鍵のない部屋(27歳貧乏絵描きの住処)その1
僕の部屋は、基本、鍵をかけない。
盗られて困るようなモノがないからだ。
いつの間にか、同じアパートに住む子供たちが勝手に出入りするようになった。
彼らは、僕のいない時でも、僕の部屋に集って遊んでいる。
ここを秘密基地にしているようだ。
オカズを持ってきてくれる子もいる。
「兄ちゃん、もっと食べないと栄養失調になるよ」
「これ、お母さんが、お兄ちゃんに持ってけって」
冷蔵庫には、買った覚えのない物が多く入っていた。
その多くは、自分たちで食べるお菓子だったが。
しかし、