文学フリマ

友達に

「ネットでお友達作れない。こわい。しかし趣味の友達は欲しい」

と駄々をこねたら、

「イベントに行って友達つくってこい」

といわれた。

ついでに「本を買って、それが面白かったらその人のツイッターをフォローすればいいんだ」とアドバイスを貰った。22歳にして友達の作り方を教わるなんて思ってなかった。わたしは恐る恐るかねてから興味のあった即売会なるものに行くことにした。

正直言って、こういうイベント毎ってあんまり良い思い出が無い。過去に一回だけ、それも出展側で参加したことがあったんだけど、分かったのは一緒に作品を作った友達がちょうど良くゲームのシナリオを書いてくれる人を欲しがってただけで、必ずしも私と作品を作りたいと思っていなかったことだけだ。その証拠にか彼女は私とではなくフォロワーさんと打ち上げに行ってしまった。私は帰り道1人りんかい線にゆられながらなんだかとてもさびしくなって泣いてしまった。

そんな思い出しかなかったから、実際にイベントに行ってみて、こんなにも楽しいものなのかと驚いた。なんていうか、ディズニーに行ったときのわくわくと違う。みんな穏やかに会場の雰囲気を楽しんでいて、いくも自由かえるも自由。とにかく自分のペースで楽しんでいいのよ、っていう雰囲気が、文学フリマにはあった。他のイベント知らないから良く分からないけど、もっとこう、ギラギラしてて、周りでは「ギャー! ○○さん~~~!! 新刊見ましためっちゃ萌えましたやばいですまって尊い(涙&合唱)」みたいな会話がBPM200の速度で繰り返されるようなめまぐるしい空間を予想していたから、地に足を着けながら楽しめるイベントだったことに少しびっくりしたし、それであってうれしいなぁって思った。脳みそが処理の限界を超えない程度ににぎやか。学校終わりにパン屋さんよろうかな~くらいの手軽さを、こんなに人が多いにも関わらず実現できているという点は、きっと主催者さんや出展者さんや来場者の人の気質が似ているからなのかなって思った。多分、お話をつくる人に共通する、なんだかゆるゆるとした片栗粉の餡みたいな雰囲気があるんだとおもう。よく分からないけど。

ひとつ学んだことは、気付いたらお財布の紐がゆるゆるになってしまうということです。

こいつぁやべえや。

おしまい。

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