「物語は終わったが、本は消えず、ずっとそこにある」―高橋幸宏さんへの細野晴臣さんの言葉

1月、高橋幸宏さんが亡くなった時、YMOでの盟友で、リーダーの細野晴臣さんがこう悼みました。

最近NHKの朝ドラ「らんまん」をなぜか継続的にみるようになってしまったのですが、つい先日の回でヒロインが似たようなセリフを言っていたのが印象に残っています。
「らんまん」は植物学者・牧野富太郎の人生をモデルとした神木隆之介さんが演じる槙野万太郎の物語ですが、ヒロインで妻となる浜辺美波さんが演じる寿恵子といよいよ共に歩み始める回でのことでした。
寿恵子は万太郎の長屋に押しかけ、お互いの気持ちをぶつけ合います。

途中、同じ長屋の住民が邪魔に入り、寿恵子のお気に入りである読本作者の滝沢馬琴にケチをつけます。寿恵子は反論し、「例え、作者が亡くなったとしても、完結した物語は消えない、完結した物語は生き続ける」と。少し、細野さんの言葉とニュアンスが異なるかもしれません。でも私にはなんとなく、同じに聞こえました。

幸宏さんの最後の歌声は<METAFIVE>としての「See You Again」。
とても前向きな歌詞と希望に満ちたメロディ。これからもまだまだ自分の音楽は続くんだとも感じさせる内容ですが、一つの区切りも感じさせる曲、まさに幸宏さんは自分を完結させて旅立ったとも思えてしまうのです。

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