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2.21 王宮

9時起床。4日目にして初めての曇り空。
昨日に引き続き、サラサラさんの観光に付いていくことになっていたので、待ち合わせ場所の王宮に歩いて向かった。

途中、Puerta del Sol広場を通りかかると、すごい人数の軍人らしき方々が集まっていて、式典のようなものをやっていた。 おそらく1,000人以上は集まっていたと思う。

「Ja!!!」

軍人の方々が全員で一斉に号令的な掛け声を上げ、踵の音が石造りの建物に反響し、Sol全体が張り詰めた空気に。

しかし、これから王宮に行かなくてはいけないため式典を横目に西に向かって歩いた。なんの式典だったのか、結局詳細は不明のままである。

スペインはに来て数日だが、日本に比べてお祭りなどのイベントごとが多いような気がする。マドリッドに着いて数日しか経っていないのでたまたまかもしれないが。

迷わずに王宮に到着。王宮の正面入り口に近づくと、なにやら荘厳なオーラが漂い始めた。近づくと、日本では見たことがない広さの入場ゲートが表れた。

ほぼ同時にサラサラさんも現れ、入場料を支払い入場。
王宮の中に入ると、全長20mはあろうかというダイニングテーブルがあったり、高い天井や豪華な調度品に武器、庭園には美しく手入れされた綺麗な花や植物。
昔の貴族のゴージャスな暮しぶりがこれでもかというくらいよく分かる内部を見学することが出来た。

3時間程かけて一周し、王宮を後にした。

歩き疲れたので2人で近くのバルに入り昼食。じゃがいも入りの卵焼きをバゲットで挟んだトルティーリャサンドというものをいただいた。炭水化物&炭水化物の代物だがほっこりする味わいですごく美味しかった。

二人で旨い旨いと言いながら食べていると

「あの...。」

と突然、背後から日本人の女性が話しかけてきた。

日本で生活していたらありえないシチュエーションだったので二人で怯んでいると

「となりの席いいですか?」

さらにありえないシチュエーションに聞き間違いかと思い、固まっていると

 

「こっち(ヨーロッパ)での一人の食事は寂しので...。」

 

旅先では日本人同士というだけで仲間意識が芽生え、話しかける方も話しかけられる方もお互いハードルが低くなるような気がするが、流石にいきなり同じテーブルにお邪魔する勇気は自分にはないのですごいと思った...。

彼女は日本で写真関係の仕事をしていたらしいが、沢木耕太郎氏の小説「深夜特急」に深く感銘を受け

「こういう旅(長期の旅行)は25歳までしかすることができない」 

という一文に衝撃を受けて仕事を辞め、3か月かけてヨーロッパを一人旅しているのだそうだ。

旅に出た動機が自分とほぼ一緒、旅行期間も同じだった。違う点は、彼女は移動型の旅に対して自分は一箇所滞在型ということである。

自分はマドリッドのみに3ヶ月間滞在する予定。

食事をしながら彼女は旅行中の出来事などをいろいろと話してくれたが、寂しいと言っていた割に食事が済むとあっけなく去っていった。

気を取り直し、食後サラサラさんとふたりでレティロ公園に行ってみた。

「地球の歩き方」によると、旅行者は明るい内からとて近づかない方が良い場所とされている公園だ。

すれ違いざまにアクシデントを装いケチャップをかけてきて、謝りながら拭いている間に財布を盗むというチームプレイのスリや、ドラッグ漬けのアブナイやつに追いかけられるといったことが報告されているらしい。

2人で恐る恐る公園に入ってみると、同じところをウロウロしている青白い顔をした猫背の青年や、ケチャップたっぷりのホットドッグを食べている3人組などが目に入り少しビビった。
ただ公園でくつろいでいた人々だったかもしれないが...。

怖くなり、数十メートル行ったところで足早に引き返し、十分に堪能したことにして公園をあとにした。

レティロ公園を出てマヨール広場に行くとお祭り(昨日の続き?)が開催されていて、ミュージカルようなものも催されていた。
広場の入口には"Ayuntamiento de Madrid"の大きな看板。

しかしそれほど人も集まっておらず、盛り上がっているとはいえない雰囲気。まだ20時なのでスペインでは盛り上がるにはまだ早いのかも知れない。 

そして、3日間一緒に行動したサラサラさんとここでお別れ。

一緒に歩いてくれてありがとうと感謝されたが、自分の方こそ感謝感謝。この3日間で一人旅に関する基本をいろいろと教えてもらった。

サラサラさんは、明日アンダルシア方面へ南下してからポルトガルに向かい、飛行機でバルセロナに戻ってきてから日本に帰るそうだ。

「本当の一人旅がスタートだ...。」

最後まで名前を聞く事が出来なかったサラサラさんに手を振り、別れを惜しみながらホテルに帰った。

いつも通りロビーの前を通りかかると、一昨日の夜雑談をした際にフットボールファンということが判明したメガネの男子がいて、フットボールの試合を観に行かないかと誘われた。

観に行く試合は、世界的に有名なビッククラブ「レアル・マドリッド」、ではなくレアルに次いでマドリッどのビッグなクラブ「アトレチコ・マドリッド」の試合である。

レアル・マドリッド以外の試合も観てみたいと思っていたので楽しみだ。来週の月曜日に一緒に行くことになった。

マドリッドに着いてからずっと続いていた便秘は本日解消された。

本日の出費

王宮入場料 800Pts
トルティージャサンド 350Pts

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