田 はい、“社長の思いを社員に伝える”というところは特にしっくりきました。

過去の仕事でも“社長の愚痴の聴き役”的な立場をしながら、ずっと社長に付いて回っていたんです。社長の奥様にも言えないような所にも一緒に行って、時には奥様に向けたアリバイ作りのお手伝いにも加担して。とは言っても奥様にはバレバレなんですけどね(笑)
社長が会員制クラブで縁を持った方に一日同行する機会があったのですが・・・。それが、まるで儲かっている会社に集金に回っているような雰囲気で・・・。数日後に社長がその方と2人で会って以後、二度と会うことがなくなるということもありました。

ですから、私は社長が何かをする時、困ったことやクレーム対応も含めて常に同じ場を共有する機会が多かったんです。
だからしっくりきたんです!私はずっと各社の代表、営業部長、事務リーダーというような各社の代表と社長の“橋渡し役”をずっとやっていたんですよ。


「社長って憎めない。社長の社外女房役が私の役割」

記者 なるほど、それで社長と周りをつなぐ役は安田さんにとってしっくり来たんですね!ですが、しっくりは来るんですけど、大変な思いもされていますよね。やりたくないだとかそういった嫌な気持ちはなかったんですか。

安田 それに関してお答えすると、たぶん私、社長が好きなんですよね。

今まで色々な社長さんにお会いする機会を持たせてもらったんですけど、皆どこか憎めない。基本、生き方が不器用な人が多いんですよ。
すると、私の中では出番を感じる。そういう人の近くにいると役割を感じる自分がいるんです。

社長って基本悩みが深いんです。社員を路頭に迷わせるかどうかのリスクを背負って頑張っている。
こういう人には聴く人が必要だなって思ったんです。だから今は、自分の肩書きを“社長の社外女房役”という肩書きとしています。

記者 そのお話を伺って、なるほどと思いました!

安田 社長って社員にはなかなか言えないことがある。では、それを誰に聴いてもらっているかというと、占いの方や風水の方とか、実際に沢山あります。
会社の会計を見ると、そういった訳がわからない支払いがあるんです。周りも突っ込みたいけど突っ込めないような支払いが。

とにかく、社長ってものすごいストレスの元で働いています。
私は今まで、そんな社長の間近にいて、余計なことは言わず、現場の空気を伝える役割もしていたので、良い聴き役だったのかなと思います。

私がやっていたことは本当に“聴く”“勇気付ける”だけなんです。
ですが、それで社長が踏みとどまってくれることも沢山ありました。


「“聴く”を通して温かみと活力ある社会を!」

記者 最後に“聴く”ということの可能性と、“聴く”ということを通してどんな未来社会をつくっていきたいかお話いただけますか。

安田 まず可能性ですが、聴くことの可能性は“人の命を救える”ことだと思っています。

なぜかというと、会社で鬱になって、ひどくなると自殺する人もいますよね。ですが、ほんの1人で良いから、その人のことを本当に理解して聴いてあげられる人がいたら絶対に死なないんです。大切なことは孤立させないこと。1人でもわかってくれる人がいたら救われるんです。

聴くことのベースは人を笑顔にできることだと思うんですよね。少しでも気持ちを吐き出せると人は楽になる。誰もが本当は自分のことを知ってほしいと思っているんですよね。

記者 私もすごく共感します。

安田 どんな社会をつくりたいかについてですが、今、私は“人を大切にする経営学会”という会に入っています。そこに集まる方々は“大家族主義経営”を実践しています。

それが何かというと、お客様の前に従業員と従業員の家族をまず大事にすること。従業員と従業員の家族を大事にして、それからお客様や株主を大事にするというもので、この大家族主義経営を実践している会社は皆さん黒字です。上手くいっているんです。

そして、上手くいっている会社の共通点として“聴き合う文化”があります。

いつも聴かなければならないということではないのですが、目の前の人が困っている時には聴き合う、誰もが誰かの聴き役になる、そんな文化を広げていきたいと思っています。

そして、そんな文化を広げていく為には、聴いてもらって嬉しかった体験が必要です。聴いてもらえて嬉しかった!だから今度は自分も目の前の相手の話をしっかり聴こう!という連鎖が必要です。

この連鎖が広がればギスギスすることのない優しい社会になると思うんですよね。温かみのある社会になると思います。

私のテーマは“聴く”と“勇気付ける”を通して温かみと活力をお届けすること

これをお届けして広げていくことができたら、私としては自分が逝く時に、少しはご先祖様によくやったと言ってもらえるかなと、そんなことを思いながら日々活動しています。

記者 “聴くこと”や“勇気付けること”を通して、多くの人の重荷が取れていく。温かくて活力が生まれていく世界が私の中でもイメージとして広がりました!

本日は素敵なお話、本当にありがとうございました!


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安田剛さんに関する情報はこちら

●安田剛さんのホームページ



【編集後記】 
今回、インタビューの記者を担当した美談年民と美談まどかです。
“聴く”を通して温かみと活力を与えられている安田さん。インタビュー中も温かい場をつくって頂き、終始和やかにお話を伺わせて頂きました。
記事には載せきれなかったのですが、安田さんが話を聴く時には、“目の前の相手の言葉だけではなく、心の奥底やルーツまでも含めてすべて聴く”のだそうです。
“聴くこと”に対する安田さんの深い追求とプロ意識を感じるかなり濃厚な時間となりました。
お忙しいなかお時間をつくってくださり本当にありがとうございました。

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。


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