見出し画像

無題(2022)についてとその他

普段は漠然と雰囲気や世界観の事を考えながら作っているのでなかなか言語化が出来ないのですが、今回は多少出来そうだったのでそのようにしてみます。10月の紅楼夢で発表した新譜とその他についてです。


【ジャケット】

絵が描けないなりに秘封倶楽部を表現するにはどうすればいいかを考え、とにかく要素を分解してみるところから始まり、何やかんや記号化した結果こうなりました。構図が決まって最初はデジタルで制作しようとしていましたが望んでいた質感が出せず、悩んだ結果これくらいなら恐らく出来るだろうという事で手描きに踏み切りました。使用したアクリル絵の具(緑・金色)、キャンバス、筆、その他の道具は全て100均で揃えました。マジで何でもあります。美術の授業以来の絵の具に大変苦戦しながら何とか塗り進め、大体90分くらいで完成しました。上下を2色で塗り潰したあと、その上からそれぞれの色を少し混ぜて互いが互いを侵食し合っている共依存的な雰囲気が感じられるよう努めました。不安はありましたが割とイメージに近いものが出来上がったのでそこそこ満足しています。プチ美大生気分が味わえて楽しかったです。色弱なので制作中本当にこの色で合っているのか大変不安でしたが、イベント当日に「合っている」との言葉を頂いたので安心しました。

野菜ジュースのステマ


【曲】

全曲ともギターは左右の2本のみで、それぞれ秘封倶楽部の2人に見立てたつもりです(ライブで演奏する際の再現性を高める魂胆も少しあります)。めちゃめちゃヤバい活動をしているサークル感を出すために全体的に不穏でヤバそうな雰囲気を目指しましたがいつもの作風と何ら変わっていません。余談ですが魔術師メリーの編曲中、曲が暗すぎて気が滅入ってしまい友人に助けを求めました。

解説の余地があるのは5曲目で、この曲は一切練習をせずに録音を始めました。言い換えると録音ボタンを押してから練習を始めました。ギターもベースも全て一発録りです。なので冒頭はめちゃくちゃ下手なところから始まり、リアルタイムで音程やコード進行を覚えながら少しずつ曲の体を成していきます。そうする事で秘封倶楽部の2人の関係性が歪な状態から徐々に信頼が形成されていくさまが表現出来ればと思ったのですが、そんな事情を即座に汲み取って下さるような秘封超人はまず居ないはずなので、初めて聴いた方からすればただの手抜きのアレンジでしかありません。なのでこれを世に出すかかなり悩みましたが最終的に「まぁいいか」となって収録に至りました。また、当たり前ではありますが現在はある程度弾けてしまうので音源に近しい演奏は出来ても同じ演奏はもう出来ないかと思われます。完成度的に全パート相当納得はいってないですがコンセプトとしてこれで良かったのだと飲み込む他ありません。ちなみにドラムはドアと机を力強く叩いた音です。活動における葛藤の再現として採用しました。過去から現在の表現という事で安直ながら原曲に過去の花を選びミックスも古めかしさを出しましたが、どうせなら曲の進行と共に音が鮮明になるようにすれば良かったなと若干反省しています。

そんな新譜が現在BOOTHにてご購入頂けます。
ぜひどうぞ。
https://booth.pm/ja/items/4230984



ここからはその他の話です。

【価格】

これまで深夜放送のCDは曲数に関わらず全て300円で販売していたのですが、今回の紅楼夢より全て500円になりました。とある複数人の方から頂いた言葉がきっかけです。私は長らく自分のCDに300円以上の価値が付けられず、あまり世に出す話ではないですが毎度大赤字を叩き出しながら制作を行っていました。元々黒字を出そうとは全く考えていなかった上、ある程度の方の手に渡ればそれで満足していたためです。しかしながら先日、せめて制作費を多少回収出来る程度の価格は付けるべきである事、そもそも作品の価値は本来受け手の方が決めるものである事を前述の複数人の方から教わりました。自分で作った物の価値を自分で決められないなんてそんな悲しい話があるだろうかと一瞬は考えましたが、確かに自分だけが楽しむならまだしもそれを世に出す以上これは避けられない事なのだなとすぐ納得しました。また、値段を上げたとしても買われる方はちゃんと買って下さるという言葉もその時頂いたのですが、これもその通りになり、この度の売上はありがたい事に従来とほぼ同等でした。お陰様で次回の作品は経済的に無理なく制作が進められそうです。お手に取って頂いた皆様、本当にありがとうございました。今後とも頑張ります。

追伸:Rさん、Mさん、Aさん、その節はどうもありがとう。

【今後】

必ず年に1つは深夜放送の作品を発表するよう努めてきましたが、ちょっと色覚異常の方を頑張りたい気持ちがあり来年は怪しいかもしれません。ただ2015年から何とか毎年継続しており途絶えさせたくなさが鬼なのでせめて1曲だけでも発表したいところです。あと深夜放送と色覚異常双方に言える事ですが、ライブをしたいと長らく考えております。ただここでどなたか誘ってください!と言えるだけの諸々が無いので自分でその場を準備するのが一番望ましい気がしています(もちろんもしお声掛け頂けるようでしたら喜んで出演を検討させて頂きます)。現状決してバンドとして仕上がっているわけではないのですが、というかバンドとして仕上げるためにライブという明確な活動の指標が欲しいという感じです。近頃は友達のサークルが総じて活動年数分の経験値を積んだエグいパフォーマンスをするようになっており(みんな初期から凄かったですが)、完全にベクトルは違いますがウチも謎の雰囲気だけは持っているはずなので伸ばせるところを伸ばそうと思案中です。演奏スキルの面では私個人ではとても敵わないのでサポートをしてくれている御三方に全振りします。いつも私の珍妙な要望を文句一つ言わず聞き入れてくれる最高のメンバーです。いつも変な立ち位置で演奏させてしまってすみません。次は普通の位置でやりましょう。ギタボも立ってやります。前も向きます。必ずバンド動かすのでたまには楽器触ってね。


その他の話の方が長くなってしまいましたが以上です。ちょっと最近休み気味ですが、引き続き色々と制作やっていきます。やりたい事だらけです。
ところでM1楽しみですね。金属バットとランジャタイをよろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?